フィクション的なノンフィクション(表
何故だかよく分からないが凄そうな展開になった。まあざっくり言うとこの世界では僕の知らない所で漫画の様な異能バトルが起きていて、僕は偶然にもそこへ足を突っ込んでしまったらしい。多少の誇張表現は入っているかもしれないがおおよそそんな所だろう。
それと今僕の目の前にいる人達についても説明しておこう。この状況からするに異能関係者だということは確かだろう。まずは現在進行形で真正面に座っているOL子さん(仮名)は、さっきからいるので省略。だが僕を含めて高校生以下の人だらけ(見た目だけでは)のこの場において唯一の大人なので、リーダーやら何かしら大事なポジションなのだろう。
「今日はこれで全員?」
「はい。今日は用事の方も多いので普段よりは少ない人数です」
「ありがと」
今のOL子さんの質問に答えたのは僕と同じ学校に通っているであろう男子。敬語を使っている所から何かしらの上下関係があるのだろうか。やけに整った髪と眼鏡が印象的だ。でも素の顔が顔なのかしっかりと男子に見える。当然ながら初対面だ。
「ねぇさっき来たばっかでイマイチ何がどうなってんのか分かんないんだけど。ちゃんと説明して?」
「いや最近来てないお前が悪いんだよ」
何故だかよく分からないが凄そうな展開になった。まあざっくり言うとこの世界では僕の知らない所で漫画の様な異能バトルが起きていて、僕は偶然にもそこへ足を突っ込んでしまったらしい。多少の誇張表現は入っているかもしれないがおおよそそんな所だろう。
それと今僕の目の前にいる人達についても説明しておこう。この状況からするに異能関係者だということは確かだろう。まずは現在進行形で真正面に座っているOL子
「ねぇさっき来たばっかでイマイチ何がどうなってんのか分かんないんだけど。ちゃんと説明して?」
「いや最近来てないお前が悪いんだよ」
次はその横にいる男女の二人組。どちらも暗い赤のブレザーが特徴的な制服を着ている。僕の記憶が正しければこの二人は蟷螂院という尋常なく偏差値の高い中高一貫校に通っている事になる。ちなみに僕の家から一番近い高校だ。だが、二人のネクタイの色から察するにまだ中学生だ。もちろんというか何というか、名前と制服の奇抜さから考えられるように、私立である。
女の子の方は、モデルでもやっているかのようなスラっとした体型に中途半端な長さの髪が特徴だ。あの奇抜な制服が異常なまでにお似合いだ。とは言っても身長はそこまで高くなく、年相応かそれよりやや下という所だろうか。
それと男の子の方。身長こそは女の子に勝っているもののボサボサの髪と童顔のせいでカッコ良さがゼロに近い。そして制服も似合ってない。
「な、ん、か、い、い、ま、し、た、か、?」
女の子が男の子の足を全力で踏んづけた。あれ絶対に痛いと思う。しかし男の子は少しも顔に出す事なく「何も言ってないです……」と呟くだけ。どうやら口でも勝ててないらしい。てか、この二人って一体全体どういった関係だ? 幼馴染? それとも……恋び
「あのーいつまでこの状態何ですか」
「あんたが心の底から反省するまで」
とは無いか。流石にこの年齢ではなぁ。別に人生で一度もそういった類の経験が無い僕が年下のイチャイチャに嫉妬(?)している訳では無い。決して無い。
「まーまー二人とも、落ち着いて。取り敢えず河森さんの話聞こ? ね?」
そんな二人の間に割って入っているのは、ボブカットの女性だ。制服やスーツだらけのこの集団の中で唯一の私服だ。ジーンズに派手目のTシャツという超ラフなスタイル。でも、声のトーンや身長からして大学生以上とは思えない。制服が無い学校に通っているのか、ただの登校拒否なのか……多分前者だろう。
うっかり流してしまいそうになったがここにてOL子さんの苗字が判明した。ありそうでなさそうな感じの苗字だった。(眼鏡の苗字という可能性も否定は出来ないが)
「維織と志苑のしょうもないケンカはもう見飽きたから星芽ー、さっさと続けてー」
ビックリするぐらい生意気な口調で喋ったのは何と見た目年齢最年少な小学生ほどの男の子だ。まだ声変わりをしてないのか声が高い。あと髪型と服装のセンスが少々よろしくない。親のセンスという事にしておこう。
あと続けて三人程名前が出て来たが、全部男女どっちでも違和感無いから結局誰が誰かも分からない。
「てかさー、コイツ連れて来た張本人の真博はどうなの?」
例の生意気小学生が僕を指差してそういった。コイツとは失礼な。クラスの人がこの光景を見たら唖然とするだろうな。色んな意味で。確か真博というのは染岡さんの下の名前だったはず、自信ないけど。そして当の本人はというと……
「え? うん。で、何?」
反応薄っす! もしかして今までの会話全スルーしてかのか? 少なくとも僕の思っていた染岡さんイメージが崩れかけた一言だった。
「皆さん口々に喋らないで下さい! いっつもそうだから話まとまんないんですよ」
「「「「「はーい」」」」」
眼鏡の怒りの一言でお喋りは終了、場は一気に静かになった。コイツまとめ役なのか? 「へーい」に聞こえなくもない返事も混じってたから相当権力がある訳ではなさそう。
「それでは河森さん、お願いします」
「はい、お願いされました」
その一言でバラバラに散らばっていたこの場の主導権が再びOL子さん、もとい河森さんに戻った。
「じゃあ説明するね。みんなはどこまで知ってるんだったっけ? ここの所来てなかった維織はどこまで聞いてる」
「最近《能力者狩り》が流行ってるってこと辺りまで」
応えたのは足踏み女子、ではなく維織だ。
「お前本っ当に来なさ過ぎにも程があんぞ」
「うっさい志苑」
ドンマイヘタレ……ではなくて志苑。
「そう、今回はその能力者狩りとは殆ど別件と思ってもらって大丈夫」
「えー、星芽が殆どって言うのメチャレアだよねー。繋がってる可能性あるのー」
そういったのはボブカット、あまだ名前出てなかった、だ。と、言うことはOL子さんの本名は河森 星芽なのか。思ってたよりも自然豊かな名前だな。
「てかコイツなんか関係あんの? どっからどう見てもパンピーにしか見えないんだけど」
だからコイツ言うな生意気小学生。あとパンピーって……。
「そう、裏は取れてないからまだ言い切れないの。でも可能性はある。そして功馬、彼は今回の件の重要人物なのよ」
河森さんは今度は完全に言い切った。ここで言う『彼』というのは僕の事だろう。こうして着々と進んでる事情説明だが、一人だけついていけていない人が……
「あの……まず能力者って何ですか? それに僕が重要人物って何かの間違いなんじゃ」
みんなの視線が一斉に僕に向いた。だって話ついていけてなかったんだもん、仕方ないよね?
今回新キャラ多かったですね。(もう出てきた人もいましたが)
大丈夫です。ついていけてないのはあなただけでは無いです。光城は人覚えるのに夢中でしたから。
次回も説明回です。お楽しみに。




