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トーストハプニング  作者: 谷村碧理
apple 落し物から始まる異能バトル⁈
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歩志技な層団はクラスメートに(裏

本編ではありません。飛ばしても大丈夫です。

 

 どうしよう。大事な物をなくしてしまった。あれはわたしにとって宝物だ。家に置いておくこともできたけれどいつでも頑張れるようと思って持ち歩いていたのが裏目に出てしまった。


「他の物は?」


 その子が聞いてくれた。わたしは今日カバンの中に入れてきたものがちゃんとあるか一つ一つ確認する。


「全部あったらいいんだけど……」


 ふと声が漏れる。だんだん不安になっていく。なくしたのは写真だけではない。そんな気がしてきた。


 そしてそのいやな予感は当たってしまった。しかもなくしたのは写真と同じくらい大切なものだった。そういえば一緒に入れていたような気がする。そんなことはない。カバンの中を何回も何回も、すみからすみまで徹底的に調べた。ポケットも全部見た。けどなかった。どうしよう、どうしよう。わたしが中学生のときのーーもっといえばわたしが変わったであろうあの日のときのような不安がおそった。まるで走馬灯のように。


「だ、大丈夫?」


 その子がそう言ってくれた。そして気がついた。わたしはすこし呼吸が荒くなっていて、冷や汗をかいていた。


「保健室、行く?」


「ううん、平気」


 口ではそんなことを言っているけど実際はこれっぽっちも平気じゃない。こんなことで他の人に迷惑をかけたくなかった。そんな考えからとっさに出た言葉だった。


 話が続けづらくなってどうしようと思ったとき、わたしのクラスのなりたて学級委員が「時間ヤバイよー。ベル準できてるー?」とクラスのみんなに声かけてをしたのが聞こえた。わたしとその子はそのまま何も話さずにそれぞれの席へ戻った。やっぱりわたしは何一つ変わってない。そのことを実感した休み時間だった。チャイムの音を聞きながらそんなことを考えた。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 二時間目の授業が終わり、次の授業の準備をして自分の席に着いた。ここまでは一時間前と全く一緒の動きだ。そして長い残り時間をどのように使おうか辺りを見渡す。これもさっきと一緒。


 そしてさっき話しかけてきた子が一人の男の子を連れて……いや、引っ張ってこっちに来ている。これは……さっきと全く違う。


 通り過ぎるのかなと思ったらそのまま向きを変えてさっきと同じくわたしの席の前に立ち、


「ヤッホー、ねぇ一緒に喋らない?」


 さっきと似たようなことを言った。わたしは少しの間無になった。そして静かにこう返した。というより質問した。


「…………その人は誰ですか?」


 その子のとなりにはまだ引っ張られて来た男の子がいた。



「いや〜さっきのことが気になってさ〜」


「えっと……その人は一体?」


「アタシもできる限り強力するよ!」


「で、その人はなんでいるのでしょうか?」


「なんでって? 困っている人がいたら助ける。そんなの常識中の常識でしょ!」


「だからその人は……」


「いやなことまで無理して話さなくていいから、ね!」


「……その人が見えているのってもしかしてわたしだけ?」


「ほらほら、三人寄れば文殊の知恵って言うしさ!」


「だから三人目はどこに行ったの⁉︎」


「無理矢理連れてきておいてこの扱いは酷くないですか⁉︎」


 ずっと言い続けたわたしの質問と耐えきれなかった連れてこられた人のツッコミが重なった。ちなみにその人はキレ気味で突っ込んだ。そしてその存在を忘れていた当の本人はというと、


「あ、そういえばいたんだった」


 あははと作り笑いをしながらごまかしていた。しかも出来の悪い口笛を一生懸命に吹いていた。これはおこられても不思議ではない。


「で、ぼくはどうして呼ばれたのですか? まさかからかいたかっただけではないですよね? それとすぐ真横にいるのに忘れますか普通?」


 顔では一切普通の表情をしているけれど、声を聞いただけでなんとなくわかった。この人、かなりキレてる。


「で、改めて、できる限りでいいから話してほしいな」


 そして当たり前のように無視された。わたしはそのことを話す前に一つ聞きたいことがあった。


「その前に、その人はなんでいるの?」


「そうですよ。いい加減教えてください」


 まさかの連れてこられた人も知らなかった。そしてその子が「そうそうここからが本題で……」といいようやく話か始まった。


「まず最初に紹介しておくね。こいつはひじり。アタシの中学の同級生。敬語なのはいつものことだから気にしないであげてね」


 紹介された聖くんがわたしに向かって「よろしくお願いします」と小さくおじぎをした。わたしも「こちらこそ」と返す。その子が説明を続ける。


「えっとねぇ、聖はとても頭が良くて、ミステリー小説が大・大・大好きなんだ。だから今回の件でも力になってくれるはず!」


 その子の言うとうり聖くんはとても知性的に見える。そしてかけているメガネがよりいっそうそれを引き立てている。かた苦しいようにも見えるけれどこれまでの会話を聞いてそうじゃないことはわかっている。


「それでは、とりあえずあった事を話してください」と聖くんがそういった次の瞬間、


「おーい、メガネー。ちょっとミソイチ借りていい?」


 という声が教室のドアのとこから聞こえてきた。それにその子が「今行くー」と答えた。ここでようやくその子の名前がわかった。ミソイチちゃんはすぐに教室のドアの方にいった。いく前にわたし達に向かって「お幸せに〜」といっていたけど、どういう意味かは分からなかった。


 そしてこの場にいるのはわたしと聖くんだけになった。


「………………………………………………」


「………………………………………………」


 お互いどうしていいのか分からず。無言の状態が続いた。でもこれはこれで気まずいから勇気を出してわたしから喋った。


「さっきの『お幸せに〜』って一体なんだったんだろう?」


「さっきのあれはあの人の口癖です。誰か二人を置いてどこかにいくときは必ず言います。理由は謎ですけど」


 普通に答えてくれた。さっきミソイチちゃんが同級生といっていたけど、もしかしたらわたしが思っている以上に仲がいいのかな? そんな風に思える。


「それで、何があったのですか。まずは話してください。それから考えていきましょう」


 わたしは「はい」と短く、小さく返事をして、あった事を話せるだけ話した。でもやっぱり話したくなかったこともあったから、そこは悪いと思いながら伏せておくことにした。


こちらも大変です……

ヒロインの過去に何があったのか、おいおい書いていこうと思います。

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