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 1白い手袋  作者: ベン マウント
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襲撃

店のホールで何か事件のようだ、こんな時に限って、康太が不安そうに俺を見る、康太にテーブルの下に入るように言って

「目を瞑って隠れていてくれ」

両手に白い手袋を呼ぶ、ホールに出ると三人の男が、拳銃を持って店員を脅していた

「客は何人だ」

店員が言うのを躊躇している

「正直に言え、命が惜しかったらな」

何者だろう

「一組です」

どの部屋だ、仕方なく俺たちの部屋を指さしている

「おい、行ってこい」

リーダーらしき奴が命令して、一人が俺たちの部屋に向かった、佳代子が始末するだろう、男が部屋に入って行ったが、そのまま帰ってこない、佳代子に始末されたのだろう

「おい、どうした、何をしている」

怒鳴っているが返事がない、もう一人に

「おい、変だ、様子を見てこい」

もう一人が伺うようにして、部屋の前に行った、覗こうとして部屋に引き込まれていった、そのまま静かになった

「おい、お前たち、どうした、戻ってこい」

リーダーは一人になって、不安そうに大声をあげている

「畜生、どうなっている、お前ら動くなよ」

脅しておいて部屋の方に、恐る恐る近寄って行く

「店で騒ぎを起こせば、大金をくれるというから、やったが拙ったか」

呟きながら部屋をのぞく姿勢になる、なった所を後ろから蹴り上げる、つんのめった所へ佳代子の手刀が首筋に、部屋には三人の男が床に転がっている、手袋を外し部屋に入る

「康太、もういいぞ」

そう言ってから店のホールに出ていくと、店員たちは固まったまま動かないでいた

「もう大丈夫です」

「えっ、どうなりました」

店長らしき人が聞くので

「三人とも大人しくなりましたから」

佳代子が三人の男それぞれのベルトを外し、そのベルトで後ろ手に縛りあげてしまった

「警察を呼んでください」

縛られた三人の男を見て店員たちは

「凄い、彼奴らが、ざまあ見ろ」

「ええ~、ドラマみたい」

大騒ぎだ、刑事たちが飛び込んできた

「怪我人はありませんか」

また事件に巻き込まれてしまった、人だかりがしないうちに、康太を連れた佳代子を店の外に出す、俺は事情聴取などに付き合わなければならない、騒ぎを起こし康太をどうにかしようとした様だ

「貴方が三人を」

刑事に聞かれ、佳代子がやったとも言えないので

「ええ、まあ、偶然、うまくいきました」

「ご協力感謝します、ありがとうございました」

「どうも」

後で聞いた話だが、どこかの国の大使が来る事になっていたらしい、それが犯行を行わせた犯人なのに、マスコミのカメラが多数が、表に並んでいる、こちらとしては非常にまずい状況だ、刑事に

「ちょっと、マスコミに内緒でお願いします、協力は惜しみませんが、派手に報道されるとまずい事情がありまして」

「分かりました、後ほど署の方で」

「お願いします、署後で伺います、裏から失礼しますから」

気の利く刑事だった、佳代子と康太は裏で待っていた

「ほかの店に行こう」

事件で騒がしいので近くは止めて、少し歩いて商店街にある焼き肉店で食事を済ませた、後康太に服など必要なものを買いに行こうとしたが、脳内に俺たちを中心にした、空からの映像が浮かんできた、赤い点がいくつも点滅している

「おいおい、こんな街中で何をするつもりだ」

心の中でつぶやく、こんな時防御のバリヤーでも貼る事が出来れば、ファンタジー物の本で読んだイメージで、俺、佳代子、康太を囲む透明の保護被膜、そんな場面を思い浮かべる、あれば便利なのになぁ、そんな虫の良い事を考えながら周りに注意を払い歩く、右手袋を嵌めて、左手袋は握っている、嵌めたら体が異次元に行ってしまうから、佳代子も何か感じているらしく

「慎也、何か危険な雰囲気だよ」

「うん、分かってる」

どうしよう、拙い事になった、何とかしなければ、その時、プスッ、と言うような音とともに、カチッと音がして康太の背後に何かが落ちた、よく見ると弾丸だった、プスッと言う音はサイレンサーを付けた、拳銃の発射音だったのだ、康太を狙って撃った弾が、バリヤーに弾かれて地面落ちた音

