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 1白い手袋  作者: ベン マウント
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襲撃撃退

万全の態勢で夜襲に備えている、だが、ただ待っているというのは退屈だ、いつ来るか探っておけばよかった、置き土産に睡眠ガスをまいてきたから、時間通りに決行できない可能性は大だ、俺は今、佳代子と橋田邸の上空に浮遊している

「佳代子、ちょっと見張っていてくれ」

俺は無意識にやっていたが、応用が利くのではないか、白い手袋を手に自動ではめる、これは念力では、念力でやっているのではないか、念力と言う事なら物を動かせるはずだ、下に見える庭の石に念を集中してみる、石が動いた様子を想像し念じる、石がぐらりと動いた気がする、浮いて動く様を想像し念を送る、するとふわりと浮いた、左右に動かしてみる、確かに浮いているのが分かった、重い石が浮いたのだ、一トン以上あるだろう庭石だ、やはり無意識に白い手袋装着に使っていたには念力だった、引力を遮断する力のようだ、重さや大きさは関係ない、念じた物が地球の引力に作用されなくなる、重力がなくなるのだ、心のうちで歓喜してしまった、あらたに武器が手に入ったようなものだ、白い手袋には、まだ知らない能力があると、神様のおじいさんは言ったが、これは使いようによっては、恐ろしい事になる、心して使わなければいけないと、秘かに心に誓う

「来たよ」

佳代子が呟く、大胆にもバスで乗り付けてきた、早速新しい武器を試してみよう、バスは停車するとドアが開いた、念を集中するとゆらりと浮き上がった、五十センチほど浮かし、今度はそのまま落とす、ドッカン、音がしてバスがバウンドする、それを三度繰り返す、バラバラとバスから男たちが飛び降りる

「たすけてくれ、このバスはおかしいぞ、何が起きている」

「何かいるのか、変だぞ」

「これじゃあ、感づかれてしまうぞ」

「俺はもう駄目だ」

「何を言ってる、目的を達しなければ、殺されるぞ」

十人の男達がまだ元気そうだ、大阪の事務所にいた男たちだった、さすがはプロと言うところか、他の奴らは襲撃どころではなくなったようだ、飛び降りて何人もが腰を抜かして、地面にへたり込んでいる,バスの中はパニックになっている、その様子を見て

「また何か新しいことやってる」

佳代子が呟いている、佳代子は俺が突然、変わった事をやっても決して驚かない、慣れなのだろうか

「行くぞ」

男たちの中心に飛び込む

「何だてめえは」

突然現れた俺たちに,一瞬ぎょっとした様だったが、すぐに立ち直り殴りかかって来た、場数を踏んでいるのだろう慣れた動作だった、周りに仲間がいるので銃は使えない、外れたら仲間を撃ってしまうからだ、腕を取り投げ飛ばす、続けて襲ってきた男の腹に、肘打ちし次の男の顎を拳で殴る、腰を抜かしていた周りの男達は、何が起こっているのか分かって居ない様子だ、俺が五人加代子が五人を倒した、十人が道に転がっている、顔を知られない為にタオルのマスクで顔を隠している、そして急いでその場を立ち去る、その後に騒ぎに気が付いた機動隊が後に男達の周りを取り囲む、男達の残った男たちに襲撃する気力は残っていないようだ、後は専門家にお任せして引き上げる、思っていたよりあっけなく終わってしまったが、これなら怪我人も出ず、奴らを捕まえることができるだろう、坂崎達KSKを招集しておいて、空振りに終わったのは、良かったのか、悪かったのか、危険な目に合わなかったから良しとしよう、後は潜水艦を拿捕できれば終わりだ

橋田邸に戻ると、俺に与えられた部屋に塚田さんが待っていた

「竜崎さんがまた何かしましたね、大騒ぎした割にはあっけなく終わりました、一件落着です」

「俺は何もしてませんよ」

「またまた、中でも強そうな男たちが、先頭不能になっていたと聞きましたよ」

「そうなんですか、それは良かったですね、でも、まだ、潜水艦が」

「それは自衛隊にに任せましょう、私達ではどうにもならない」

「まあそうですね,やりようがない」

夜襲事件の処理で、橋田邸は大騒ぎだった、俺は空の上からの見張りと、ちょっと運動したので疲れた、休ませてもらおう、佳代子は自分に与えられた部屋に行ってしまっている、すぐに眠気が襲ってきた、どのくらいの時間が過ぎたのだろう、心地よく眠っていたが、塚田さんの声で起こされた

「竜崎さん、起きてください、潜水艦に逃げられそうだそうです、こちらが攻撃できないのを良い事に、停止命令も何も無視して、領海外みけてまっしぐら、出ていってしまいそうだと言う事です」

