一回戦終了w そして、元主役登場!!!
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一回戦は、サクッと。
それはそれは順調に終わり
諸外国の王子は二人が残り、
後は大臣の用意した玄人ばかりが勝ち残ると言う、恐ろしい展開になっている始末……。
「……もう、二回戦……」
「………姫様……」
と。
「姫様!!!対戦表の空白の部分、そろそろ証して頂こうか?」
「……大臣……」
ごくり。
大臣からの言葉に、冷たい汗が流れたその時であった!!!
ブワッ!!!
っと、一瞬
その場の重力すら無視した様な感覚を覚え
「!!!Σヒッ!!!……魔力…が……」
魔力の高い神官が、今までよりも更に青白い顔をして硬直する。
『そこには、この国の英雄が入るに決まっているだろう?』
「Σ誰だ!!!!」
「!!!」
ゆらり………
漂う蜃気楼の様な、魔力の余韻の中
佇むのは、二人の『人の姿』
「……勇…者……?」
「え?」
「!!!まさかっ!!!」
そう。
一人は、顔を伏せたまま……微動だにしない
かつて『勇者』と呼ばれた男。
もう一人は……
『やあ、お招きありがとう最強姫君?……あぁ、『あの時』と姿が違うから解らないのか?……僕だよ?君たちが魔王と呼ぶモノさ……ちょっとした『事故』があってね、遅刻してしまったよ……』
「「魔王?!」」
「魔王?!え?…ちょっと待って、え……ちょ……」
魔王………
あの時はちょいロン毛の青年の姿
……いまは……
『王様だから、威厳のある姿の方が良いかと思ってね?…もう少し『大人』の姿にしてみたんだよ、姫君?』
「……そうね、30代後半から40代前半に見えるわ。ようこそ大魔王様……ご挨拶したいので、此方に来て頂いても良いかしら?」
ひきつり気味の姫様が、震える拳を押さえつつ
魔王を呼ぶ。
そう。
だって………
『チャオ、姫様?』
「Σなんで勇者が居るの?!勇者のレベルが最強まで上がった訳なの?!」
『まさかw……ってか、貴女が「勇者様」と婚姻とか、約束だけでも許す筈がなかろう?……アレの全ては僕の物だからね……』
「Σ知ってるわよ!!!てか最弱勇者来てるって……まさか……私と勇者の婚姻が嫌で邪魔しに来たの?!」
『嫌だけど……ま、人の世界の問題で魔族に被害が出たら嫌だし……ある程度の譲歩はしよっかと思ってはいるけど?……さて、どうしよっかな?』
ヒソヒソ……ボソボソ……
高速で話す2人。
握手は、ギリギリと力が入りつつ。
ニッコリ微笑みを浮かべながらのご挨拶の間の短い出来事であると言うことだけは告げておこう←
「こほん。……姫……えー……そこの覇気の無い優男が、勇者……ですか?」
「Σそ・う・よ……」
「Σヒッッ!!!」
魔王の魔力にプルプルと震えつつ、新官が問えば………
ギギギ……と、音がするかと思う程、
仮面の様な満面の微笑みを浮かべた姫様顔を上げた。
それはそれは………
恐怖を感じる程の微笑みで。