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ある冒険者の独白

本日2話目。元王太子視点。

細かい描写するとR18(しかもBL)案件。これなら大丈夫だよね……というかなんでこんなストーリーになった。

苦手な人は無視して下さい。読まなくてもストーリーは繋がります。でも読むと元王太子君の内面とヒドインちゃんのアレっぷりが良く分かります。でも内容は作者本人が認める酷さw

なおこの作品に強姦や覗き、下着泥棒等の犯罪行為を容認、助長する意図はございません。念のため言っておきます。

僕は生まれた時から恵まれていた。

そこそこ裕福で生活に不自由しない家。

優しく人格者で周りからの評判も良い両親。

家庭的で美人な姉に、頭が良く努力家な長兄、行動力があって面倒見の良い次兄。

三男の僕はしっかりとした教育は受けたものの、家を継ぐこともないので、比較的自由に育てられた。

近所のおばさん達からはかわいいとか将来が楽しみとか言われていたので、顔にも恵まれていたのだろう。実際、10を越えたあたりから同世代の女子からのアプローチが激しくなってきた。というか激しくなりすぎて引いた。こっちの意思無視して取り合い、挙げ句の果てに掴み合い喚き合い引っ掻き合う。一時期は同世代の女子に恐怖すら感じたよ。

それが理由なのか、僕は女の子に対して淡白な態度をとる人間に育った。正直男同士の方が気が楽だ。

『女の子なんかより男の子同士で友情を育むべきよ! ショタっ子同士で愚腐腐腐腐腐(ぐふふふふふ)

まあ友人からはスカしてるとか言われたし、女子からはクールで格好いいと更にモテるようになってしまったが。

そんなふうに恵まれていない人からは殺意すらおぼえるほど(特に男の友人から)恵まれていた僕だが、いつもどこか満足していなかった。何かが足りない。そんな気持ちが常に心の何処かに居座っていたんだ。

『貴方には運命の人がいるの。私には分かる、ラインハルトきゅんはこの世界に生まれ変わっている。貴方の財宝よ、探しなさい、この世の全てがそこにあるわ! 世はまさに大BL時代! そして○○○を◇◇◇して……愚腐腐腐腐腐(ぐふふふふふ)

口では説明出来ない、焦燥感にも似た思いに突き動かされて、慣例で仕事を始める12歳になった時、僕は世界を旅する冒険者になることにした。世界の何処かに足りない何かがあると信じて。

両親は冒険者なんてヤクザな仕事に反対だったが、僕の決意が硬いと見ると説得を諦めて応援してくれた。本当に良い両親だ。親不孝で申し訳ない。

餞別として両親から1振りの剣が贈られた。知人の鍛治師に打ってもらったというその剣は、数打ちとは思えないもので高かったのではないかと聞いたが、両親は気にするなと笑っていた。絶対高いヤツだこれ。

そうして僕は旅立った。なにを探すのかも分からない探し物の旅に。

『何となくわかる。くんくん、ラインハルトきゅんの香りがあっちからする気がする!』

とはいえ旅をするなら強いほうが良い。僕は迷宮都市バルトを目指した。本当はもっと故郷から近い迷宮都市があったけど、なんとなくそうしたほうが良い気がしたんだ。

たどり着いた迷宮都市での生活は、いろいろ世界が変わった。うん、まさか冒険者が男色の巣窟だとは思わなかった。顔が良かったせいで何度も襲われかけた。どうにか逃げ回っていたが、ある時ダンジョンで逃げ道のない状態で襲われた。

『はあぁぁぁぁっ!? 殿下は受けじゃなくて攻めなんですけどぉぉぉっ! ええい、ヤられる前にヤってしまいなさい!』

その時いろいろ目覚めた。弱腰では食い物にされるだけだ。僕は相手を返り討ちにして拘束し(何故か相手が不自然に動きが悪くなった気が?)、逆に食い散らかした。

『これよこれ! 殿下はやっぱり拘束からの監禁調教よね!』

何かの歯車がはまった気がした。満たされた、とまではいかないが魂の奥でこれだと言う声がした気がする。

それからは襲ってくる男を返り討ちにして美味しくいただくことにした。大抵その後は殺すかダンジョンなら魔物の餌にするけど、顔が良かったり具合が気に入った相手はしっかり調ky……逆らわないように躾て下僕(ペット)にした。

