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016 アリアの為に…

「聞いたよ、まーくん。 何か町内で開催されるイベントで変態プロデューサーを捕まえるんだって?」


「耳が早いな。 まぁ、1か月後…なんだけどな」


宮津書店内の他愛のない会話の中で、正光が1か月後に行われるイベントで変態プロデューサーを捕まえるという内容が町中に伝わっていた。

もちろん、真央店長にもしっかりその話題を耳にしていた。


「それにしても、アイドルに変態な行為をするってプロデューサーの恥だよねぇ」


「だが、奴はそれをまかり通らせるように色々と仕込んでいたらしいからな」


「いわば(たち)が悪いってやつ?」


「まぁな…」


「だからかな? 『クノイチスレイヤー』なる小説を買って読もうとしていたのは? 相当ストレスが溜まってたんだねー」


そう、正光はライトノベルの『クノイチスレイヤー』の三巻までを購入しようとしていたのだ。

なんだかんだで、色々ありすぎてストレスが溜まっていたのだろう。

解消法は人それぞれなので、どれが正解かというのはないと言っていい。


「とにかく、この三冊を購入するぞ。 1か月経つまで俺は出番がないらしいから」


「その間にアリアちゃんとのデートもしてあげたら? もうすぐ冬休みでしょう?」


「あー、言われてみれば…」


正光は、真央からアリアとのデートの事を聞かれて思い出した。

せっかくの冬休みを無駄に過ごさないためにもアリアとのデートを重ねるのもいいかも知れない。


「確かにあのイベントは冬休みの最中だろうし、アリアとのデートも考えておくよ」


「そうした方がいいよー。 彼女の癒しでいち早くストレスを解消しちゃえば、当日になった時に安心だよ」


「そうするよ。 それじゃ、支払いはBZPayで」


「例のバーコード決済だね。 了解したよ」


正光がスマートフォンの画面にバーコードを出して、真央に差し出す。

真央がそれをスキャナーでスキャンすることで、決済が完了する。

なお、残高不足だと専用のエラーが真央側に出る模様。


「毎度あり~」


真央に見送られて、シュクレール亭へと帰宅していく。

アリアに冬休みの予定とか聞いておかないといけないからだ。


(1か月までにアリアとのデートをしてあげないとな。 期末テストで疲れているだろうし)


アリア自身も学校の期末テストをこなしつつ、店の手伝いもやっている。

彼女自身は頭がいいので心配はしていないが、内心でストレスは溜まってるだろう。

正光のプランはそんな彼女を労う意味でもあるのだ。


(しかし、町内会のみならず住民にも伝わってるとはなぁ。 地方はある意味恐ろしいな)


正光は噂の伝達率が都会より高い印象を抱き、地方の恐ろしさを今味わった気分だ。

だが、そんな事を気にしている場合じゃないだろう。

そんなこんなで、正光はシュクレール亭に戻ってきた。


「ただいまー」


「あ、お兄ちゃんお帰りー」


「アリアも今帰ってきたのか」


「うん、ようやく期末テストが終わったからね」


アリアが今日で期末テストが終わったことで終始笑顔だった。

相当真剣に取り組んでいたのだろう。


「それで、アリア…。 1か月のイベントまでにデートしないか?」


「デート! もちろんいいよ♪ どこに行く予定なの?」


アリアにデートを伝えた所、ハイテンションで喜んでいた。

そしてわくわくしながら、どこに行くかを尋ねた。


「それをこれから話し合おうとしてたんだが…。 アリアの行きたい場所もあるだろうし」


「なるほどねー。 折角お兄ちゃんも長期休暇も貰ってるし、北陸に行ってみたいかな? 予算があればだけど」


正光の予算にある程度考慮しつつも、アリアは行きたい場所を北陸に選んだ。

おそらく温泉に行きたいのだろう。


「北陸か。 という事は?」


「うん、北陸の温泉に入りたいんだよね。 修学旅行とかは中学は鳥取だったし、高校は東京だったからね」


「となると行きやすいのは、芦原(あわら)か加賀か和倉だな…。 アリアはどっちにする?」


「芦原って福井県だよね? 今回はそこにしようよ」


「よし、分かった。 アリアのために温泉宿の予約とかしっかり取っておくよ」


「期待してるよー、お兄ちゃん。 あー、楽しみだなぁ」


アリアがハイテンションを維持したまま、二階へ上がっていく。

正光は、チャティーの力を借りて、福井県のあわら市の温泉宿の予約をこぎつけた。

当然、途中から特急も乗るので指定席予約も済ませた。


時期は二週間後。

正光もアリアとの温泉宿デートが楽しみでしょうがない感じの表情をしていた。



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