拾四ノ巻 ~剣道愛好会 一
【壱】
――土蜘蛛退治から4日後。
今日の講義を終えた俺は、高天大の正門へと向かい歩いていた。
今の時間は午後4時半。最近は日も短くなってきた為、この時間帯になると薄暗い風景へと変わる。
大学のキャンパスの中に植樹された広葉樹も、以前の青々としたものから茶色っぽい葉へと変わっていた。
地面に目をやると、それらの木々から舞い落ちた葉が時折吹く旋風によって、螺旋模様を宙に描いている。秋の深まりを感じさせる光景である。
そんな秋の風景を眺めながら、俺は黙々と帰宅モードで歩を進めていた。
と、その時、俺を呼ぶ声がどこからか聞こえてきたのであった。
【君、日比野君だよね?】
妙に遠慮した感じではあるが、それは男の声だった。
俺は声のした方向へ振り向く。
すると、そこには眼鏡を掛けた男の人が立っていたのだ。
背は俺と同じくらいで、やや癖のある短い髪は整髪料で跳ねさせて、全体的にツンツンした感じになっていた。
また、茶色のジャケットに黒いパンツといった出で立ちをしており、体型は結構スマートな感じであった。
しかし、何と言ってもこの人の特徴は、顔に掛けた金縁の眼鏡だろう。この薄暗い中においても、そこだけが光輝いていたからだ。
そういった眼鏡の影響もあってか、俺の第一印象は凄くインテリな感じに見えたのである。
まぁそれはさておき、俺は『先輩だろうか?』と思いつつ、その人に返事をした。
「はい、そうですが……」
俺の返事を聞くや否や、この男の人は口元を綻ばせ、先程よりも幾分か柔らかい表情で話し始めた。
「オオ、良かった。いや、突然呼び止めてすまないね。実は、君に用があって声を掛けたんだよ」
用もないのに呼び止める奴がいたら見てみたいわ! などと思いつつ、俺は愛想笑いを作りながら丁寧に答えた。
「そうでしたか。えぇと、初めてお会いしますが、どちら様でしょうか?」
「お、そうだったそうだった。スマンね。名乗るのを忘れてたよ。俺の名前は西田茂樹っていうんだけど。日比野君てさぁ、この間、確か家の弟と中津市の方にキャンプに行ったよね?」
俺はそれを聞き、9月上旬に行ったキャンプの事と、その時一緒だった西田君の事も同時に思い出したのである。
「あぁ、西田君のお兄さんだったのですか。そう言えばあの時、西田君から高天大にお兄さんが通っているって聞きましたよ」
「そうそう。それでね、その時に弟から剣道愛好会の事について聴かなかったかい? 今日はそれの返事を聞きたくてね。呼び止めさせて貰ったんだよ。ゴメンね、帰る途中に」
「え? 剣道愛好会……ですか」
俺は当時の事を思い返した。
そして、思い出したのである。
確かにあのキャンプの時に、西田君からその話が出ていたのを……。
その話をすっかり忘れてしまっていた俺は、後頭部をポリポリ掻きながら曖昧に答えた。
「あはは、いやぁ。そうだったのですか。へぇ、なるほど……すっかり忘れてました」
「それで、どうだろうか? 一度やってみない、剣道を。心身鍛えられるからいいと思うよ。それに見たところ、まだどこのサークルにも入ってないんだろう?」
「ええ……まぁ、そのぉ、えぇと……何と言いますか。その……確かに入っておりませんが……どうしたもんか」
俺はややシドロモドロになりながら視線を明後日の方向に向かわせ、何とか断る口実を考えた。
