暴力団消滅
塚田さんの提供してくれた、資料による山瑞組の本部の近くにいる、佳代子と二人で来ている、今回の作戦は呪い作戦と自分の中で名付けた、作戦を開始するために来たのだ、最初にやることは簡単なのだが、佳代子に手を借りなければ、一人では難しいのだ
「行くぞ」
昔の屋敷のような建物の、本部事務所に入っていく、中を一巡して間取りと、人間の数、配置をみる、離れなどもあったり、若い衆の宿舎の建物もある、一回りすると、大体があたまにはいったので作業に入る
「佳代子もこれで、俺と同じように、入室してきたら頼む、深く刺すと死んでしまうから、少しさすだけでいい」
今回用の小さな道具を渡す、大親分の部屋に行くと、即、首筋に三か所針を刺す、今回用に作った、三本の針を銛のように溶接した道具を使った
「ギャー、痛い、畜生、誰だ」
周りをキョロキョロと見まわしている
声を聴いて飛び込んできた、組員にも全員に佳代子と二人で、手分けして針を刺す
「いてえー、ちくしょう」
「ぐあー、誰だ」
「いてえー」
大騒ぎしている、部屋の外の者には刺さない、境をはっきりさせる
置手紙をして様子を見る、置手紙には
[お前たちのあまりの所業により、この家に呪いをかけた、たっぷりと味わえ]
そう書いてある、組員がそれを見つけ、大親分に持っていく
「何時の間にこんなものを、誰が置いた調べろ」
「それより、これは、どういう事だ」
大親分が首筋を触っている、うっすらと血がついている
「どうなっている、これが呪いか」
近くの組員に見せて聞く
「針が刺さったような跡があります」
全員が確認しあってから
「全員針に刺された様な跡で同じです」
その時組員が一人入ってきた、すかさず針を刺す
「ぎゃーいてえー」
首を抑えている、部屋のみんなが顔を見合わせる
「この部屋が呪われているって事」
誰かがそう呟く、そして顔を見合わせていた、そして、一人また一人と部屋を出ていく、大親分一人になってしまった
「薄情な奴らだ」
呟いてたちあがると自分も部屋を出ていく、ここからが根競べだった、部屋に入るものには、必ず針をお見舞いしてやる、夕方には誰一人部屋に入らなくなった
「バロメーター」
残り少ない
「今日は引き上げる」
佳代子にそう言うと、部屋に引き上げた、それにしても神力と言うのだろうかこの力、長持ちするようになったと思う、善行を施す程多くなる、なんて事は無いだろうが、有り難い傾向だと思う
一回で三本の針が刺さるという事は事、非常に痛い事だろうが、罰だから当たり前、なんで三本かと言うと、皮膚全体針で刺しても、痛くない場所があると聞いた事がある、三本刺せば必ずどれかが痛いはずだ、そして、一より三の方が呪いらしいから、俺の勝手な想像だけど、翌日から場所を段々に広げ段々にていった、時間とひにちをかけて、最終的に屋敷の敷地内に入っただけで刺し、敷地内にいる間は、間隔を置いてを置いて何度でも刺してやった、結局組事務所は呪いの屋敷として撤退し、下部組織の建物に引っ越したが,呪いは続けたそのうちに、大親分が呪わている、という話になり大親分は隠居した、だが跡目を継いだ男にも呪いを続けた、その男は短期間で隠居した、何人かが跡目を変わったが、呪いは消えなかった、仕舞には誰も大親分になり手がなくなってしまった、そうなると要のなくなった山端組はバラバラになってしまった、次に呪いは下部組織の一番上、三つの組長を狙った、根気よく、三つの組が本部と同じに崩壊するまで、そのうち山瑞組と名がつくだけで、呪われると言う噂が立ち、解散する組が続出、結局山瑞組は消滅してしまった
「竜崎さんが恐ろしいですよ、あの、大組織を壊滅させるなんて」
「あいつらは、迷信や験担ぎで、呪いとかに弱いんですよ」
「それにしても、勢力が弱まるくらいだと思っていましたが、消滅してしまうとは、しかも、死傷者もなく、奇跡ですよ」
「内閣官房防衛機密室の実績にしておいてください」
「良いんですか」
「誰がやったと言えば良いのですか、ここの名前ならどんな情報も、探られることはない、秘密は守られる、でしょう」
「それはそうですね、ここが内閣官房に重要視されれば、されるほど、竜崎さんの秘密は守りやすくなる、一石二鳥ですね」
「そう言う事になりますか」
塚田さんが嬉しそうに言う
「あとはお任せします、警察庁が総掛かりで出来なかった事を、やってしまった、塚田さんの発言力は、警察庁長官よりも強くなりますね」
「形式ではそうなりませんが、事実上そうなりますね、ありがとうございます」
「いえ、俺も塚田さんの力が大きい方が、頼りにしやすいし」
「頼りなんて、それこそ、有難うございます」
「それでは、後をよろしくお願いします」
その後、警察庁を挙げて山瑞組消滅の、過程が調査された、原因が呪いという科学てきにも現実的にも、証明不可能なものだった、全国の残ったヤクザ団体は自分のところに、呪いがかからないか、恐れおののいた、それは日本社会にとってどれほど良い事なのか計り知れない
塚田さんも白下さんも松沢さんも、揃って対処に忙しい、揃って関係省庁と、打ち合わせ、会議と大わらわのようだ、それだけ山端組は全国に、又政財界に影響をしていたという事だ、いつも事務所は空になり、如月と由利子さんが留守番をしている
