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 1白い手袋  作者: ベン マウント
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白状しました

今日は土曜日、佳代子に白状する日だ、家に来て貰う事になっている、親父とおふくろはお出かけするそうだ、親父の仕事が安定たら、夫婦仲は一層よくなった、秘密を話すのには、俺の部屋が一番安全だと思うから、そうする事にしたのだ、絶対人に知られたくないのだが、佳代子にはそろそろ言っておかないと、何度も現場を見られているし、そろそろ限界だろう、何処まで話すか、まだ迷っているが、だいたい俺自身が全容を分っていない、わかる範囲を話しておこうと思っている、そんな事を考えていると、佳代子が来たようだ、玄関をあけると、何時と変わらない佳代子が立っていた

「おはよう、早かったね」

「そうかな、だって、どうしてもスッキリしなかった事が、分かるかもしれないのよ、考えていたら眠れなくなっちゃった」

「そうなのか、だいじょうぶか、とりあえず俺の部屋へ行こう」

階段を上がった俺の部屋に入ると。絨毯の床に向かい合って座った、俺は深呼吸をすると

「実はね」

尻ポケットにあった、白い手袋を出すと説明を始めた、ざっと説明が終わると、佳代子が

「嘘のような話だけど、何度も見ている事と、今の説明は一致してるわね、貸して」

と手を出すので、渡すと自分の両手に嵌めている

「何も変わらないよ」

そう言って俺を見る

「俺にだけ有効らしい、俺以外は駄目なんだよ」

「そうなの、じゃあ、やってみてよ」

黙って両手に嵌める

「えっ」

周りを見回しながら、佳代子の目が泳いでいる

「ええー、本当に消えた、嘘オー、夢じゃないよね、ほんとうだったんだ、何処にいるの」

佳代子の肩に触れると

「えっ、見えた」

ちょっと。いたずら心で、佳代子の唇に、チュッとキスをすると同時に、佳代子から離れる

「あっ、やったな、何処に行った、そんな手で唇を奪うとは、卑怯者出てこい」

やたらと手を振り回し、部屋中を歩き回っている、手袋を脱いで

「はははっ、どうだ分かったろう」

「分かったけど、何よ、キスするなんて」

「ああ、ごめん、つい調子に乗っちゃって」

「まあ、良いけど、するときはちゃんと、あっ・・・」

真っ赤になって黙ってしまった

「うん、わかった、雰囲気も大事だもんな、悪かった、お詫びに面白い事をしよう」

「何をするの」

「外に行こう」

二人で外に出ると、商店街の方に歩く休日だけあって、凄い人だ、何をされるか心配そうな、佳代子の手を引いて裏道に入り、物陰に隠れる、手袋をすると佳代子の手を取り

「絶対に手を離すなよ」

そう念を押して

「分かった」

そう言って握り返してきた、そのまま人ごみの中に入る、前から来た人を避けようとするので

「よけなくても大丈夫だぞ」

そう言うと

「えっ、なんで」

人にぶつかっても、通り向けてしまう

「こういう事だ、俺たちは今、誰からも見えていない、物も通り抜けてしまう」

「本当だ、凄い、これかあ、今までの事、納得した」

その時

「スリだ、そいつを捕まえてくれ」

男がこちらに走って来る、ちょいと足を出す、男はつまずいて転んでしまった、追いかけていた人が、男を抑え込んだ

「通り抜けてしまうのに、どうして今は足を引っかけられたの」

「それが不思議なんだ、俺にもわからないが、足を引っかけようと意識すると、出来るんだ、拳骨をくれようとすると、相手は拳骨で痛がる」

「本当に不思議ね、都合良過ぎない」

「だろう、俺もそう思う、だけど、今だから言うが、もっと都合のいい事があったんだぜ」

「何が」

「佳代子が、刺されて重傷と言われた時だよ」

「やっぱり何かあったんだ」

「あの時、佳代子の言った通り、俺はあそこにいたんだ、この手袋を両手にして、佳代子の手を握り、神様、佳代子を助けてくださいって、本当、心の底から祈ったんだ、そしたら、和子の傷が消えてしまって、後は和子もご存知のような結果になったんだ」

「やっぱりそうか、じゃあ、この白い手袋は、私の命の恩人なんだね」

「そうかもしれない、あの時、和子は死ななかったたも知れないが、あのままだったら、今頃まだ、ベッドの上だと思う、それがこうしてピンピンしているのは、手袋のお陰だと思う」

「手袋さん、ありがとう」

握っている手を持ち上げると、頬擦りしている、そのまましばらく歩いたが

「そろそろ、不通に戻ろうか」

物陰に入ると手袋を脱いだ

「その事のせいだと思うけど、報告があるの」

「何」

「私ね、あれから怪我をしても、直ぐに治っちゃうの、気味が悪かったけどそのせいなんだ」

「俺もはっきりわからないけど、そうだろう、何があっても元気な体に戻ってしまうんだろうね、佳代子は不死身になってしまった様だな」

「誰にも言えない二人の秘密だね」

「ああ、そうだ、知られたら研究者たちに解剖されるぞ」

「そんな」

「はははっ、冗談だけど、解剖されなくても、閉じ込められて研究されるのは、間違いないだろう、幸い例の病院では、各方面に言ったが信じてもらえなくて、これ以上言うと嘘つき病院と、評判が落ちるのであきらめたらしい、実際証拠という物がないからな、言っても信じてもらえないだろう」

「そうね、それから、もう一つ、私、もの凄く力持ちになった、友達に親がジムのオーナーの子がいるんだけど、そこで百キロのバーベルを持ってみたの、そしたら片手で軽く持ち上がって、慌てて戻したけど、自分が怖かった、それも手袋の影響だよね」

「其れしかないだろう、そうか、そんな事になっているのか、気を付けて以前の自分と同じにしていてくれよ、難しい注文で悪いけど、ごめんな、そんな体にしたのは、俺のせいだ」

「何謝っているのよ、命の恩人でしょう」

「まあそうとも言えるが、断りもせずに秘密を抱えさせて、申し訳ない」

「まあ、これで私は慎也以外の人と、結婚出来なくなったわけね」

「えっ、ああっ、まあ、俺と結婚するのが一番楽だし、あんぜんだな」

「残念、私は一生慎也から離れられない、可哀そうな人間になってしまった」

「そうだよな、不満だよな」

「うん、他の男性もどんな、って嘘よ、これで慎也は私のもの、逃げられない、かわいそうね」

「願ってもない事さ、良かった」

二人で顔を見合わせ笑ってしまった

佳代子を家まで送った後、試して見なければいけない事が、出来てしまった、佳代子は色んな体の変化を、教えてくれたが、それが身についてしまっていると言う、という事は俺も、手袋嵌めなくても、身についているのではないか、手袋に頼り切っていて、手袋をしないで試した事はないのだ、公園に行くと、大きな石に手をかける、一トン以上はあると思われる石が、簡単に動いた、やはり思った通りだ、今まで遣った事が、みな身についていた、異次元移動だけは出来ないが、後は身についていたのだ、良かった気が付いて、知らずに素手だから普通の人と同じだと、思い込んで何か事故を起こしてしまう、前で良かった、知らずにいたらどんなことになっていたか、佳代子にお礼を言わなくては、これからは心して力をセーブしていかなくてはいけない










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