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パワーレベリングへの道

『…………………………』

なんだろう、神様の圧が凄い。

エミリアとダンジョンでパワーレベリングする約束をして、装備を取りに宿に戻るというので一旦別れ待ち合わせ場所で時間を潰している現在、神様から謎の圧をかけられています。無言なんだけど念話の接続が切れてるわけじゃなく、無言の思念が伝わって来るというか……無言電話かな?

神様ー、言いたい事があるなら言ってくれませんかー。

『……男の娘、イケる口?』

ぶふぉぉぉっ!! 口に含んでいた屋台で買った果実水(ほのかにレモン風味)が吹き出され、綺麗な虹が架かる。迷惑そうに睨み付ける通行人に、俺は咳き込みながらも頭をペコペコ下げて謝る。

まってまって、なんか凄い勘違いされてんですけど! いや確かに外見は可愛いよ? でもあの子ついてますから! 自分ノーマルなんで対象外っていうか彼氏(ヴァイス)いますから!(なお女体化すれば範囲内な模様)

『……ほんと? ヴァイ×シン×エミの三連結とかない? 私まだ感覚フィードバック完全に切れないから変なプレイされるとこっちまで被害出るから出来れば止めて欲しいんだけど』

……まって神様、その三連結とかどっから出てきた妄想なの!?

『……ちょっと腐海の住人に薄い本貰って……大丈夫! 絵は上手かったしちゃんとイケショタに描かれてたから! なんなら読んでみる? 完成度高いよ?』

大丈夫な要素一個もないよ! そのウ=ス異本は多分読むと俺のSAN値がゴリゴリ削れるて発狂するんで絶対止めてむしろ焚書してくださいお願いしますというか実在の人物でBL書くなコンチクショー! 

脳内で神様とギャンギャンやり合っていることしばし、ダンジョン用の装備に着替えたエミリアがやって来る。

「ごめん! 待った?」

思わず「う~うん、今来たところ~」と返しそうになるが、そこはクールキャラが売りのシンさんである(初耳)。一言「気にするな」と言ってダンジョンへ向かう。

『……この子の前で格好つけると言うことはやっぱり……』

おおっと疑惑が再浮上しましたよ。いえ、男は意味無く格好つける生き物なんですよお願い信じてぷりーず。

「あれ? ところでどこのダンジョンに行くんですか? 西ギルドの方角じゃないですよね?」

疑問を口にして首をコテンッと傾げるエミリア(可愛い)に、俺はにっこり爽やかに笑ってこう答えた。

「怨念渦巻く古戦場 (にちゃぁり)」

「……え?」

大丈夫、俺もゾンビは大変だったけど耐えられた。だから……お前も俺と同じ目に合おうぜぇ~。

『……なんて邪悪な笑顔(戦慄)』


「はいっ! ではこの「怨念渦巻く古戦場」にて、第一回「ドキッ、ゾンビだらけのパワーレベリング、(首が)ポロリもあるよ」を行いたいと思いまーす」

「わー……(死んだ目)」

「HAHAHA 元気がないぞぉ」

まあ同じ目に合わせるうんぬんは冗談として、

『嘘だっ!!』

冗談として、実際パワーレベリングを行うなら蒼牙の通常攻撃1発で敵が即死するのに経験値が美味しいこのダンジョンが一番だろう。とは言うものの1層ではそこまで経験値効率は良くないから出来るだけ下層に行きたいところ。

とりあえず入り口の石碑に二人同時に触れ、パーティーを編成する。……今更だがダンジョンの石碑にはステータスの確認やクラスチェンジの操作以外にもパーティーを編成する機能がある。同時に石碑に触れている者同士最大6人がパーティーを組め、パーティーメンバーが敵を倒すとそれ以外のメンバーにも頭割りで経験値が獲得出来るようになる。うん、普通なら序盤で解説される機能だね。まあ今回初めて使ったんだけどな! ボッチじゃないよ孤高のソロプレイヤーだよ(震え声)。

ところでいつも使っている「隠密」技能は実は自分だけでなく、触れているパーティーメンバーにも効果があったりする。むろん自分1人だけの時よりも効果は落ち、判定値で大体2~3割減少といったところだ。とはいえこのダンジョンでなら多少判定値が落ちても、俺の敏捷と隠密技能なら何の問題も無い。

と言う訳で俺はエミリアをオンブして隠密しながら最下層まで駆け抜けることにした。

「ええー……」

『ないわー』

お黙り! 確かに見た目はアレだが効率を考えればこれが最適解なのだ。まあ背負う相手がおっぱいのある相手だったら童貞には無理だったがな!

……どうした、笑えよ(;ω;)


なんか妙に恥ずかしがるエミリアを説得、背負って今の自分の最高速度でダンジョンを駆け抜ける。

「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

推定時速150kmオーバー、幸い怨念渦巻く古戦場はフィールド型ダンジョン、減速する必要のあるカーブなどは点在する村落ぐらいなのでほぼ全力で行ける。まあ今の器用値と英霊のブーツの頑丈さならドリフトとか直角ターンとか普通の人間には不可能な機動も出来るんだけどな! ちなみに下層への階層のある建物の扉はダイナミックお邪魔しますで蹴りとばしている。

「にぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

途中現れた敵は一瞬だけエミリアを支える片手を離し、蒼牙を抜刀。すれ違いざまに斬り付けて処理して納刀。なおここまでほぼ立ち止まっていない。

例外は宝箱出現時だが、大抵変化する頃には遥か後方なのでほぼ無視。ただ5層の中ボスは高確率で宝箱を落とすので一応立ち止まる。

「……ぜひゅー……ぜひゅー……」

「なんか息も絶え絶えだな」

「……誰の……せいだと……こんな……激しい……なんて……ひどい……」

まってエミリアさん発言が微妙にエロいです。そう考えるとこの荒い息づかいが別の意味にっ!

『……やっばりイケる口……』

疑惑が再々浮上だと……うん、確かにヤバい発言だな。

こいつ男こいつ男こいつ男こいつ男こいつ男……よし!

ちなみに宝箱の中身は聖魔法Ⅱの魔導書だった。

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