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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

おおげさに少女漫画のパンを咥えて遅刻遅刻〜☆を書いてみた

作者: 九条 ねぎ

問題作

「いっけなーい遅刻遅刻!」


 私の名前は、天上院(てんじょういん) 有瑠真字路(あるまじろ)! ピッチピチの16歳!

 両親の仕事の都合で、この街に引越して来たばかり。今日は転校初日だって言うのに、お布団さんが離してくれなかったの!


 太陽は既に頂点を通り越してやや傾いている時間、時間が無かった私は、朝食と昼食を一気に摂るために、台所にあった食パン(1斤)を口にくわえて家を飛び出したの!


(あーどうしよう! そういえば、私学校の場所が分からないわ! でも、走っていればいつかは辿り着くわよね!)


 多分コッチよね! と、道の角を曲がった瞬間、胴体に重い衝撃。回転する視界と浮遊感。そして、何度も全身を叩きつけられるかのような衝撃が襲ってきたの!


 地面を何度もバウンドして、ゴロゴロ転がり勢いを殺すと、目をぱちくりと瞬かせ、体を起こして周りを見た。きょろきょろ。


 吹き飛ばされた方向を見てみると、コンクリートの壁や民家等に大きな穴が空いている。何度も叩きつけられたような衝撃はコレなのかしら?


 土埃のついたスカートとブレザーを、パンパンと手で払う。折角の可愛い制服が台無しだわ! 破れてないのを確認すると、思わずホッと息を吐いた。


 そうしていると、瓦礫の向こうから「ドドドド……」って言う音が聞こえてきた。音が段々と大きくなって、その直後、瓦礫の山が爆ぜ飛んだ!


 土煙の中から姿を現したのは……


(え!? 嘘!? すっごいイケメン!)


 身長250cm程のスラリとした身体、フワリとした光り輝く金色の髪、髪の毛が輝きすぎて顔は見えないが、ものすごくイケメンなのは分かる!


「君! 大丈夫!?」


 私を見つけたイケメン君は、目には見えない程の速度でこちらに走って来る。その際、移動した時の衝撃波によってまたもや私は吹き飛ばされたが、飛んでいく途中で回り込んだイケメンに抱きとめられる。


「あ、ありがとう……」

「うん、元はと言えば僕のせいだからね……うん、怪我がなくて安心したよ」


 そう言いながら、地面に優しく下ろしてくれた。

 その後、怪我があるかどうかジロジロと見られたせいで、恥ずかしくて思わず頬が熱くなる。

 赤い顔を見られないように、そして光り輝く髪に目を焼かれないように顔を伏せる。すると、イケメン君は「あっ!」と思わず漏れてしまったような声を上げた。


 気になってイケメン君の方を向くと、イケメン君は私から目を逸らしながら、私の下半身を指差す。

 視線を下げると……


「っ!? きゃあああ!!!」


 ドッ! ゴッ! ダッガーン!!


 スカートが……! み、見られ……!

 パニックになり、思わずイケメン君をアッパーカットで打ち上げ、宙に浮く身体に向かって掌底を放ち、その後回し蹴りで吹き飛ばしてしまった!


 瓦礫の奥へ吹き飛び、壁を破るような破壊音が何度も聞こえる中、私は脱兎の如く逃げ出したのだった! ホント転校初日から災難だよ〜!





「まさか僕を吹き飛ばすなんて……面白い女の子だなぁ」


 ひび割れたコンクリートの壁を背にイケメンは独り言ちる。

 彼女が来ていた制服は、ウチの学校の制服だった。という事は、きっとまた学校で彼女に会えるのだろう。


 そう考えた彼は、思わず笑みを浮かべる。


 それに反応するかのように、周囲の瓦礫が浮かび上がり、大地が唸り声をあげる。


「まったく……これからが楽しみだ」


 そう言うと、彼の周囲の濃厚なプレッシャーは綺麗さっぱりと消え去り、何事も無かったかのように元の瓦礫の山に変わる。


(近いうちにまた会えるといいな)


 そうして彼は、足取り軽くその場を離れるのだった。


ほどほどって大事な事だなぁと思いました(小並感)

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