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018 アリアと温泉デート(後編)

後編です。

ちょっと駆け足かも…

「ふぅ~、いいお湯だなぁ」


宿にチェックインを済ませて部屋に荷物を置いて、すぐに露天風呂へと向かった。

当然ながら男女別なので、それぞれ分かれて入った。

アリアは、覗かれたり襲われたりしないように魔法を掛けてから女子風呂に入ったそうだ。

そして、正光の方は服を脱ぎ、腰にタオルを巻いてから入浴をした。

効能とかは調べてはいない。

ただ、アリアと温泉デートをしたいという純粋な理由で、この宿を選んだのだ。


「お兄ちゃーん、そっちはどうー?」


仕切り板の奥から、アリアの声が聞こえる。

他の人の声が聞こえないという事は、アリア一人なのだろう。

今の正光と同じだ。


「ああ、いいお湯だよ。 来てよかったと言えるレベルでだ」


「こっちもいい湯だよー。 誘ってくれてありがとねー」


お互い仕切り板越しに言葉を交わすアリアと正光。

アリアからしてみれば洗いっこできないのがもどかしいが、流石に温泉宿でそれをするのは不味いという事で自重している。

そうして色んな話をしているうちに、のぼせそうになってきたのでそろそろ上がることにした。


「アリアー、そろそろ上がろうか」


「うん、私ものぼせてきちゃったしねー」


という事で、二人は満足して露天風呂に入ることができたようだ。

用意された風呂上がり用の浴衣を着用して、普通の衣装は手に持つ形だ。

そして露天風呂入り口で、アリアを待つ。


「お待たせー」


アリアが同じく風呂あがり用の浴衣を着て現れた。

もちろん、衣装は手に持っている。

ロングヘアーになったアリアの姿に、正光はドキッとしていた。


「どしたの?」


「ああ、ごめん。 ちょっと色っぽいなって」


「もう、お兄ちゃんったら」


そう言いながらアリアは、嬉しそうに正光に抱きつく。

衣装はしっかり手に持ったまま器用に抱きつくので、正光も器用だなぁと感心した。


「さて、部屋に戻るぞ。 カニ料理を用意してくれるみたいだからな」


「わーい、カニ料理だー!」


喜ぶアリアの笑顔を横で見てほほ笑んだ正光は、アリアの手を繋いで部屋へと戻っていった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「いただきまーす」


部屋に戻った二人は、夕食として出されたカニ料理を振舞った。

カニ以外にも、サバの味噌煮などの料理もあり、二人は美味しそうに食べた。


「そういえば、普通は大広間で食べるんだよな…?」


「ああ、それはですね」


本来だったら大広間で食べるのだが、今回は二人の部屋で食事をしている。

女将さんから聞いた話だが、どうもチャティーが貸し切りとして予約をしていたらしい。

それを聞いた正光は頭を抱え、アリアは『ごめんなさい、ごめんなさい』と必死で誤っていた。


「いえいえ、チャティーさんには支援していただいた恩があるので、ようやくこれで返せたと思ってますから」


あの後の女将の話によれば、無断キャンセルを頻繁にされ、おかげで店が回らなくなったらしい。

それを丁度この宿に泊まったチャティーが相談に応じ、最強の弁護士などを用意して訴訟の準備をしてくれたのだとか。


「しっかし、無断キャンセルか…。 ひどいいたずらをする奴がいたんだな」


「でも、結果は賠償金を支払う判決が出たんでしょ? ある意味無断キャンセルをした人にざまぁできたんだしよかったよね」


それでわざわざチャティー経由での正光たちの予約では、貸し切りにすることで弁護士費用などをチャラにすることで合意したのだとか。

これまでの話を聞いた二人は、チャティーのおかしな行動力に呆れたが…


「まぁ、今回ばかりはお母さんに感謝かな? 私もこの宿、気に入ったし」


「そうだな、また次も来たいな」


「その時は、また貸し切りで予約をお受けさせていただきますので」


「普通に予約を受けてくださいね…」


女将のオーバーな対応に、アリアが呆れた形で突っ込んだ。

正光も苦笑いだ。


「では、お二人ともごゆっくり」


そう言いながら、女将は部屋を出て行った。

カニ料理を中心とした、豪華な料理を食べた後は、部屋で携帯ゲームをして遊んだりテレビを見たりして楽しんだ。

ゲームで遊ぶ時のアリアは、オーバーリアクションによって浴衣の裾が乱れ、白い下着が見える事もあった。


「ちょ、アリア、見えてるから」


「お兄ちゃんなら問題ないよ」


二人きりの為か、アリアは気にしていない様子だった。

そして寝るときはアリアが正光を抱き枕にするようにして眠った。


翌朝には、朝食を食べて朝風呂に入り服に着替えて帰る準備をし、女将たちに見送られて宿を出た。

その後の電車内で…。


「お兄ちゃん、またあそこに行こうね」


「ああ、必ず行こう。 予約してな」


二人はまた、あの宿屋に行こうと指切りげんまんで約束をした。

こうして、二人の温泉デートは終わりを告げたのだ。



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