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一夜が明け…大陸の一番よき日。
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一夜が明け
『姫様御婚約!!!姫様のお相手は勇者を打ち負かした最強の神官!!!』
と、大陸中・延いては世界中にお触れが回り、
ついに、姫様と神官は婚姻の儀を迎えた。
「……はぁぁぁ~………」
「もう、毎日毎日私の顔を見てタメ息吐くのは止めて頂けますか?…良き日を迎えたのですから今日位は……」
純白のドレスに身を包み、大きなタメ息を吐く姫様に
普段と違う純白のタキシード姿の神官が、眉を下げる。
「Σチッ!!……解ってるわよ!!もうっ!!息苦しいのよ、動き難いしっ!!」
「ハハ……舌打ち、ですか……。まぁ、私なんかが姫様の夫なのですから……これからも多分そんなに生活は変わらない気がシマスね……( ̄▽ ̄;)」
落とされた神官の声を拾う者は居なかった。
祝福の声と多くの喝采に包まれた二人の結婚式。
横領の罪でお縄となった元大臣とその一味だけが、カビ臭い地下牢の中で
怨み辛みをぼやいていたと言う。