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 1白い手袋  作者: ベン マウント
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誘拐事件

取締役会の会場は、本社ビルの会議室で行われていた、議事が順調に進み閉会寸前、社長の橋田は泰然と座ったまま、議事の進行を見ている、専務の黒山が

「社長、何かあるのでは」

「何か、とは何かね、私は何もないが」

「家族の事・・・・・・」

「家族がどうかしたかな」

「だから・・」

「どうしたんだね、おかしいよ、黒山君」

他の身内重役も涼しい顔で座っている、黒山は何かもどかしそうな、おイライラしている感じだ、これではっきりした、黒山は少なくも家族の誘拐に関わってはいる、会議が何事もなく終わると、黒山が橋田の傍に寄ってくる

「引退表明をするのでは、なかったのですか」

「何故です、何の問題もないのに」

「家族はどうなってもいいのですか」

「ええぇ、うちの家族がどうかしたんですか、よくご存じですね」

「引退表明をしないと、大変な事になると」

「どうしてですか」

「あんた、気は確かか、家族の命がかかっているんだぞ」

「家族は家で、元気にしてますから」

「なんだとう」

「本性が現れましたな、あんたはこれで終わりです」

「なんだとう、貴様、とうとう気が狂ったか」

「いえいえ、正気ですよ、それでは」

そう言って黒田から離れると

「もう良いですよ」

と何処へともなく声をかける、ドアが開き五人の男が入ってきた、黒山の前に立つと

「貴方を営利誘拐の容疑で逮捕します」

黒山の両手に黒い手錠がはめられた

「こんな事をして、家族はどうなってもいいのか」

うそぶく

「だから、家族は全員私の家で、元気にしているよ、人の心配より自分の心配をしたまえ」

「くっそう、奴ら、失敗しおって」

「残念でしたね、せっかく苦労したのに、刑務所でしっかり悔やんでください」

「畜生、覚えていろ」

「忘れるものですか、しっかりニュースを見ますよ、あんたがどうなるかね」

「あああー、ちっくしょうー」

どうにもならないもどかしさに叫んでいた

俺は透明人間になって、一部始終を傍で見ていた、橋田に何かあれば対処するためだが、何事もなく無事終わってしまった

塚田さんたちが到着したので、後はすべて任せ、俺は見ているだけでよかっただ、警察官、公安の関係すべてを動かして、事件の全容を洗い出し、今は事件を計画したと思われる、外資系の会社を見張っている、昨日とらえた男たちは、外国籍のため大使館を通じて、問い合わせがあったようだが、はっきりした証拠があるため、日本の刑法に乗っ取り、処分する事を伝えてあるそうだ


ひと段落したので、橋田邸でくつろいでいた、橋田がそばに来て

「何から何まで、お世話になり、ありがとうございました、会社も何の被害もなく、無事終わりました」

「よかったですね」

「竜崎さんが気づいてくれなかったら、今頃どうなっていたか、考えるだけでぞっとします」

「いえ、お役に立てたならよかった」

「お役に立てたなんてものじゃないですよ、それと、後から応援に来てくれた人たち、どこの人たちなのです、県警の本部長が飛んでくるなんて、どんな立場の人たちなんです」

「ええ、そこはちょっと」

「そうですか、やっぱりね、言えないようなら仕方ありません、しかし、その方たちが、竜崎さんをボスのような態度で、接しているのはちょっと違和感がありますね、竜崎さん本当は何者なんです」

「俺は、ただの大学生ですよ」

「いや、ただの大学生のはずはないけど、それも言えないのでしょうね」

「いや、本当にただの大学生ですって」

「分かりました、そう言う事にしておきましょう」

知りたいが、これ以上は聞かないという感じで、話は終わった、その時塚田が部屋に入ってきた、傍に来ると

「一応は片付きしたが、奴らの上の方が動き出したようです日本のヤクザのように、面子を潰されたと考えているのでしょう、今後の仕事に影響が出るから、警察は無理でも、力を貸した人間を始末するつもりのようです」

「つまり、俺って事ですか」

「まだ、竜崎さんと分かって居ないようですが、そう言う事をした人間がいる、素人にやられる組織では、今後依頼者はなくなるという事らしいです、命がけで探し出し、消す事に全力を挙げているらしいです」

「それは怖い話だ、守ってもらえますか」

「冗談でしょう、邪魔になるから見てますよ」

「本当に塚田さんは薄情だ」

「助けるというと、すぐに邪魔だというくせに」

「邪魔なんて、ただ佳代子と二人だけにしてくれと言うだけじゃないですか」

「邪魔って言ってるのと同じです」

大声で笑ってしまった、そのあと

「闇組織も気の毒に、竜崎さんと喧嘩するなんて」

「何言ってるんですか、少しは心配してください」

「無駄なことはしません」

「またあ、冗談はさておき、早く解決しないと、被害者が出ては嫌ですからね、勘違いして他の人が襲われるとか」

「あり得ますね」

「俺だという噂話を、相手に流すことは可能ですか、それとも本部の所在地」

「ネタは流せますが、本部はインターポールも掴んでいないようです」

「じゃあ、噂を流してください、俺に食いついたら、どこかに誘き出しましょう」

「分かりました」

塚田さんが早速手配しに行ってくれた、わざわざ危険になるよう、手配をしてもらうのは俺くらいのものだろう、死してそれを平然と受けて行う、塚田さんは非人道的ではないか、どうなのだろう、何てね、思ってませんよ、塚田さんはいい人です