『下僕ハーレム展開! 腐腐腐腐腐(ふふふふふ)、さすが殿下』

満たされるには程遠いが、少し迷宮都市での生活が楽しくなってきた。3年もすると僕を襲う奴は居なくなった。むしろ可愛い後輩がいたら襲う側になっていた。別に男専門というわけではなく、顔に釣られて寄ってきた女と遊んだこともある。長続きしたことはなかったが。

そんなある日、ギルド裏の井戸で行水していた時、彼に出会った。

『! あの子!』

ぼろぼろの服にボサボサの髪、全体的に薄汚れていてみすぼらしい。なのに何故か目が離せなかった。

彼が服を脱ぎ、身体を洗い始めて驚いた。身体は痩せてはいたが貧相と言うほどではない。錬金石鹸で洗うと垢が落ちて浅黒い肌が真っ白になった。灰色だと思っていた髪は見事な銀髪へと変化し、さらさらになった髪を指で後ろに撫でつけて露になった容貌は。

()ぉぉぉっ! ラインハルトきゅん! しかもショタっ子バージョン! この子が、こんな子が○○○されちゃうなんて……想像しただけでご飯三杯はいける!』

幼くも強い光を宿した青銀の瞳は何処か刃物の輝きを思わせ、整った容姿と相まって冷たさを感じさせる。行水中も気を抜いていないのか、周辺をうかがいながら水を浴びる姿は警戒心の強い野生の猫科の肉食獣を連想させる。

『この子! この子が貴方の運命の相手よ! ああ、とうとう殿下とラインハルトきゅんが結ばれる……余すとこなく観察し、魂に焼き付けなければ! さあ、ヤるのよ殿下! 抱けぇっ! 抱けぇっ!』

見つけた。理屈じゃない。魂が理解した。彼こそが探していた足りない何かだ。凄まじい歓喜が沸き上がり、同時に圧倒的な性的興奮で頭が熱に浮かされ、下半身に血が集まっていく。ふと気が付くと彼にふらふらと歩み寄っており……警戒していた彼に逃げられた。まあ、股間の物をおっ立てて男が近付いてきたら普通逃げるよね。それにさすがにギルドの裏で○イプするのはまずい。ギルドは性癖には寛容だが、縄張り内での性犯罪を容認するほど無秩序ではない。ヤるならばれないようにだ。

これ以来、僕は何かにつけて彼の姿を探すようになる。ギルドで彼を見つけた時は思わずガン見して、話しかけていた下僕(ペット)の子を無視してしまった。なんか嫉妬して絡もうとしてたからその日の夜にじっくり躾した。

『くんくん、ラインハルトきゅんの匂いがする!』

町中で彼を見つけた時は思わず尾行していた。彼はフード付きのローブを着ていたが、僕には何故か直ぐわかった。彼は職人区画の私設の浴場が目的地のようだ。

『一緒にお風呂! 裸の付き合い! ん? 突き合う? 愚腐腐腐腐腐(ぐふふふふふ)

彼と身体を洗いっこするやたらリアルな妄想に突き動かされて後に続く。へえ、かなりサービスが充実しているな。彼も洗濯乾燥サービスを利用するようだ。

『! ラインハルトきゅんの下着! お宝ですなぁ、どんな香りがするのかなぁ。ハアハア』

気が付くと彼の下着に手を伸ばしていた。なんでそんなことをしたのか分からない。布切れなんかより中身のほうが重要なのに。

人目がある状態でそんなことをすれば当然問題になる。案の定、用心棒に拘束された。どうやら引退して定職に就いた元冒険者らしい。僕よりもずっと身体能力が高いのでどうにもならない。幸いにして未遂、しかも被害が下着1枚ということで罪は軽い。仕事上がりで結構な酒が入っていたこともあり、酔っ払った馬鹿のやらかしという事になった。まあ罪は罪という事で「反逆の野菜の農場」に3日程潜る事になったけど。

