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 1白い手袋  作者: ベン マウント
16/34

アルバイト

またまた新聞は大騒ぎ、テレビで船員たちが、家族と抱き合って喜んでいる姿を見て、良い事をしたなぁ、我ながら感激しちゃう、いろいろな事があったが、不思議と大学に便宜を図ってもらう事はなかった、今日は佳代子は来ない、友達と買い物にでも行くのだろう、いらないと言ったが、普通の女の子には、少し多いくらいのお金を持って行ってもらった、俺一人では使いきれない、かといって悪い事をして得た金ではないが、大金過ぎて親にも言えない、佳代子の使う金など、使った内に入らない、そんな事を考えていると、チャイムが鳴った、インターホンの画面を見ると、佳代子の言う疫病神トリオが、相変わらずそろって立っていた

「どうぞ」

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「竜崎さん、これを」

三人がそろって名刺を差し出す、三枚受け取って見比べる 『内閣官房防衛機密室』 とある

「何ですか、これは」

「早い話、竜崎さんのサポート専門部署です」

「あのですね、俺、カードは貰ったけど、国家公務員になったつもりはないんだけど」

「良いんです、今のままで、機密室の建前は、国の防衛の研究となってます、自衛隊、警察を使って国をどう守るか、研究する事となっています、いざというときは三人が自由に動けますから」

「今までとあまり変わらないじゃないですか」

「いえ、権限が違います、事件を任されたら、国の機関すべて最優先で使えます」

「今までも、そんな感じでしたが」

「これからは、イージス艦の艦長のような奴は、その場で処分できます、竜崎さんの秘密が守りやすくなりました」

「どうしてそうなるのですか、国家公務員でもない人間の、サポートチームって、税金の無駄遣いでしょう」

「ですから、建前は、国防の研究となっています、竜崎さんを頼るときは、自衛隊でも警察でも、手に負えない場合です、それを無駄というなら、自衛隊も銃器の素用は禁止されているのだから、使えないものの訓練、無駄な事ばかり、そこに予算は兆の単位それも無駄という事になります、私たちの部署は予算無制限ですが、使っても何百億くらいでしょう、だから決して無駄ではありません」

塚田がそう説明してくれた、白下が

「そうです、いままでの竜崎さんのお陰で、国は少なくも何千億もの、経済的利益を得ているはずです」

「それにしても、高級官僚が三人も必要でしょうか」

「あくまでも、主目的は国防の研究ということになっていますから。少ないくらいです、必要に応じて口の堅いものを、増やすかもしれません」

「まあ、勝手に作った部署ですから、勝手にやってください、俺は束縛は嫌ですよ」

「分かっています、今まで通り、自由にどうぞ」

「でも、皆さん、出世とか考えないの、若造の御守りみたいな仕事で良いの」

「馬鹿言わないでください、場合によっては、総理も逆らえない部署何て、他にはありませんよ、この少人数で国の最後の砦なんだから、こんな遣り甲斐のある部署はないですよ」

塚田が起こったように言った

『今までの局長何て、ゴミみたいに思えます」

「はぁー、好きにしてください」

「それで、竜崎さんの住んでるこの階、残り全部うちの機密室で借り切りましたから、秘密を守るため必要な措置です」

「もう、好きにしてください、俺は出かけますから」

全く、縛らないと言いながら、縛っている、がそんなに腹は立たなかった、こんな若造にプライドも捨てて、心から頼られているのが分かるから、俺の力を有効に使う、最善の手段を整えてくれている、そう思う事にしよう

たまには如月と男だけで、街を歩いている

「ラーメンでも食べるか」

「そうだな」

ラーメン店に入りラーメンを注文、とその時

「きゃー」

悲鳴が聞こえた、咄嗟に外に飛び出すと、すぐ先に刃物を振り回して、人々を開けまわしている男がいた、近づくと

「おい、キチガイ野郎、やめろ」

「なにい」

刃物を向け切りかかって来た、よけながら手刀で手首を打つ、出刃包丁を落とした、鳩尾に拳を叩き込む

「ぐえー」

奇声を上げて倒れると、丸くなってぴくぴくしている、その時警官が飛んできた、後警官に任せる事にする、急いでラーメン屋に戻ると、丁度出来上がったところだった

「相変わらず凄いな、お前は」

一緒に飛び出し用紙を見ていた、如月がそう言いながら、隣でラーメンを食べ始めた、その時何故か頭に閃いた

「如月、お前、バイト何かしているか」

如月なら、親友だし口も堅い、雑用係のような形で、塚田たちに使ってもらえば、何かの時遣りやすい、そんな事を思いついたのだ、結局俺はすっかり塚田さんたちの考えやペースに、はまり込んでいる事をしっかり自覚した瞬間だった、場合によっては由利子さんも加わって貰えばと、そう思い聞いてみたのだ