さすが裏社会の情報網は凄い、夕方には町を歩く俺と佳代子は、早くも尾行されていた、それも複数だ五人の気配を感じる、プロだけあって姿は見えないが、気配は毛伝わってくる、超感覚で回りの気配を探っているからわかる、この感覚は俺流格闘技を極めているうち、敵意と言うか自分に向けられる、攻撃的な鋭い気配に敏感になって行き、神経を集中すると感じられるようになった、それを佳代子に教えると、短期間に簡単に体得してしまった、俺の教えることは海綿のように吸収してしまう、俺の場合、手袋をするとその感覚が、より強力に感じられるようになる

「そろそろ来るぞ」

わざと人気のない公園の中に入っていく、恋人同士の行動としては不自然ではないだろう、薄暗くなった公園の中を歩いていく、広場になった場所に出る、取り囲まれていることは分かって居た、四方から男たちが飛び出してきた

「お前たちが、仲間を警察に送ってくれたらしいな」

「ああ、あいつらの仲間か、そうだよ」

「てめえ、いい気になりゃがって、やっちまえ、殺すなよ、ボスの所へ生きたまま連れて、いかなきゃならねえ」

一斉にかかってきた、こっちも遠慮しない、十五人いる仲間を招集したようだ、余程俺たちを警戒しているんだろう、躱しながら延髄に手刀をったきこみ、鳩尾正拳を打ち込む、足払いで宙に浮くほどの高さから、叩き落す、それを繰り返す、佳代子は端から投げ飛ばしている、アスファルトではなく、土だから大けがはしないだろうが、端から面白いように気絶していく、楽しんでいるようだ

「塚田さん、海岸端の公園です、処理お願いします、一人泳がせましたから、後をつけます」

「了解」

後は手塚さんに任せ、逃がした一人の後をつける、両手に手袋をはめている、今は白い手袋、両手と考えるだけで手に現れてくる、男は車まで歩く乗り込み走り出した

「疲れたか」

「ううん、あの程度じゃ、稽古の時間で言えば十分くらいじゃない、汗もかかないわ」

「そうか」

異次元空間にいる俺たちは、相手に見えないどころか、会話しても相手には聞こえない、全く別の世界から観察しているのだ、車がどこかのビルの駐車場で止まった、エレベーターは八階で止まった、ホテルの八階の部屋ドアをノックする

「ボス、川上です」

どうもこれは暴力団の新しいビジネスのようだ、これが国際的に網羅された、犯罪ネットワークになっているようだ、足を洗って堅気になったふりをして、会社を設立しこんな仕事をしているわけだ、中に入ると、親分と幹部らしい三人がソファに座っていた

「すみません、失敗です、ほかの連中は捕まりました」

「そうか、と言う事は事此処もヤバいな」

えらいあっさりだな、映画なんかだと、バカ野郎と怒鳴られて、殴られけられ悲惨な光景なのに、実際はこんなもんか

「金額がいいから受けた話だが、うちが潰れては元も子もないな、こうなったら鉄砲を使うしかないか」

「そうですね、ヤバいが受けた事を、失敗し事増したじゃすまされん、後がないからな、手配してくれ」

「分かりました」

一人の幹部が立ち上がる、その前に急いで廊下に移動ノックする

「誰だ、ホテルの清掃担当ですが」

「今は取り込み中だ、後にしてくれ」

「浴室の洗剤だけ確認させてください」

女性の声の方が油断するだろうと、佳代子に応対してもらっている、結構やるじゃん

「しょうがねえなぁ」

呟くような声が聞こえ、ドアが開いた、すかさず飛び込む

「お前は」

「なんだてめえは」

「獲物が来てやったのに、歓迎してくれないのか」

「こいつらです、この二人に全員やられました」

「こんな、ガキにか」

幹部の一人が無言でがぐりかかってきた、佳代子がそのこぶしを受けると、両手で持ちハンマー投げで、親分らしき奴に投げつけた

「ぐえぇう」

親分とふたりは気絶してしまったようだ、残った幹部が向かってきた、掴みかかってきた手を、拳で叩く、岩をも砕く状態にしてある拳だ

「ぎゃー、いてえ、あー、骨が折れた」

「折ってやったんだから、折れるさ」

尾行してきた男はそれを見ていて

「俺は手向かいませんから、許して」

手を合わせて拝んでいる

「大人しくしていれば、何もしないよ」

親分の傍に行き頬をビンタする

「うっ」

気が付いたようだ

「気が付いた、依頼主、教えてくれる」

「そんなこと言えるか」

「そういうと思った」

「じゃあ、一本一本折っていくから、言いたくなったら言ってね」

右手の小指を持つと、左手で止めようとするが、佳代子に掴まれてしまって動かせない

「じゃあ行くね」

小指を逆に曲げていく

「いててて、やめろ」

「もう少しで折れるから」

そう言いながら、わざとゆっくり曲げていく

「そろそろかな」

言葉で脅かしながら、さらに力を入れていく

「分かった、言うから、止めてくれ」

ここまでくれば、、知る限りの事を話すしかない事を悟ったようだ、本当はギリギリで止めて、次の手を考えようと思っていたんだが、良かった

お読みいただきましてありがとうございました

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