魔王の思惑~内緒のお話☆~
「な……」
『ここからは、内緒話♪……時を緩やかにする魔法で、周囲に我等の会話は聞こえない……』
姫様の周りは、音も、風も、人の動きも
それはそれはゆっくりと動いている。
「Σうわぁぁぁ!!!上級魔法以上の力ですよ!!!この時の流れ方はっ!!!」
そう。
姫様と神官を除い……て………?
ん?
『ちょっと魔王~なにしてんのよ~!!!姫様の守護が無かったら、私も時の渦の中だったじゃないの~!!!』
『……あぁ、居たのかww妖精族の姫には通用しないとは思っていたのだが、小物も加護の中だったか……』
妖精族の方々も、加護のお陰で除外されておりました。
『さて、本題。ねぇ姫様……ソコの彼と結婚しちゃいなよ?……勇者は僕のものだし、さ?……』
「は?……」
「……はい?」
そこの彼……と、指差された神官と、その指を視線だけで辿った姫様の
アホな声……
鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をして!!!
『良いじゃん。魔力は人並み以上だし、姫様の制御も出来そうだし?……』
「Σ嫌ですよ!!!自分より強い……否、人類最強かもしれない方となんて!!!私、まだ死にたくないですもん!!」
「なっ……!!私だって嫌よ!!!こんな脆弱で貧弱な男なんて!!」
そんな二人のやり取りに、
魔王が『はぁぁ………』と、大きくため息をひとつ。
『じゃあ、アソコで無様に気を付けて失っているあの男と婚姻するかい?……酷く醜くくて、陰湿で……低級魔族以下の気持ち悪い男と……』
「Σそんなっ!!ダメですっ!!彼はあの大臣の連れてきた男……」
『今すぐに、暗殺者を起こして僕の勇者を眠りにつかせても良いのだぞ?』
「ぐっ……」
姫様の居られる席では、おぞましい程の魔王の圧力に気圧されれ、ぐうの音も出ない程
迫られた危機に直面した姫様と新官が顔面蒼白になっている!!