表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 1白い手袋  作者: ベン マウント
34/34

王位奪回

マンションに戻り、康太に

「国に戻りたいか」

そう聞いてみる、四十過ぎのおっさんに生意気な口の利き方だが、世話になっているうえに、敬語を使われたら気が引けるから、そうしてくれと言うので仕方なく、そうしている

「戻りたいけど、戻ったら殺されるし、だけど父たちが心配だ」

「そうか、では、何とかするか」

そう言って佳代子の顔を見る

「慎也がやるなら、付き合うよ」

「よし、分かった、康太じゃない、もう良いだろうソイハイに戻っても、ソイハイ、国に帰るぞ」

「えっ、でも、殺される」

「それをなんとかしに行くんだ」

他国の事に首を突っ込む気はなかった、ただ守ってやればいいと、だが執拗な暗殺者たち、ソイハイと知り合ったのも何かの縁、国を相手何て会いそれた事だが、ソイハイは元皇太子、こうなったら元の皇太子に戻せないか、ダメもとでやってみようと思い立った、信じられないような力を駆使して、ソイハイの父を救い出し、叔父を倒せないか

「とにかく支度してくれ」

支度と言っても、ほとんど何も持っていない

「ソイハイ、秘密は守れるか」

「はい、守れます」

「絶対だな」

「絶対です」

「分かった、佳代子行くぞ、ソイハイ国で今行っても安全な所はあるか」

暫く考えていたが

「ある、森の中なら誰もいない、だがそこに行くまでが、空港や港には近づけない」

「良いから、その森を思い浮かべろ」

ソイハイの記憶を呼んでテレポートできるはずだ、心の中で

「テレポート」

一瞬、めまいのような感じがした、そして、マンションの部屋から、景色が森の中に代わる

「なっ、なんという、これは、どういう事か、私は夢を見ているのか」

「ここからは、言葉遣いに気をつけなければ、皇太子さまですからね」

「別に今まで通り」

「そうは行かない、あなたの権威を利用しなければ、所で、此処は間違いなく、あなたの故郷ですか」

「間違いない」

そう言って指さす先の気の上に、小屋が作られていた

「あれは私が子供のころ作ってもらった小屋です」

「なるほど、じゃあ、間違いないですね、まだ使えますかねぇ」

「使えると思います、皇太子のゆかりの小屋と言う事で、大切に保存されている筈です」

「では、暫くあそこで待っていてください、城はこの近くですか」

「ええ、此処は城の庭のようなものです」

小屋に行く梯子がかかっていた

「佳代子、ソイハイさんを頼む、俺はちょっと城に行ってくる」

両手に白い手袋を嵌めて、森を出る西洋風の城が見えた、城の中にテレポートする、透明人間のまま情報を集める、地下への階段を発見、ろうと言うのは恐らく地下にある、クーデターから二か月が過ぎている、元王様はどうしているのだろう、階段を降りる、やはり鉄格子の牢屋があった,手前から確認していく、元王様派の人たちだろう、十ほどある部屋が五人ほどずつに満員だ、そして、一番奥の部屋に一人老人が座っていた、こんな場所にいるのに、なんとなく威厳がある、傍に寄って

「ソイハイのお父さんですか」

ビクッ、としてあたりを見回す

「日本語がわかりますか」

「分かる」

不思議そうな顔をしながらも答えた、元王様に触れるとテレポートする、気の上の小屋の中、佳代子とソイハイがいた、目の前で姿を現す

「父上」

ソイハイが抱き付いた

「これは、私は夢を見ているのか、ソイハイ、ソイハイだな」

「父上、これは夢ではありません、こちらの竜崎さんの力です」

「それにしても、こんなに簡単に父を助けてくれるとは」

元王様も皇太子時代、日本に留学していたので、日本語は堪能だった

「状況はどんな風なのです」

「軍の一部が奴に協力したが、全員ではない、たまたま軍のトップが奴の友達だったので、今回やられてしまった、貴族たちは軍が怖くて従っているだけだ、骨のある貴族や政府高官は、あの牢屋に捕らえられている、今の政府は能力のないものの集まりじゃ」