「そうですか、やはり無理ですか、自衛隊は戦闘できないから、領海外に追い出す事しかできないのでしょう、なめられているんですよ」

「まあ、法律に従わないと、後で大変な事になりますからね」

「自衛隊で手の打ちようがないのなら、どうにもならないでしょう」

「そうですね、悔しいけどどうしようもない」

わがことのようにションボリしている

「すいません、俺はちょっと出てきます」

何処へ行くかとは聞かない、いちいち報告の義務はないからね

「私も失礼します」

佳代子は自分に与えられた部屋で、まだ寝ているのだろう姿は見えない

大体の見当をつけてテレポートする、自衛隊の駆逐艦はすぐに見つかった、三隻で追尾しているのだろう、攻撃するわけにもいかず、領海を出るのを確認するのみ、焦りのような、イライラのような感覚が、艦橋から海を見つめる隊員達から、伝わってくるような気がする、艦艇の位置から潜水艦の位置もすぐに分かった、異次元空間は空中でも海の中でも自由だ、海中に入るとすぐに黒い巨体が見えた。さすがに見慣れないので異様さに、少しぞっとする、どんな手がいいか考える、異次元弾で穴をあければ簡単だが、自衛隊の攻撃と間違えられ、問題になりそうだ、艦の上部ハッチの部分を、眺めていて考えた、念力でゆがませることができないだろうか、出来そうな気がする、念を集中して歪んだハッチを想像する、想像通りに歪んでしまった驚きだ、そこから浸水がはじまったようだ、水圧のせいで浸水も激しいだろう、歪みを直す事などできるはずがないし、浮上せざるを得ないだろう、重力を無効化だけでなく、これはなんだろう、鋼鉄が粘土のように細工できるなんて、原理も理屈もわからないが、兎に角できたから喜べば良いんだ、スクリューの軸を曲げてやった、曲がってから暫くすると、無理やり回転しているようだったが、摩擦で熱を持ったようで、軸の周りが白く細かく泡立ち、沸騰したようになったとおもったら、スクリューの回転がとまってしまった、浮上して動けない潜水艦、後はどう対処するかは追尾してきた自衛隊の問題だし、国の判断と言う事になるだろう、何れにしろ拿捕して港に引き返すのだろうが、俺の知った事ではない、テレポートで事陸に戻り、小腹がすいたので橋田邸近くのコンビニで、お茶とおにぎりを買い部屋に戻る、橋田邸のお手伝いさんの、手を煩わせるのも気が引けるから、ベットに腰かけておにぎりを頬張っていると、塚田さんが再びやって来た

「竜崎さん、起きてますか」

「はい、何でしょう」

「朗報です、例の潜水艦が故障で動けなくなったらしいです、ざまあ見ろですよ」

「そうですか、良かったですね」

「驚かないのですね」

「驚いてますよ、偶然とは言え良かったじゃないですか」

「ええ、世界に向けて恥をかかずに済みました」

まるで子供のように喜んでいる、そこへ橋田さんがやって来た

「早いですね、話声がするものですから、驚いて来てしまいました、失礼しますよ」

そういって部屋に入って来た

「すべて解決したようですね、負傷者も出ないで、良かったです」

「そうですね、これで今後もずっと何もなければ良いのですがね」

俺がそう言うと

「ええ、もう、そうです、こんな騒ぎは嫌ですね、家族も危険にさらされるし、意地を張っていないで、国と相談して国の研究機関に、すべての資料を引き取ってもらいます、やはり身の丈に合った研究や、仕事をしていないと、周りに迷惑をかけると言う事を、身に沁みて感じました、懲り懲りです」

「そうですか、決心がつきましたか、良かったです」

塚田さんがそう言って橋田さんの肩を叩いている

「じゃあ、朝になったらドライブの続きに戻ります」

「楽しみの邪魔をして、すみませんでした、竜崎さんがいなければ、私たち家族は今頃どうなっていたかと思うと」

少しウルっとした様だ、そして

「本当にお世話になりました」

深々と頭を下げた

「いえいえ、偶然とは言え橋田さんとは縁があったんですよ」

「これからも、こちらに来たら必ず寄ってくださいね」

「ええ、ありがとうございます」

橋田さんは戻って行った、すると塚田さんが

「でも、竜崎さんに話すと、物事の状況が好転するんですよね、今回も竜崎さんに話した後すぐに、潜水艦が故障したんです、まさか竜崎さんが何かしたわけじゃないですよね」

「また、おかしな事を、俺はコンビニに行って帰って来ただけですよ」

「そうですよね、時間的にもあり得ない、でも襲撃してきた奴らもおかしいんです、何であんなところで腰を抜かしていたのか、バスが三回も飛び跳ねたなんて、おかしなことを言ってるし、あの大きなバスが飛び跳ねるなんて有り得ない」

そう言って腕を組み首を傾げている

「まあ、良いじゃないですか、無事にすべて解決したんだから」

そこへ佳代子が起きてきた

「何かあったの」

「何もないよ、ドライブの続き、行くぞ」




お読みいただき有難うございました

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