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 1白い手袋  作者: ベン マウント
15/34

海賊退治

塚田さんがスマホに出た

「そんな事まで、私に対応しろと、無茶を言わないで、そう言う事は専門がいるでしょう、そんな」

相手から切られたようだ

「どうしました、何か問題でも」

「タンカーが海賊に乗っ取られたらしいです」

「その対応をしろと」

「そうなんだ、どうしろと言うんだ、国際問題が絡むから、自衛隊が自由に動けない、対応をしろと、まあ、自衛隊が動けたとしても、人間相手に銃器は使えないけどね」

三人が一斉に俺を見る

「何ですか、俺は知りませんよ、何を見ているんですか、俺、ちょっと佳代子と約束があるんで、三人はごゆっくり」

「待ってください、竜崎さん、助けてください、貴方しか対処できない」

「勝手に決めないでください、俺を何だと思っているんですか」

「困ったときは、竜崎さん」

三人で合唱

「そんな大事件を、俺にどうしろと」

「とにかく、一緒に来てください、お願いします」

そのとき

「慎也、支度できた」

佳代子が玄関に入って来たようだ

「佳代子、どうやら出かける事は出来ない、感じがする」

大声で答える

「どうしてなの」

そう言いながら部屋に入って来た、顔触れを見て

「ああ~、そう言う事ね、疫病神トリオがいるんだ」

「ええー、私たちはいつから疫病神に」

白下が言うと

「いつだったか、自分たちで言ってたでしょう、自分たちは疫病神で、慎也が其れを払うんだって」

「返す言葉がない」

塚田が

「申し訳ないとは思いますが、どう考えても竜崎さんに頼むのが、一番早い」

「俺は、コンビニじゃあないんだから、直ぐに何でも間に合うと、思ってもらっても」

「頼みます」

真剣な顔で三人が頭を下げる、全くこの三人は息が合っている

「分かりました、しょうがない、手を貸しましょう、佳代子手を貸してくれ」

「分かった」

そう言う事になれば、まず情報を集めて作戦を練るしかない

「現場の近くにいた、自衛隊のイージス艦が、丁度現場に近い場所にいたため、現場に向かっている、タンカーだから銃器の使用は出来ないし、近づくことも出来ない、下手に近づいて海賊に、銃器でも使用されたら、引火の恐れがある」

どう対処すればいいか考える、何でこんな大事件をまかされて、俺が対処する問題なのか、いい加減にしてほしい

「とにかく、現場に向か居ましょう」

塚田たちが乗って来た車で、自衛隊駐屯地に向かう

「俺と佳代子の正体を、隠す方法を取ってください」

「分かりました」

目立たないように自衛隊の制服に、サングラスとマスクをつける、駐屯地に到着すると、小型のジェット旅客機が待っていた、俺たちが乗り込むとすぐに飛び立った

「どうして三人も一緒に行くの」

そう聞くと

「竜崎さんの事、私たち以外に知られたくないので、お世話は私たち三人がします、何でも言いつけてください」

「お偉いさん三人じゃあ、頼みずらいなぁ」

「平気なくせに、何を言っているんです、それより、佳代子さん、女性の隊員をつけましょうか」

「別にいいわ、知らない人じゃ帰って気を遣うから、疫病神トリオで我慢する」

塚田が

「あれだ、とうとう名前が決まっちゃったみたいだ」

この緊張感のなさはなんだろう、良いのかこれで、佳代子の度胸の良さにはあきれてしまう、此処で作戦を伝えておく

「イージス艦に着いたら、俺達だけでタンカーに向かいます、小型のボートか水上バイクのようなもの、用意できますか」

「危険ですよ、二人だけで、大丈夫ですか」

「危険な事に俺たちを追いやっているのは、誰ですか、それに大勢ではいけないでしょう」

「でも、ボートで送るくらいは」

「二人だけの方が、秘密を保持できますから、心配は入りません、作戦は考えてありますから」

「そうですか、分かりました、手配します」

暫く飛行した後、何処かの飛行場に着陸した

「此処で乗り換えです、イージス艦まで水陸両用機で、行かなければならないので」

「分かりました」

乗り換えると、直ぐに離陸する、夕日が沈むころイージス艦の近くに着水した、すかさずモーターボートが二槽機体に横付けして来た

「じゃあ、俺たちは、行きます」

佳代子に合図して、一槽の方に乗り込む

「途中で乗り捨てる事になるけど、良いですか」

迎えに来た隊員が

「位置情報が分かるようになっていますから、解決して可能なら回収できます」

「分かりました」

隊員からタンカーの位置を、GPS画面で教えてもらって

「じゃあ、出発します」

一直線にボートを走らせると、直ぐにタンカーの姿が見える位置に着いた、ボートを止める

「行くか」

「うん」

佳代子は、こういう事に慣れてしまったのか、自然体だ、両手に手袋を嵌める、タンカーを見つめ強く飛び上がる、一瞬でタンカーが近づく、甲板を意識すると甲板に立っていた、野球のグランドのように広く感じる甲板の、あちこちに見張りの男たちが立っている

