大陸の一番よき日 ~夜に、なりまして……後編~
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「あー……はぁ、全く……弱りましたね……」
「…?…至急の伝言って何かしら?」
ベッドの縁からひょいと顔を向けた姫様が
不思議顔で輝くマターを見る。
「……僕に来ているので、ちょっと見てみますね……」
扉に凭れて、マターを開く!!!
『やあ☆結婚おめでとう!!神官殿!!!……そして、姫様?
……多分最強姫様の据え膳を食らっている状態だと思うんだけど、違っていたらお邪魔虫だったかなww……まぁ、前者だと思うのでww
僕の勇者からの伝言で、世界平和の助言を与えよう!!!』
「Σ魔王から?!」
「……Σ勇者様?」
『……指輪を、姫に。……銀の指輪を嵌め、世継ぎを。勇者の称号は、君達の血が繋ぐ……銀の指輪を、姫様へ……』
「……確実に操られているわ……ね」
「……勇者様……(察し)」
マターの消滅と共に、合掌する二人……ww
「……銀の指輪……」
「それ、妖精族から贈られた物よね?……それと世界平和とどう繋がるのかしら?」
神官が大事に持っていた銀の指輪を小さな箱から取り出すと
姫様の前に跪き、そっとその手を取る。
「……世界平和に繋がるのかは解りませんが、コレを貴女に……」
「!!!!////恥ずかしいからやめなさっ………Σえ?!」
銀の指輪を姫様に嵌めた!!!
『姫様のレベルが80パーセントダウンした!!!』
「は?」
「Σえっ?!………エーッッッ!!!!!!」
『姫様、レベル20』
「なにしてくれてんのよ、この指輪!!!Σちょっ!!!抜けないっ!!!」
「……80パーセントのレベルダウン……?世界、平和……据え膳……世継ぎ……」
ブツブツと小声で呟きを落とす神官に、何やら薄暗い影が落ちている様な気が…………?!
「『世継ぎに、勇者の称号を……』」
「Σえっ?!……キャアアッッ!!!」
ドサリ……
ベッドに姫様(バトルマスターレベル20)を押し倒した新王(賢者レベル99)
この時点で、神官の方が勝るが
更に何かしらの呪術に纏わりつかれている様子で。
「姫様……これから貴女と私の子供を作りますよ」
「……いや……よ、こんな……」
「『世継ぎに勇者の称号を』」
ニヤリと笑う新王が姫様の唇を塞いだ。
今宵、朝までゆっくりと『世界の為の行為』が続く事となった。
ソレは、新王と姫様にとって
忘れ難き一夜となったのは、後世でも語り継がれて行くのだが。
その前に。
指輪の効果が切れる時間に
新王様がボコボコにされ、暫く公務をする事はおろか、ベッドから起き上がる事も出来ない事態となっていた
なんて事は、トップシークレット扱いでw
一部の城の者以外には口外されなかったとかなんとか。