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 1白い手袋  作者: ベン マウント
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原発占拠

体調を崩し投稿が遅れ申し訳ありません

流石に日本を代表するような大企業、俺には考えも及ばないような規模のパーティーだった、盛大に行われていた、しょせん俺には縁遠いセレモニーに思えた、そんな中俺の席を壇上に用意したり、貴賓席に用意したり、会社側は俺に感謝の意を伝えようと、いろいろなプログラムでセレモニーを用意していた、とてもじゃないが、そう言う事はお付き合い出来かねます、塚田さんに言ってお断りして貰った、だが、それでも末席でひっそりとはいかなかったが、なんとか、それなりにやり過ごす事が出来た、会長との面談だけは逃れる事は出来なかった、いかに業績に影響を及ぼしたか、何千億だと塚田さんは言うが、会長の言葉からは感謝の気持ちが、十分に伝わって来た、話して見れば普通の気の良い普通のおじいさんだったが、俺にとってそうでも、招待された企業のお偉いさんや、政治家はピリピリしているのが良く分かった、相当に偉い人なんだ、その後、社外取締役就任を頼まれたが、法的に大学生の俺が就けるものなのか、総べて塚田さんにお任せした

上村親子に関しては何も触れずにおいた、そこまで根に持っていなかったし、特に恨みがあるわけでもなかった、ただ、まとわりつかれるのが煩わしかった、それがなくなるのだから、良い出来事だったかもしれない、二度はないという事を塚田さんを通じて、伝えてもらった、後日、上村夫妻が謝罪に来たが、敢て会わなかった、完全に許されていない、そんなニュアンスを残しておいた方が、彼らの為だと思ったからだ

偉そうにそんな事をしたのだが、ふと思った、今の俺は、正直言って少なくも、俺の知る常識的価値観で言えば金持ちだと思う、恐らく上村家よりずっと金持ちだと思う、そして、ある程度のと言うより、俺の知る限り、俺より強い人間はいないだろう、この地球上に

この年で、もう、何も望む事は手に入っている、手に入っていなければ、手入れる事が出来るだろう、金が全てじゃない、それは建前だった、本音は金持ちがうらやましかった、いじめる奴等に逆らえない自分が嫌いだった、いじめを無視する事で、何ともないという事で、自分を誤魔化していたと思う、実際はそんなところだと今にして思う

現状で今、俺は上から目線で人を見ていないか、誰かを馬鹿にしていないか、有頂天になっていないか、気を付けなければ、俺も簡単に上村以上に嫌な人間になってしまう、回想録のようにそんな事を考えていた

「竜崎さん、いますか」

松沢さんの声だ、鍵は掛かっているはずなのに、玄関から聞こえる

「はい」

玄関に出て行くと佳代子がいた、佳代子が開けたのか後ろに松沢さんがいて

「すみません、事務所に来ていただけますか」

佳代子と二人で松沢について、塚田たちの事務所に入る、相変わらずトリオは揃っていた、俺の顔を見ると塚田さんが

「佐藤を抑えただけでは駄目でした」

「どうしたんですか」

「未だ報道は抑えてあるのですが、原発が一か所占拠されてしまいました」

「警備はしてたんでしょう」

「はい、自衛隊を駆り出してまで、万全を期していたのですが、策略にはまったようです」

「一体どんな手で」

塚田さんの言うには、警備を完全に固めて用心していたが、警備する警戒線の直ぐ近くまで暴走族がやってきて、もの凄いエンジン音でしつこく近くを走り回った、暴走族が去ってしばらくして、警備の自衛官たちも警官も、酷い眠気に襲われ寝てしまった、何機ものドローンで空中から睡眠ガスをまかれたらしい、暴走族はドローンの飛行音を消すためだった、現在、警備に当たっていた人員は、全員人質になっているという

「最悪です」

「それを俺に何とかしろと言うんですか」

「もう、総理始め対策に苦慮しているんですが、外国に内密で相談をしていますが、打つ手がないのです」

「警備してたのは何人」

「約二百人、犯人たちは三十人程だそうです」

「二百対三十、警察、自衛隊の面子丸潰れですね」

「そうなのです、世界の笑いものになり兼ねない」

「分かりました、とりあえず現場を見てから考えましょう」

「すぐ手配します、ありがとうございます」

頼まれる事が、だんだん大きくなる、普通に考えて一介の大学生のやる事なのか、そう思うが、神様が俺だけに与えてくれた力、やるしかない

自衛隊のヘリで現場上空に着いた、原発の内部所々に人が見える、犯人たちだろう、その原発を自衛隊が取り囲んでいる、かなりの人数だ人質に取られた後増援部隊は今は何人いるのだろう、ヘリは原発から少し離れた広場に着陸した

「此処からは、俺と佳代子だけで」

「分かってます」

相変わらずトリオで此処まで付いて来ていた、塚田さんがそう言った、すぐに出発する、原発が見える小高い場所、を目指すふりをしてわき道に入る

「佳代子、行くぞ」

両手に白い手袋をすると、佳代子と手をつなぐ、原発内部に行きたいと念ずる、見えないのだからこそこそする事はない、制御室に入る、原発の職員は通常業務を行っているようだ、五人の見張りがいた、皆銃を持っている、原発の管理棟の建物の中他の部屋には、誰もいなかった、人質は何処にいるのだろう、原子炉の建屋に入る、いた、人質を閉じ込めるのには、うってつけだの構造になっている、機密性、安全性、警備的に、外から鍵を掛ければ、内部からはどうしようもない、見張りもいらないくらいだ、だが、見張りはいた十人も配置されていた、大勢を見張るにはこのくらい必要なのか、壁際の高いところの通路に、等間隔で別れて見張っている、後は外で各所に分かれて、見張っているのだろう、原子炉の建物内部をくまなく調べる、小部屋に自衛隊から取り上げた武器が積み上げてあった、さっそく四次元ポケットに収納していく