「まず、船員の人達の、安否を確認しよう」

船内を捜索する操舵室から見ていく、船長、航海士らしき人が二人、見張りは二人とボスらしき男がいた、他の船員たちは一部屋に閉じ込められ、監視の男は二人、機関室に船員は二人、見張りは一人、船内をくまなく見て回り、海賊は全部で十三人、船員は全員無事なようだ、気絶するだけの威力に調整した、異次元弾で片付けていく、操舵室の男たちから始めた、まず入り口の男を異次元弾で倒すと、結束バンドで後ろ手に縛り、口にガムテープを張る、両足も結束バンドで縛り、更に手を足の結束バンドにつないでしまう、これで動けなくなる、結束バンドの用途は違うが便利だ、これを紐で縛っていたら、十倍は時間がかかるだろう、二人で手分けして、船員に気付かれないうちに、結束バンドで後ろ手に縛り、口にガムテープを張る、足と手のバンドをつなぐ、佳代子と離れると、佳代子が見えてしまうので、気を付けて男たちを拘束していった、終わるまで十五分ほどかかってしまった、急いで塚田さんに連絡する

「海賊は全員拘束しました、来てください」

「えっ、もう、ですか」

「ええっ、終わりました、早く来てください」

俺たちはボートに戻って、手袋を外すとボートで、ゆっくりタンカーに近づいていく、後ろからボートが猛スピードで近づいてきた、横まで来ると

「大丈夫ですか」

それだけ言った、色々と都合で多くは語れない

「行ってください」

それだけ言って、ゆっくり後を追う、タンカーに連絡があったのか、船員たちが助かった事に気が付いたのか、ライトでこちらを照らしている、縄梯子というか、ロープで編んだ網のようなものが下ろされている、何人もが同時に上って行く、流石に訓練しているだけあって、素早い登り方だ、俺たちは慌てないで最後に登った

タンカー内は大騒ぎ

「気が付いたら、海賊は全員縛られていたんです、海賊には逆らわなかったので、私達に怪我人はいません」

船長が説明している、こんな大きな船なのに、船員の数は思っていたより少なかった、全員無事なようなので、ほっと胸をなでおろす、良かった、塚田さんたちが寄ってきて、小声で

「ありがとうございました、飛行機が迎えに来ますから」

そう言って離れて行った、色々と処理する事があるのだろう、ご苦労な事だ、船上の様々な処理も終わり、イージス艦に戻ると一部屋専用に空けてもらい、部屋の中で迎えの飛行機が来るのを待つ、塚田さんは打ち合わせか何かで、部屋にはいない、松沢が

「いつもながら、竜崎さんは凄いですよ、不可能を可能にしてしまう、それも素早く」

「まあ。いつも運が良いんですよ」

「運がそんなに続くものですか」

「まあ、いいじゃないですか、解決さえすれば」

あまり話していて、秘密を話してしまっては困る、そんな話をしている所に、塚田さんが戻って来た

「艦長が合いたいと言っていましたが、断るのに苦労しました」

「ありがとうございます、会うなんてとんでもないですからね」

「ええ、分かってます、ですから断ったのですが、しつこくて苦労しましたよ、何しろ、これだけの事を簡単に、短時間でやってしまう、しかも聞けば二人だけ、何が何でも会いたいと、それはしつこかった、国家機密に近い人で、ほとんど人と顔を合わせないと言って、やっとの事で断りました」

「秘密を守るのには苦労しますね」

その時

「塚田さんはこちらですか」

「まずい、艦長だ隠れてください」

「はい」

「やはり、どうしてもお会いしたくて、秘密は守ります」

「そうは言っても」

「私がそんなに信用できないのですか」

「そういう事ではありません、機密事項だと言っているでしょう」

「兎に角、今はいらっしゃいませんので」

「そんな事はないでしょう」

ずかずかとはいって来た、そして部屋中を見て回っている、白い手袋を両手に嵌めているので、見える筈がないが、部屋の中を散々さがした後

「本当にいませんね、何処に行ったのか」

「失礼な、貴方は何をやったか、覚えていてください、処分する事になりますから」

「しかし、船の上では私が法律ですから」

「分かりました、私も今回のような事に、対処する責任があります、それはあなたの権限の上をいくものだと、自負しています、覚悟していてください」

艦長は出て行ったのを確認すると、手袋を脱ぎ

「塚田さん、ご苦労様、今のうちに俺たちはボートに行ってます、艦長は執念深そうですから、分からないように飛行機に移りますから、塚田さんたちは三人で、乗ってください」

「凄い、どうやって隠れていたんですか」

「秘密です」

飛行機が着水すると、ボートに三人が乗り飛行機に向かう、艦長はやはり見張っていたが、乗っているのが三人だけなので、首をかしげていた、ボートが接舷すると同時に機内に移動して、塚田さんたちを待つ、機内に入って来た三人に

「疲れ様」

そう声を掛けると

「おおっ、無事でしたか」

「ええ、大丈夫でした」

塚田さんが飛行機の窓から、イージス艦にいる艦長を見て

「私を侮辱したという事は、竜崎を侮辱したも同じ、報いは受けてもらいます」

そう呟いていた



お読みいただきましてありがとうございました

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