そんな俺をニコニコと眺めながら、西田君のお兄さんは続ける。
「日比野君、そんなに萎縮しなくていいよ。結構、楽しい所だからさ。面白い奴や可愛い女の子もいるよ。どうだい? 折角の学生生活だ。そういった人間達とコミュニケーションを深めるのも大事だと思うよ」
「え〜と……すいません。俺、すっかりその話の事忘れてまして。そのぉ、もう少し考えさせてもらってもいいですか?」
とりあえず、この場だけでもなんとかやり過ごそうと考えた俺は、一番無難な妥協案を相手に提示した。
すると、西田君のお兄さんは凄く人の良さそうな笑顔で微笑んだのである。
「そうだね。まぁ、今日は突然だったかもしれないね。それじゃあ、こういうのはどうだろう。明日、剣道愛好会の部室に来ないか? やはり、一度は体験してから決めるべきだよ。断るのはそれからでも遅くないしね」
西田君のお兄さんはそう言うと、爽やかな笑顔を作る。
そして、俺は『それもそうか』などと簡単に納得し、返事をしてしまったのだった。
「そうですね。やる前から断るのもなんですし。それじゃあ、明日、一度見てから決めます。それで良いですか?」
見たら速攻で断るつもりの俺は、爽やかな笑顔の西田さんに対し、負けじと爽やかな笑顔で返した。
「今日、呼び止めて良かったよ。やっぱり、見てみない事には日比野君も返事しづらいだろうからね。これで俺も、ようやく肩の荷が下りるというわけだ」
最後の方に聞こえた言葉が妙に思ったため、俺は聞き返した。
「ヘッ、肩の荷が下りる?」
「あ、ああ……いや、な、何でもないよ。アハ、アハハハッ。ここ最近、肩が凝っててね」
西田さんはそう言うと、中指で眼鏡の眉間のフレームを押し、笑っている最中にズレた眼鏡の位置を直した。
そして、最初のインテリな雰囲気に戻り、話を続けたのである。
「さて、それじゃあ明日だけど、この時間に一号館の前で待っててもらえるかい?」
「あ、はい。良いですよ。一号館の前ですね」
一号館は正門から入ってゆくと一番最初に目に飛び込んでくる、横長で白い壁の大きな建物だ。
因みに5F建てで、高天大の顔とも言える建造物でもある。真中の白い時計台が特徴だ。
「それじゃあ、あまり呼び止めておくのも悪いから、これで失礼するよ。また明日ね。忘れないでね」
「ええ、それではまた明日」
西田さんはそう言うと、右手をズボンのポケットに突っ込み、『アディオス』と言いそうな仕草をしながらこの場を去って行ったのである。
そして、俺は自分のアパートへと向かい、また歩を進めるのだった。
【弐】
西田さんと会った、その日の夜。
夕食を終えた俺は、食器類を洗いながら夕方の出来事を思い浮かべていた。
(剣道かぁ……やった事はないけど面倒そうだなぁ。通気性の悪そうなスポーツやから汗臭そうだし、防具とか酸っぱい匂いがしそうだよ。アカン! 想像したら鼻がツンとしてきたわッ。どうしよ……。部室に来いって言ってたけど、熱血漫画とかに出てきそうな人達ばかりだったら嫌だなぁ。そんな連中が俺に迫ってきたら、意思に関係なく「ウン」て言ってしまいそうだ。俺は熱い連中が苦手なんだよなぁ。まぁでも、やる気が無いのに居ても周りに迷惑かけるだけだし、明日はどんな状況になってもしっかり断ろう……ん?)
