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大団円からの。




さて。




無事に大魔王の元から帰還した一国の姫様。



とても素敵なエンドロールが流れ、

町の人々からの称賛の声と幸せな笑顔。


それで大団円!!!ちゃんちゃん♪めでたしめでたし。







と、なる予定だったのですが………








それはそれは、深い事情がありまして。






お城の中はてんやわんやの大惨事だったのです。












何故なら……









「姫様、この書類、あの大臣からのものでして……」

「………また書類~?」


「姫様!!!……正当な跡取りは、姫様しかいないのです!!!貴女がソレを確認しなくてはならないのですよ?」

「……あー、そうね。そーだったわ。あのメタボ、死んだんだった……」








目の前には、大臣が確認した後の書類の山。







しかも、その大臣は

メタボ……否、故・前王様付きの悪徳大臣でして。

未だ、国政に携わっている次第でしてでして。





前王亡き後、姫様付きの教師でもあった神官が姫の右腕となり、姫の国政をサポートしているのだ





……が






体育会系バリバリだった姫様は、机上の仕事はやる気無さげ。





今日もまた、訳の解らない金銭の出資に正義感の強い神官がヤキモキする日々である。







「……またもや得体の知れない国庫の金の使い道……」




「……はぁ、あのジジイには本当に困るわね……証拠突き止めてクビにしたいわ……」










諸外国への献金と言う名の賄賂

得体の知れぬ団体への寄付と言う名前

の横領

接待と言う名の豪遊(しかもそれは前王も一緒だったらしい←)








挙げればキリがない程、国民からの血税を私利私欲の為に使い放題使っていて。





全くけしからんのだが、

姫様と言う立場上、未だ何も言えないのが現状で。






「姫様、そろそろ身を固めて、この国を治めて頂きたく思うのでございます……城の為、国民の為!!!」

「Σ嫌よ!!結婚なんてっ!!っつか、私より強い男じゃなきゃ認めないわっ!!!」


「我が儘言わないで下さいませ!!」

「Σ嫌だってばっ!!!」






と。まぁ…

今日も今日とて平行線でございます。









が。しかし。

それは突然に。







姫様の周りを流れる風が大きく変わる日が訪れたのです。


















「姫様……見てくださいませ。貴女の婚約者からの書状でございますよ?……それも、何通も……!!!」

「Σは?」










そう。

それは唐突に。





ある日を皮切りに、「婚約者」を名乗る諸外国の王子からの催促の封書が次々と届き始めたのである。







「なにソレ?何なのよ急に!!!」







バッと、一通の封書を破いて中の文章を読んでみた姫様の表情が、みるみる怒りに満ちていくではないか!!!








「ひ……姫…様……?」

「Σあんのメタボ~っっ!!!最期まで私を物として扱いやがって~っっっ!!」

「Σヒッ!!!」








鬼女、再び降臨!!!!!








ゴゴゴゴゴ………と、地が響く音と共に

姫様の背後には、怒りの炎が燃えていた……













「……」

「…………」








沈黙の中、10通目の書状に目を通した神官が大きなため息を吐いて。








「…姫様、僭越ながら一つ申し上げたい。……我が国は大陸とはいえ島国、貿易は要でございます……」

「……そんなこと、知ってるわ……」






そう。

この国は、魔族の森/妖精の森を含めてみたらそこそこ大きな大陸ではあるのだが

ソコには条約の為の境界線が在るため


『人』の住む平地の面積のみで考えれば島国同然の広さである。





そんな大陸唯一の人の姫様の婚約者候補だと言う10の国の王子達は、

正統な候補者達だと言うこと。(前王様との口約束ではあるが)




王様が亡くなった事を知るタイミングが同じ時期だった為、姫様の事を心配(と言う名の策略だろうが)するのも同じくらいで。






一気に近日中に、ババッと郵便が届いたと言う。









「どの国も我が国の親密な貿易相手。……無下には出来ませぬぞ…姫様…」

「……はぉぁぁ~……何なのよもうっ!!!嫌よ、嫌だったらっ!!!私に勝てる男なら諦めるけど……」


「無理言わないで下さいませ。元戦士でバトルマスターLv99の貴女に敵う男など……大魔王を倒し、彼の地へ封印した伝説の勇者様以外おりませぬ……」



「そうよねぇ……ん?勇者…?…大魔王……」





大きなタメ息を吐いた姫様は、そこでぱちくりと瞳を瞬かせて、気が付いた。






「そうよ!!!アイツに頼んで見ましょ♪」

「ちょ…姫様……?」





ガタンっと、ちょっとお下品に椅子を鳴らして立ち上がると

姫様は颯爽と自らの部屋へと走り出した!!!






「Σ姫様!!!城内は走らないで下さいっっ!!!ちょ…姫様っっ!!!」





風の如く去る姫様の余韻を残した廊下に、神官の声が虚しく響いた。














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