「えっ」

先ほどちょっと考えた事が現実化して、バリヤーが張られていたのか、愕然として立ち止まってしまった

「どうしたの慎也、慎也大丈夫」

異常を感じた佳代子の声で我に返る、何でもありだけど、ここまで理不尽な事が起きると流石に驚いてしまった

「ああ、ごめん、ちょっと考え事してた」

説明も面倒なので、そう答えて歩き出す、何れにしろ相手は何が何でも、康太を無きものにしようとしているようだ、驚いてしまったが守られている事に安堵しながら

「狙われているようだ、周りの人に迷惑はかけられない」

人気の少ない公園の中に入って行く、こうなったら引き付けて殲滅するしかない、二人は黙ってついてくる、赤い点滅は十以上だ、物陰に二人を隠れさせる

「ここにいてくれ」

来た道を戻ると、立ち止まりあたりを見回す、敵の位置は手に取るようにわかる、その赤い点滅に向かって、気絶する程度の次元弾で眠らせていく、眉間を想像して打ち込んでいく、百発百中一ミリの狂いもなく命中し倒れていく、赤い点滅がすべて消えた、倒れた男たちを全て確認すると、久しぶりに塚田さんの力を借りようと連絡する、事後処理が面倒だから

「すみません、又、面倒な事をお願いします」

「了解しました、このところ暇でしたから、遠慮なくどうぞ」

快く引き受けてくれた、俺の頼みには慣れている筈だ

相手が手段を選ばなくなった、世間に迷惑が及ぶ前に何とかしなければ、二人が隠れている場所に戻ると

「今日はもう帰るぞ、それから、このままでは世間に迷惑が及ぶから、出掛けるぞ」

マンションに帰り旅の支度をする、異次元倉庫にいろいろ入っているので、何も必要ないのだが、佳代子は俺には頼めない事がいろいろとあるようだ,女性とはそういうものらしい

ソファに座って待つ間、先ほどの事が蘇る、確かにバリヤーが張られていた、白い手袋の左右どちらかを嵌めていれば、テレポート、次元弾その他あり得ない事が現実化される、だが、何時でも何処でも出来るわけではないようなのだ、人に知られそうな場所は駄目、必要な時でなければ形にならない、条件はあるが信じられない能力だ、最近では白い手袋を嵌めなくても、所持していれば手袋が状態を把握判断し、必要に応じて能力を働かせてくれている感じだ、どうなっているのだろう、これらすべての事を人に話しても、信じてもらえないだろう、理解してくれるのは、この世の中では佳代子だけだ、最も佳代子以外には知られたくないのだが

「慎也、用意できたよ」


車で旅に出た、塚田さん達が大体状況が分かって居る、留守の間のことは、諸々無難に手配してくれるはずだ

都内を出て車を走らせた、此処はある高原、夜の高原に人影はない、車の脇にテントを張って、佳代子が食事の支度をしている、二人は知らないが、周りはバリヤーで守られている、しかし銃弾も防いでしまうバリヤーって、何で出来ているのだろう、全く見えないし風も吹き抜けていく、不思議だ、なんてどうでもいいか守ってくれれば、それでいいのだ、脳内に映像が浮き上がった、三十くらいの点滅がある、囲まれている、日本は法治国家のはずだが、どうなっているのだろう、無頼の徒がこんなに大勢、悪い事をしようとしているのに

「来たな」

テント内にいる佳代子たちに声をかける

「来たぞ、テントから出るなよ」

「私も戦う」

「いや、康太についていてくれ、何があるか分らん」

「そうか、分かった」

奴ら、相変わらず隠れているつもりらしいが、闇に紛れてもこちらには存在がしっかりわかる、次元弾を連射して端から眠らせていく、ほとんどを眠らせると

「佳代子、倒れた連中を縛ってまとめておいてくれ

そう声をかける、食材と道具は置いてある、車もおいていくし、佳代子が金も持っている、もしも時間がかかっても心配ない

わざと逃がした男の後を尾行する、白い手袋をはめ異次元からの監視だ、男は隠してあった車に乗ると高速道路を、東京に向かって走っている、都内に入ると案の定、康太の母国の大使館に入って行く、言語が違うが何故か分かる

「首尾はどうだ」

「とても、歯が立ちません、不思議な弾が飛んできて、全員やられました」

「あれだけの数の人間が」

「正直軍隊でも無理かと思われます」

「そんな、何者なのだろう」

国を相手に面倒になって来た、こうなれば日本にいる関係者、全員消えてもらうしかない、出来るかな、そう思いながら想像する、文字通り

「消滅」

を願った、すると男たちが消えた、どこに行ったかはわからない、自分でやっておいて、恐ろしくなる

「こんなのありかよ」

そう思った、無人になった大使館内はしずかだ、後の事は知らない、テレポートして佳代子たちの元に戻る

「ただいま」

「お帰り、無事だった」

「うん、これで当分静かだと思うけど、根を絶たなきゃ駄目だな」

「出来ればね、やっちゃうの」

「そう、片づけちゃおうか」

佳代子が用意してくれた夕飯を食べる


お読みいただきありがとうございました

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