道場で佳代子と組み手をしていると、坂崎が寄ってきた
「竜崎さん、ちょっと良いですかねえ」
「ああ、何だい」
「この前、俺が入院した時、病院にいましたよね」
「ああ、行ったよ」
「やっぱり」
「そして俺を治してくれたんですよね」
「何の事だ、俺は知らんぞ」
「えっ」
「俺は知らんぞ、お前が刺されたと知って、慌てて跳んで行ったが、面会謝絶だというので帰ってきたんだが、そのあと急に回復したんだってな」
「ええ、そうなんですが、俺が気が付いたら、竜崎さんがいたと思ったんで、聞きたかったんです、聞きたくても、あれ以来会えなくて、今、聞いてみたんですが、そうですか、そうですよねぇ、俺はてっきり竜崎さんが治してくれたと思ったんだけど」
「俺は医者じゃないよ」
「いえ、俺を治したのは医者じゃないようですよ、あんな奇跡は医者では、あんな奇跡は起こせないって言ってました、無理だそうです」
「そうなんだ、それにしても、そんな奇跡のような治り方、運がよかったな、助かってよかった」
「ええ、まあ、わかりました、すみません、失礼しました」
お辞儀をして去っていく後姿を見ながら
「彼、一生悩むよ、可哀想に」
佳代子は言うが
「痛いとか苦しいとかを、思い出すわけじゃないから、勘弁してもらうさ」
「そうね、仕方ないか」
そんな話をしながら汗を拭いていると、久しぶりにトリオが道場に入ってきた、白下が
「やはり癖になりましてね、体を動かしたくなります」
「そうですか、良い事じゃないですか」
「そうなんですが、誰かさんのお陰で、久しぶりに忙しい体験を味わっていまして、なかなか時間が取れなくて」
その時塚田さんが
「竜崎さん、丁度いいや、例の青年部隊の三十人ですが、警察庁から、全国の警察に師範として派遣してもらえないかと、依頼があるのですが、どうでしょう」
「どうしてそういう話になったのですか」
「彼らが善意で夜回りなどしてくれて、感謝が大きかったのですが、中には民間人に何かあったら責任をどうとるとか、意見もありましてね、そういうやつらが彼らと腕比べをしたわけですよ、結果はわかりますよね、署を挙げて対戦したが一人も勝てなかった、それが警察庁の耳に入ったのです、国民を守る警察が、そんなことでは組織の信用が落ちると、全国から選りすぐりのつわものを五人、坂崎君たちと、対抗戦を申し込んできたらしいです、坂崎君たちはあまり差を見せると、竜崎さんに叱られると気を使って、弱い順に五人を選んで当たらせることにいたそうです、その選出の仕方がどこかからバレ、警察庁のの五人は相当に怒ったらしいです、強い順に出せと、だがそれで一応戦った後負けたら強い順に出すという、話になったのですがのですが、警察は一人も勝てなかったそうです、警察庁は意気消沈ですよ、これでは拙いと上層部が話し合い、それでこういう話になったようです」
「あいつら、俺には何も言わないんだな、まあ、他流試合を禁止してあるわけじゃないし、ひけらかしたわけでもないから、いちいち報告されるのも嫌だから」
「彼らは竜崎さんの性格を分かって居るんです、だから言わないのでしょう」
「塚田さんは、どう思います」
「警察が元祖を探らないという条件でどうでしょう」
「彼らはここに通っていますから、元は割れてますよね、警察の事だから調べはついている、では元祖をお三方の誰かという設定で、どうでしょう」
「うっ、又私達」
「そのための気密室でしょう」
「それはそうですが」
「よろしくお願いします、元祖先生方、坂崎に言ってそう言う事にしますから」
「まあ、仕方がない、また、仕事が増えそうですが、良いでしょう、今は年齢的に、体力がなくて若い者には敵わない、という事にすればいい訳ですから、お陰で起訴は教えてもらってあるし、竜崎さん達や、三十人には敵いませんが、警官だったらいくら強くても勝てますからね、分かりました、引き受けます」
「あいつらも、安定収入になれば生活も安定するし、三人くらいの班を十組作って、全国を回ってもらえば、情報も入るだろうし、塚田さんたちの仕事にも役立ちますよ」
「そうですね、うちからも手当てを考えましょう」
「それは多い程喜びますから是非」
意外な展開に内心驚いている、三十人のうち十人がまだ在学中だが、来年卒業だから問題ない、だが本人たちが特別国家公務員を希望するかどうかだ、決まれば全員の拠点がここになるだろう、所属が内閣官房防衛対策気密室、面倒だから以後BTKと呼ぼう
「結局は、所属はBTK職員、と言う事になるんでしょう言う事」
「そうですね、ああそうですよ、話の流れからそうなってしまいますね」
「彼らをよろしくお願いいたします」
頭を下げる
「やめてくださいよ、最終的には私を含め、全員が竜崎さんの部下と同じなんですから、事らこそ、よろしくお願いします」
「また、そんな大それたことを言う、ただの大学生に辞めてくださいよ」
「事実ですから、胸に置いておいてください」
「塚田さんは、大げさで敵わない」
「だから事実です」
「もういいです、坂崎に話してきます、詳しくは塚田さんの処に行かせます」
「わかりました」
坂崎に全員の意向を聞くように頼んで、後日聞いたところ、なんと全員希望するとなった、BTKは一気に大所帯になってしまった