そんな事を考えていると、7時のテレビニュースを見ていた鬼一爺さんが、俺のいるキッチンの方へとやってきた。
そして、徐に口を開いたのである。
『涼一、今日の悪霊退治じゃがな……』
鬼一爺さんは何かを考えてるのか少し間を空けて続けた。
『今日は中止じゃ』
「中止? 何でまた。珍しい」
鬼一爺さんはそう言った後、眉間に皺をよせた。
俺はその表情が少し気になったので、訊いてみる事にした。
「どうしたんだ、爺さん。難しい顔して。何かあったのか?」
『実はの、最近妙なんじゃ。我が見つけた悪霊がおる所を遠くから見ている輩がおるのじゃよ。何か気持ち悪くての……』
「何だよ、それ……もしかして監視されてるのか? 俺達……」
俺は爺さんの話を聞くなり不安になった。
「いつからだよ。そんな風に感じ始めたのは?」
『土蜘蛛退治の翌日辺りからかの。我がお主に宛がう悪霊を見繕っていると、遠くに視線を感じての。まぁそれで我も訝しげに思うて、気付かれん様に霊圧を下げてその者の近くまで行ったんじゃ。そしたらジィーとその場所を見ているんじゃよ。それを見てから気持ち悪くての……』
鬼一爺さんは余程嫌だったのか、しかめっ面をしてそう言った。
俺はそんな嫌がる爺さんを見ているうちに、ある事が脳裏に過ぎったのである。
「爺さんのように悪霊退治する人間て、昔は結構いたんだろ?」
『ああ、そりゃそうじゃ。当たり前じゃろ』
何を馬鹿なことをといった感じで鬼一爺さんは言った。
「俺、この間から少し気になっていたんだけど、今の世にも当然そういった類の者達がいると思わないか?」
『まぁ、のう。そりゃおるじゃろうの』
「それともう一つ。昔はそういうのとか、無料でやってたのか?」
『貰える所からは貰うておったの』
「だよな。普通金取ると思うよ。だって命掛けてんだもん。まぁ、それは良いとしてだ。問題は、今の世でもそういった事を引き受ける人間なり組織なりがあるかも知れないってとこだよ。そして、勝手に縄張り荒らして悪霊退治している俺達に気付いた人や組織が、その現場を押えようと監視してる可能性もあるんじゃないかな。どう? あくまでも憶測だけど……」
鬼一爺さんはそこで目を閉じ、無言になった。何やら考えているようだ。
程なくして、鬼一爺さんは口を開いた。
『そうじゃな。涼一の言う通りじゃ。我は善き事と思い、お主に当てがってきたが、今の世には今の世の理がある。我はそれを無下にし過ぎてきたのかもしれぬ。少し反省せねばならぬの。そういうわけで、当面は悪霊退治は中止じゃ。じゃが、その分は術の修練に当てるからの。楽は出来ると思うでないぞ』
「はいはい、分かってますよ。で、とりあえず今日はどうするの?」
『フム、そうじゃな。今宵は、新しい符術でも教え始めようかの』
「新しい符術? へぇ、今度はどんな術式の符だい」
『フム、障壁の符というやつじゃ。これは一枚の符だけではなく、何枚かの符を使って連動させる符術じゃから、今までとは違い、ちと難しくなるからそのつもりでの』
「ふぅん、て事は、これから習うのは応用編てところか。よっしゃ、いっちょやってみるか」――
先程の鬼一爺さんの話を聞き、やや不安になったものの、まだ俺達の正体まではバレてないだろうと結論することにした。
また、今の俺は新しく習う符術に興味が向かっており、直ぐにそんな事はどうでも良くなっていったのだった。
―― 翌日の夕方 ――
講義を終えた俺は、昨日、西田さんと約束した1号館へと向かった。
1号館の入口には沢山の学生がおり、皆ももう目的の講義を終えたのか、各々が帰るなりサークル活動に向かうなりしているようであった。
まぁそれはさておき、俺は1号館の前に着いたところで、周囲を見回した。
すると、1号館正面の入口付近の壁に寄りかかる西田さんを発見したのであった。