「慎也、何それ」

しまった、佳代子にも内緒にしていたんだった、失敗した、こうなったら惚けるしかない

「あれ、言ってなかったっけ」

「知らない、けど、慎也ならありえるかな」

「まあな、危険物は消しておいた方が良いだろう」

「そうね」

佳代子は驚いた様子は見せなかった、逆に当たり前のようにそう言った、原発内部をくまなく調べる、犯人たちの位置も確認した、その時、何となく限界になりそうな気配、こんなところで気絶してしまったら、佳代子も危ない

「いったん外に出るぞ」

先程の場所を思い浮かべ念じる、一瞬で林の入り口に移動した、まだ大丈夫そうだ、歩いてヘリの場所まで戻ると、塚田さんたちがヘリの傍にテントを張って待っていた

「状況は分かりましたが、ちょっと休まないと体力が限界のようです」

三人は俺の体力限界どうなるのか、状態を知っているので

「大変だ、何時かのようになっては大変だ、すぐに休んでください」

自衛隊の野営用のテントの中に、簡易ベットが用意された

「すみません、状況は佳代子から聞いてください、佳代子説明しておいて」

「分かった」

「それじゃあ、すいません、休ませてもらいます」

気を失う前なので、横になるとすぐに心地よく眠りにつけた、深い眠りの中で夢を見た、夢の中は白い靄がかかったような世界だ、そして声だけが聞こえて来た

「要領を覚えたようじゃな、だが、完全ではない、限界ぎりぎりでないと感じないようじゃのう、危なっかしくて見ておれん,仕方がないので分かりやすい方法を与えよう、バロメーターと念じなさい、だいたいの目安になる、それではな」

靄が晴れて、綺麗な草原でそよ風に吹かれ、眠っている俺が見える、神様がまた、プレゼントしてくれた、あれば良いなと心から思っていたものだ、ありがとうございます、何だか心も体も癒され、さわやかな気分になった、突然草原が消えて暗くなった、小さな光の点が急激に大きくなっていく、光が眩しくて目を開ける、

簡易ベットに寝ていた、隣のベットには佳代子が寝ていた、腕時計を見る、眠りについたのが確か夕方だった、朝の五時、気を失う前に休憩すれば、この程度で回復するのか、気を失ってからだと二十四時間、程度に依ってはそれ以上の時間、回復に時間がかかるのに

「バロメーター」

念じると脳内に円グラフが現れた、分かりやすい全部が緑だ、全回復という事だろう、助かる、これでパワーの限界が分かる、起き上がるとベットを降りてテントの外に出る、入り口の左右に歩哨の人がいた、要人扱いだな

「すみません、お手数かけます、塚田さんたちは何処ですか」

そう尋ねると歩哨のひとりが

「案内します」

先に立って歩き出した、何故かテントではなく少し離れた、大きなテントに案内された

「あっ、竜崎さん、もう良いのですか」

そう言って塚田たちが近寄って来る、そして白下が小声で

「前回は、二十四時間眠ったままだったのに、大丈夫ですか」

「ええ、大丈夫です、で、何か要求とかありましたか」

「ありました、それが、十億円と大型ヘリ三機と、ジャンボジェットを用意しろと」

「期限は」

「十時間です、最低二十四時間だから、竜崎さんはもうあてにしてはいけないし、言う事を聞くしかないと、諦めていたんです」

そう言われて、作戦が閃いた、この手しかない、さっそく実行する事にする

「今から手を打ってきます、連絡したら強行突破して、来てください」

「何か手はあるんですか」

「あります、信じて突入してください」

そう言うとテントを飛び出し、例の林の方向に走って藪の中に入る、白い手袋を両手に嵌めると原発内部に入る、犯人たちが物置に使っている部屋に入る、ガスボンベを持ち出す、ボンベに書いてある文字をネットで調べると、催眠ガスのボンベだった、やはりあった、奴らが使った手を思い出し、必ずあると見当をつけて来たのだ、ボンベを持ち上げると次元移動して、見えなくなっているはずだ、同時に重量もなくなる、まず制御室、見張りの男たちに次々とガスを吹き付けていく

「何だかねむ・・・」

五人とも頽れるように眠ってしまった、三十人全員を眠らせるまで十五分程かかった

「塚田さん、突入させてください、犯人たちの使った手を、お返ししてやりました」

そう言って連絡を終わるとテントに戻る、佳代子は起きていた

「何処に行っていたの」

「犯人たちを眠らせに行って来た」

「そうなんだ、上手く行った」

「ああ、上々の出来だよ、もう解決したも同じだ」

「そう、良かったね」

トリオが飛び込んで来た

「何時もながら、鮮やかな手口、犯人たちは寝ていたそうですが、まさか自分たちの使った手で、自分たちが捕まるとは、思ってもいなかったでしょうね」

「ざまあ見ろですよ」

「でも、これからが私たちの出番と言うか、悩む時間です、どうやって誤魔化すか」

三人は顔を見合わせている

「後は任せましたよ、俺たちの帰りは心配しないで良いですから」

「分かりました」

三人は出て行った、俺たちは帰るという事でその場を後にした、途中まで歩き途中でテレポートして部屋に帰った、バロメーターを見てみると、三分の一だけ減っていた

お読みいただきましてありがとうございました

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