『くっ、一時の感情に任せて失敗した! 次からは冷静に尾行して拉致る機会を探るべきね! いえ、人気の無い場所ならそのまま○イプして心を折ってからのほうが……』

幸い「反逆の野菜の農場」の魔物は強くない。僕は彼をどうやって自分の物にするか妄想しながら3日間戦って懲役を終えた。

次の日、早速彼を探しに行こうとしたが、3日間行方不明になっていたせいで下僕(ペット)達が寂しがっていたのでイロイロ慰めることにした。慰みものにしたとも言う。位階が上がって体力値もあがると色々凄くなる。迷宮都市の冒険者の風紀が乱れている原因でもある。

スッキリして次の日から冒険者ギルドに張り込む。夕方に換金しにきた彼を見つけた。念のために二番目の天職として選んだ盗賊の技能「隠密」を発動させて尾行する。鍛治工房に行った後はまた浴場に行くようだ。今度は妙な行動をしないように気を付けよう。セルを払って入場したら、「隠密」で気配を殺して彼の裸体を存分に観賞する。(十分妙な行動です)

『あの薄い少年のお尻に殿下のものが……ゴクリ。Be cool Be cool 今はまだその時じゃないわ』

昨夜あれだけシたのにいろいろ危険だ。冷静に、冷静になるんだ。ここで手を出したら意味がない。

浴場を出て尾行を続ける。てっきり何処かの宿に行くかと思ったが、着いたのはギルド、それも地下の迷宮「小鬼の洞窟」だった。迷宮に泊まっているのか? 無茶をするなぁ。転移陣を起動して転移する。転移陣で行けるのは「小鬼の洞窟」の場合は5層と10層……彼はたぶん迷宮に潜り始めたばかり。5層に転移する。 ……いた! 都合の良い事に人気の無い方へ向かっている。

『来た来た来た来たぁっ! いよいよこの時が……愚腐腐腐腐腐(ぐふふふふふ)。ラインハルトきゅん、ハアハア、ラインハルトきゅん、ラインハルトきゅん、ラインハルトきゅん、ラインハルトきゅん、ラインハルトきゅん、ラインハルトきゅん、ラインハルトきゅん、ハアハア』

ああ、興奮で頭がどうにかなりそうだ。股間が痛いほど膨れ上がり歩きづらい。

尾行してたどり着いたのはメインルートから外れた、たぶん人がまず寄り付かない安全地帯だった。

『ここがあの子のハウスね!』

成る程、ここなら居場所がバレない限りは変態どもに襲われる事は無いだろう。まあ僕にバレてるんだけどね。逆にここなら襲っても人目につかない。僕は「隠密」を解除して彼の背後に姿を現す。ああ、声を掛けたら彼はどんな顔をするんだろうか。

「見つけたぁ、こんなところに泊まってたんだねぇ」

直接描写ないから大丈夫だよね、運営さんに怒られないよね。……書いてて何だが酷い話だww

ちょくちょく挟まるヒドインちゃんの毒電波とそれに無意識で踊らされる元王太子君。書いててちょっと楽しかった。そして当初プロットではただの変態なネタキャラだった元王太子君が大出世。元の立ち位置は髭マッチョオネェ受付レベルだったのに……缶チューハイ片手に書いた掲示板回で思いつきでヒドインちゃんの設定ぶち込んだのが全ての元凶。こいつも元は掲示板で名前だけのキャラだったんだよなぁ……ちなみに小動物系ロリ巨乳。貴重な美少女キャラだがたぶん需要はない。

この小説は作者が飲みながら書いている場合があるのでたまにストーリーが暴走する恐れがあります。

え? 飲んで執筆するな? 人間正論だけじゃやっとれんのですよ。仕事上がりのリーマンに飲むなっていっても無駄なんですよ。おや健康診断の結果が……(全力で目を逸らす)。

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