西田さんは俺を視界に捉えると、こちらの方へと歩み寄ってきた。
「お、日比野君、来てくれたんだね。待ってたよ。さて、それじゃ早速行こうか」
「あ、はい。それじゃあ、お願いします」
そして俺達は、剣道愛好会の部室に向かい歩き始めたのだ。
その道中、西田さんはフレンドリーな感じで話しかけてきた。
会話の内容は「大学での学生生活はどうだ?」とか、「この近所にある旨い飯屋に今度連れてってあげるよ」とか、他愛のないものであったが、西田さんの気さくな感じはよく伝わってきた。
剣道愛好会という初めての場所に行くので、多少の緊張感はあった俺も、西田さんのお陰で少し解された感じであった。
まぁそんなこんなで、俺は1号館の東側にある体育館へと進み、その更に隣にある蒲鉾屋根小さな建物へと西田さんに案内されたのだった。
建物の正面入口には白木の板に筆書きで、力強くこう書かれていた。
―― 高天智市立大学 武道場 ――と。
入口を潜ったところで、西田さんは俺に振り返った。
「日比野君、外靴はこの下駄箱に置いてくれるかな。ここからは土足厳禁だからね。じゃあ、付いて来て」
俺は靴を脱ぎ、西田さんの後に続いた。
その途中、俺は武道場内を好奇心から見回した。
武道場は建てられてから然程年月が経ってないせいか、中は新築感がまだ抜けていない。
壁全面が綺麗な木の板張りになっており、奥の中心部分の壁には神棚が置かれている。
新築とはいえ、妙に伝統と格式が見え隠れする室内であった。
今、武道場の奥では柔道部が畳を敷いて組み手をしているところだ。「バタン、バタン」と受身をとる音が武道場内に響いている。ついでに暑苦しい掛声も……。
武道系の暑苦しい連中が汗だくになって稽古に励む場所なだけあり、やや酸味の効いた匂いが漂う空間であった。つーか、汗臭い。ファブリーズが欲しいところだ。
また、手前側の方は誰も使ってないようなので、結構スペースが空いていた。
もしかすると、今からここで剣道愛好会が練習するのかもしれない。
ふとそんな事を考えながら進んでいると、西田さんはある場所で立ち止まったのである。
そこは武道場の壁の一画で、木製の引き戸があるところだった。
そして、その引き戸には大きな紙がセロハンテープで貼り付けてあり、乱暴な字で剣道愛好会と書かれていたのである。
(ここが剣道愛好会の部室か……中には一体どんな人達が居るのだろう?)
俺が不安に思う中、西田さんは引き戸を開いた。
すると、引き戸の向こうは6畳程のこじんまりとした部屋であった。中は、ロッカーと数脚のパイプ椅子と横長の小汚い会議机が二つ置かれている。
また、部屋の片隅にあるロッカーの横には、竹刀や防具類などが置かれていた。
話は変わるが、それらは幾多の修羅場を潜ってそうな『汗臭い甲冑』や『握りの臭さそうな竹刀』といった武具であった。
別に某シュミレーションRPGのパクリで言っているわけではない。
つーわけで話を戻そう。
小汚い会議机には漫画を読む男が一人だけがいるだけで、他の部員達の姿は見えない。
恐らく、まだ来てないのだろう。
俺がそんな事を考えていると、西田さんは机に居る男に向かい声を掛けたのである。
「オイ、田島ぁ。他のみんなは?」
田島と呼ばれた男の人はかなりの巨漢であった。
今は漫画を片手にコ○ラのマーチを食べているところだ。その前には1.5Lボトルのポカリス○ェットが置かれている。
頭が丸坊主なせいか、パッと見は住職! といった感じである。この人も眼鏡をしており、黒縁のまん丸眼鏡なのが特徴だ。
また、上は白いシャツに下は茶色のパンツといった格好をしている。勿論、サイズは俺の行く店では置いてなさそうなサイズである。
まぁそれはさておき、田島さんは顔を上げ、西田さんに視線を向けた。
