表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/20

魔王の思惑~続・内緒のお話☆~






時を緩やかにする魔法をかけた空間で普通に動ける者は

このお城の姫様と神官、そして魔法をかけた張本人の魔王の三人と

加護に護られた妖精族の二人だけ。





『其方の姫君と妖精の娘にも、人の世界の危機をどう思うのか、答えを聞こうか?』

『ちょ……』





チロリと横目で妖精族の姫君を流し見ると、隣の妖精には口角を上げてみせる。





『……それは……我が一族は人の世に口を出せませんが……』

『姫!!!』






怯えた表情の妖精族の姫様が、震える声を絞り出すも……不意にその瞳を細めた。






『我等妖精は人の世に興味は無いが……三族の同盟が無くなるのは困る。……言うても人はか弱き生き物。魔王の意思を尊重せねば、妖精族も魔族の脅威に安心は出来まいよ……と、母が言うておりましたわ……』

『姫っ!!!』


「え?……それって……」

「魔王の言いなり、と言うことで?」






驚愕する姫様と新官の隣で、魔王がほくそ笑んだ。






『さて、姫様?も~さ、めんどくさいから選択肢を2つから選んでね?……なんて事は言わない。……そこの男!!さっさと戦いの準備しなよ!!!……但し、勇者には『拘束』以外の攻撃はさせないからねww』



「Σえ……ちょ……まだ話は……」

「は?…はぁぁぁ~ッッ?!」






ちょっとイラッとした魔王が、神官に向かってふわっとその指を振れば……




神官の周囲に緩く風が舞う。








「く……ぁ……っ!!……」

「Σ先生?!」






その風に圧されて闘技場へ歩く神官の背には

憐れみを浮かべた妖精族の姿と、姫の困惑。






『行ってきてね♪人の世は頭の回る人の子が統治しなきゃ上手くはいかんのだよ?』






ひらひらと手を振る魔王が、ちょっとだけ真剣な瞳を向けていた事は……

妖精族の姫君しか見ていなかった………。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本館入口 こちらでも執筆してます
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