「ああ、色々とな、時々やってるよ」

「良いバイト先があるんだが、やってみないか」

「ああつ、お前の紹介なら、良いぜ、やってみたい」

思い立ったが吉日という

「これを食べたら、そこへ行ってみるか」

「おお。有りがたい、懐がさみしくなって来たんだ、丁度何かやらなきゃあと考えていたところだ、恩に着る」

その時

「貴方が、通り魔を倒してくれた人ですか」

警官が後ろに立っていた

「あ、ええっ、一応大人しくなって貰いました」

「ちょっと、署までご同行願いたいのですが」

「良いですよ」

「俺も行くわ、見ていたし」

如月と二人で警察署に同行した

いつぞやと同じ様な部屋に通された、警官ではなく刑事が出て来て、向かいに座ると

「取り押さえてくれたのはいいが、やりすぎだよ、あそこまでやることはない」

「ええー。相手は出刃包丁を持っていたんですよ、じゃあ、切られろと言うんですか」

「そうじゃないが」

「あんただったらどうしてたのか、教えてよ」

「私だったら、出刃を取り上げて、取り押さえたね」

「じゃあ、出来るものなら、やってみてください、俺が犯人役をやるから」

「良いだろう、本物の捕らえ方を教えてやろう、道場へ行こう」

警察官て、みんなこんなやつばかりなのか、気に入らない、道場に着くと

「じゃあ、出刃の代わりに、小刀をもってかかってきなさい」

そう言うと警棒を出した

「あのう、俺たちはそう言うものは、持っていないんだけど」

「しかし、相手は出刃を」

「あんた、馬鹿か、俺は素手で相手をしたんだよ、素手でどうやってとらえるか、見せてもらおう」

「それは無理だ」

「無理でもやって貰いたい、さあ、行くよ」

小刀を構える

「止めたまえ、傷害罪で逮捕するよ」

「あんた、頭はたしか」

「そうか、悪かった、私は勘違いしていた、素手で相手をしたとは、では柔道で私と勝負しようか、どんなに強いか確かめたい」

コテンパンにやってやりたいが、後で面倒だから止めておこう

「そんな事、必要なのですか、逮捕協力者に、全部そうやって試すのですか、おかしいでしょう、あんたたちが間に合わないから、代わりに被害が出ないよう、協力したのに、腕を試す、冗談じゃない、頭に来た、如月帰るぞ」

「まあ、待ちたまえ」

「もう協力はしません、失礼します」

「ちょっと待ってくれ、調書がまだできていない」

「もう協力はしないと言ってるだろう」

無視して歩き出す、追ってきて肩を鷲掴みして来た、振り払う

「公務執行妨害になるよ」

「勝手な事を言ってるな」

無視して再度歩き出す、そのまま警察署を出ると

「良いのか、後が面倒にならないか」

「別に悪い事をしたわけじゃないし、大丈夫だ」

帰るとすぐに隣の部屋に顔を出す、内閣官房防衛機密室、とは掲げてなかった、塚田、と表札が出ていた、三人はまだいた

「此処はアルバイトは、使いませんか、俺の親友で如月って言うんだけど」

「竜崎さんの親友ですか、分かりました、アルバイトやっていただきます、よろしくお願いします」

塚田が即決してくれた

「アルバイトだと、時給ですよね、うちは、契約で月給制です、月給三十万で、どうでしょう」

「三十万、良いんですか」

「竜崎さんの親友なら、当然です」

「如月、貰っておけ」

俺を縛る道具の一つ、俺が連れてきてしまった、カモがネギをしょって来たようなものだ、願ってもない人間を取り込むことができる、三人は大喜びしているはずだ、間違いなく三十万何て安いと思っている

「それじゃあ、お願いします、俺は部屋にいますから、如月をよろしくお願いします」

部屋に戻り、テレビをつける、旅番組をやっていた、見ているうちに眠くなって来た


お読みいただきましてありがとうございました

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