「まだ、皆は来てないよ。さっき姫会長は顔をだしたけど。ん? え~と……隣の人は、もしかして今日入るっていう新入りさん?」
田島さんはそう言って、俺をチラッと見た。
「あ、紹介するよ。日比野君って言うんだ。今年入ったばかりの一年生だよ」
「へぇ~そうなんだぁ。俺は二年の田島って言うんだ。よろしくね、日比野君」
田島さんは緩い感じで俺に自己紹介をしてきた。
勘違いしてるようなので言っておこう。
「ああ、こちらこそ。でも、まだ、入るかどうかは……」
「ところで、田島。姫はどこいったんだ?」
俺が話している最中に西田さんが割り込んできた為、肝心の部分が言えなかった。
しかし『まぁいい、皆が揃ってから言ってやろう』と考え、次の機会を待つ事にした。
「ン、姫かい? 少し用事があるって言ってたけど直ぐ来るんじゃないの?」
「そうか、まぁいい。俺達も待つとしようかな。日比野君、これに座りなよ。もうすぐ、皆来ると思うからさ」
西田さんはそう言うと、パイプ椅子を俺に向かわせる。
というわけで、俺はその椅子に腰掛け、他の部員達を待つことにしたのである。
そして待つ事約15分後、ガラッという音と共に、一人の女性が現れたのであった。
その女性は黒髪のサラッとした長い髪をしており、輪郭がハッキリした目鼻が特徴の非常に美しい女性であった。その佇まいからは非常に気品が溢れているように見える。まさに大和撫子という感じであった。
因みに、女性はもう既に、面と籠手以外の防具と袴を身につけていた。準備万端のようだ。
俺はこの女性の美貌に一瞬目を奪われた。が、次の瞬間、それらの幻想が雪崩のごとく崩れ去っていくのを俺は目の当たりにしたのである。
【オイッ、西田と田島ァ、他の奴等はまだ来てねぇのか?】
女性は迫力ある話し方で二人を睨みつけた。
見た目とのギャップが激しすぎて、俺は少しばかりついていけなかった。
【はい、まだ来ておりません】
二人は訓練された兵士のようにハモリながら答えた。
まるで、いつか見たアメリカの軍隊モノ映画のワンシーンのようであった。
しかも二人は、先程までのリラックスした感じから一転し、これでもかっというぐらい背筋を伸ばして椅子に座っていたのだ。
まるで、椅子に座るときの見本のような佇まいである。
俺はそんな3人の遣り取りを口を開け呆然と眺めていると、女性はそこで俺の存在に気付いたのである。
女性は俺に凄んできた。
「オウ、オメェはアレか。今日入ってくるとか言ってた新人かぁ?」
「エッ? エ〜と俺は……」
突然の出来事にシドロモドロになっていると、この女性は凄い迫力で俺にメンチ切ってきたのだ。
「ああん、ナンダテメェ。はっきり言えよ。キン○マ付いてんだろぉ。オイッ、西田ぁ、お前が言ってたのはコイツか?」
西田さんはやや脅えた表情で、この女性に俺を紹介した。
「は、はい、姫。彼の名前は日比野君と言いまして、今年入った新入生であります」
幾分か強張った表情の西田さんは、上官に報告する下級兵士の如く、この女性に答えた。
俺はそれを見て、悪い夢を見ているような錯覚に陥る。
そして西田さんの言葉を聞いたその女性は、俺に向かい悪魔の微笑を向けたのである。
「なるほどなぁ、新入生か。最初からビビらせるのもアレだ。今日は控えめにしといてやろう。それじゃあ日比野とかいったか。ようこそ、剣道愛好会へ!」
「え~と……僕…入るつもりは……無いかなぁ…なぁんて言ってみたりして……ナハハハッ」
俺は小声になりながらも必死に訴えてみた。
しかし……。
【なんか言ったか!】
「い、いいえ、べつに」
俺はこの時、己の優柔不断さを呪った。
何故なら、昨日、西田さんがこの話を持ちかけてきた時が、俺にとって最後のチャンスだったのだ。
そして、これも因果応報なのか? と俺は嘆いたのであった――