「そう言う事ですか、ではソイハイの叔父と、軍のトップがいなくなれば、元に戻せますか」

「戻せるとも、大体今の政府はまともに機能していない」

「今捕らえられていなくて、信頼のおける人はいますか」

「私の妻はあいつの姉なので、幽閉されているだけです、そして、軍のナンバーツー、参謀本部長は信頼できる、私の命を保証する代わりに、現役でいるような男だ」

「分かりました、その二人を連れてきます」

俺にとって二人を連れてくることなど、簡単な事だった、二人とも目隠しをしてもらって、テレポートしたが、誤魔化すのに大変な苦労をした、もう一人捕らえられた貴族の代表にも来てもらった、こちらも不思議な出来事に、理由を知りたがったが、大掛かりな奇術と言う事で納得してもらった

機の上の小屋は政府奪回の本部と化した

「後は悪の二人が消えれば、何とかなりますか」

「簡単に言いますが、それが大変なのですよ」

王様が言うとソイハイが

「竜崎さんなら、何とかなるんでしょう」

そう聞いてきた

「何とかしようと、みんなを集めたんだ、今から消してくるから、後の事を考えておいてくれ」

一国の政変をこんなに簡単に、行っては拙いだろうが、もう面倒なので最短な方法をとる、紙に逆らうことかもしれないが、悪の二人には文字通り消えてもらう

悪の王様の執務室に行くと、都合の良い事に二人がそろっていた

「元王が消えたって本当か」

「ああ、どうやって脱獄したか、忽然と消えたそうだ」

「消えたそうだぁ、何をのんきなことを言っているんだ」

「なあに、何にも出来ないさ、軍も政府もこっちが押さえているんだ」

「それは表面上だけだ、中身は昔のままなんだぞ、心から俺たちに従っていると思っているのか、奴が無事で俺たちが裏切り者だと知ったら、俺もお前もお終いだ」

「そう、お終いだよ」

消そうと思ったが、この二人は罰を受けるべきだと考え直した、二人を四次元倉庫に閉じ込める

木の上の本部に戻る

「二人を消してきたけど、後は大丈夫だね」

「私が軍に戻って命令を出す、みんなは少しここで待機していてくれ」

参謀本部長が戻って行った、もともと彼は減益だから、堂々と帰って行った、三時間ほどすると彼が迎えに来た、それからは王様の基国が動き出すのに、時間はかからなかった、元に戻っただけだが、悪い癌が取り除かれた国は、見違えるように未来が明るく感じた

場内の謁見の間

「竜崎さんのお陰です」

ソイハイがそう言って近寄ってくる

貴族、政府高官勢ぞろい、国を挙げて感謝されたが、俺はそう言う事は苦手だ

「じゃあ、俺は帰るから」

「待ってください」

[あっ、忘れてた、悪二人処分するんでしょう、どうぞ」

悪の二人が拘束したままの姿で現れる、場内は騒然とする、その間に

「佳代子、帰るぞ」

テレポートしてマンションに戻った、部屋の中に入ると途端俺の意識は遠のいた、エネルギーの使い過ぎだ、すべての異能の基は俺の体力だと言う事を、忘れていた、やはり余計な事に出しゃばりすぎたようだ

白い世界に来ていた

「暫く能力は使えなくなった、しばらくお休みしなさい」

おじいさんがそう言って消えていった、暫く普通の人間として暮らせるのか、なぜか新鮮な気持ちになった、目が覚めてポケットを探ると、白い手袋が灰色になっている、これが白くならなければ能力はなしと言う事らしい、ゆっくりと休ませてもらおう

「慎也どうしたの、ねえ」

遠くで佳代子の声が聞こえる、お休みなさい、また何時か会いましょう

最後までお読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