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冒険者の始まり

初投稿です。粗の多さは大目にみてね。

「君の天職は盗賊、恩恵は幸運だね。」

俺、シン12歳。web小説ではありふれたごく普通の転生者だ(おい)。特に神様に会う事も使命を押し付けられる事もなく、なんとなく前世の記憶を思い出した後、迷宮都市バルトの孤児院から追い出される歳になり、冒険者登録をすることになった。え、他の職業の選択肢? 孤児、それも迷宮都市じゃそんなもんないよ? なんでも国の方針とやらで迷宮からの資源回収のため、孤児は12歳まで衣食住の保証がされる代わりに冒険者になる事が義務付けられているそうな。ぶっちゃけ危険な仕事(初年度死亡率50%らしい)を安い命に押し付けるわけだ。

さて、登録をすると冒険者は自分の持っている能力を、冒険者ギルドや迷宮内の各所にある石板で確認することができるようになる。「ステータスオープン」と言っても半透明な自分にしか見えない画面が空中に浮かぶ等と言う事は無い。因みに前世の記憶を取り戻した瞬間にやらかした事は今となってはいい黒歴史です。うん、石板の存在、孤児院で教わってたわ。

で、肝心の俺のステータス


名前:シン 性別:オス 年齢:12

位階:0 天職:盗賊 恩恵:幸運

筋力:10 体力:10 敏捷:10 器用:10

知力:10 精神:10 感覚:10 幸運:10

技能:隠密 索敵 盗む 解錠 罠


うん、初期ステータスですな。性別? ステータスは魔物や動物にもあるからオスメス表記らしいです。因みに位階はいわゆるレベル、天職は職業(ランダムで決まるらしい)でレベルアップ時の能力値の成長率と保有技能を決める。因みに位階が20を超える毎に上位職業に転職し第二の天職を獲得出来るらしい。恩恵はレベルアップ時にその能力値が追加で1上昇する。これも位階20毎に1づつ増えるらしい。能力値、だいたいわかるな。HPMPがない? 体力と精神だよ? 物理防御と魔法防御? 防具でなんとかしなさい。体力あると刃物が刺さらないとか現実的にあり得ないよね。

因みに盗賊はレベルアップするとこんな感じに能力があがる。


筋力:+1 体力:±0 敏捷:+3 器用:+3

知力:±0 精神:±0 感覚:+3 幸運:±0


合計値10、初期職はみんな一緒だそうな。これが戦士だと、


筋力:+4 体力:+3 敏捷:+1 器用:+1

知力:±0 精神:±0 感覚:+1 幸運:±0


となる。

さて、皆さんお気付きだろうか。俺は先ほどHPは体力だといったな。それを踏まえてもう一度盗賊の体力の成長値を見てみましょう。はい、盗賊は近接職業であるにもかかわらず体力が一切増えないですよね。D&DのHP1戦士並みに酷いね。HAHAHA……はぁ、いわゆるハズレ職業ですな。パーティー追放? いいえ、そもそも真の不遇はパーティー組んでもらえません! トラップのある中級迷宮からは盗賊系人気らしいけどね。ただしセカンドジョブとしてだがな!

しかも恩恵:幸運は今一つ効果が実感しづらい能力値が上がる為、これまた不人気。うん、天職と恩恵がギルド職員に読み上げられた瞬間、自然な感じに同じ孤児院の連中が離れていったよ。ソロ決定ですねわかります。そこはかとなく職員さん(おっさん、美人受付嬢なんていなかったんや……)のこちらを見る目に憐れみが混じっているのは気のせいだろうか……

「手続きは終わりです。邪魔になるので後ろの方に場所を譲ってください。」

気のせいだった。

迷宮資源の回収の効率化の為に設立されたのが冒険者ギルドだもんね! そりゃ十把一絡げの新人、それも見込みが無さそうな奴には塩対応になるよね! 因みに超国家的巨大組織とかじゃなくて、迷宮都市ごとに独立してる団体だよ! ギルドマスターとかの幹部はほぼ天下りさ! ファンタジーに夢見るのが間違っているんだよ!

あ、ついでに言っておくと冒険者にランク制はない。日雇い労働者をわざわざランク分けする意味とか無いんだよなぁ。まあ強くていっぱい稼ぐ奴は自然に目立つし、周りからも一目置かれるんだが。

さて、思っていたよりもハードな冒険者生活のスタートだが、やらないという選択肢は無い。最初にもいったが迷宮都市の孤児は12で冒険者になるのが義務だ。というか孤児には冒険者ギルドのギルド証以外の身分証を手に入れる方法が無く、身分証無しで仕事を見つける事は、少なくともこの国ではほぼ不可能だ。ただし犯罪者を除く……いや確かに天職盗賊だったけどね? 冒険者の盗賊と犯罪者のガチ盗賊はちがいますよ? 

なんにせよ一文無しで孤児院から放り出された以上、迷宮で稼がなければ餓死一直線。ご飯が欲しけりゃ命懸けで働くしかない。

そして俺は覚悟を決めてギルド地下、迷宮入口の前に一人立つ。武器は木の棒、防具はボロい服、背中を預ける仲間は居らず、得た天職は不遇職。それでも生きる為にはやらねばならぬ冒険者。だが少しだけ、俺の中の前世の記憶がこれからの生活にワクワクしている。前世では創作物の中にしかなかったものがこの先にある。ここから俺の冒険者としての人生がはじまる。そう……

「俺の冒険者生活はまだ始まったばかりだ!!」


続きますよ?

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