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トーストハプニング  作者: 谷村碧理
apple 落し物から始まる異能バトル⁈
13/28

仲実と概圏は意槌するとは鍵らない(裏

 

 わたしたちはなぜ校門前にいたのだろうか。その理由を忘れてしまいそうになるぐらい三人でいろいろと言い争い……話していたら下校時間を知らせるチャイムの音が聞こえてきた。空を見るとさっきに比べて少し暗くなっていた。チャイムが鳴り終わったころに一旦休戦、もとい会話が止まった。


「はぁ〜。今日は何にも収穫なしか〜」


「ぼくの予想ではアンタが来なければ何かしらの収穫があったはずなんですけどね」


「まあ、すぐには見つからないかなって思ってたし。二人とも、今日は本当にありがとう」


 今日は初めてのことだらけでちょっと疲れたけど、その分とっても楽しい一日だった。まさか出会ったばかりのクラスメートがこんなにも協力してくれるなんて思っても見なかった。この学校を選んで正解だった。そんな考えが無意識のうちに浮かんできてしまう。


「いいっていいって。どうせアタシ達のコースは部活入っちゃダメって言われてるから放課後は時間余って暇なんだよね〜。諦めないならこれからも手伝うよ。それよりさ、三人でどっか行こうよ。この後暇?」


 和歌ちゃんはわたしに向かってこう行った。想定外の発言だった。今日はこのまま帰るだけ。そう思っていたわたしは一瞬戸惑った。ひまといってもわたしは通学にかなりの時間がかかる。それでもひまといっていいのだろうか? でもそんなことを考えていたらキリがないから、わたしは聞いてみることにした。


「……わたしは通学に時間がかかるから、三十分ちょっとくらいしか時間がないんだけど…………それでも大丈夫かな?」


 和歌ちゃんは迷うことなくすぐにこたえた。


「大丈夫! 全然オッケーじゃん。三十分って結構時間ある方だって。三十分もあったらアタシなら余裕で漫画五冊は読み終わらせるし」


「後半はほとんど読み飛ばしてるんじゃないですか?」


「なんて失礼な。アタシの本気を舐めないでもらえるかな? よし、レッツ……」


「まってください。ぼくは暇という前提で話が進んでいるような気がするのですが⁈」


 そういえば和歌ちゃんは聖くんの予定を一切聞いていない。


「どうせ暇でしょ。昔っから『あの家には帰りたくない……』的なことを言ってたくせに」


「……………………それは事実ですけど。分かりました、行きますよ。それでどこに行くんですか?」


「どこだと思う?」


 わたしはこの質問に答えた。


「駅前のお店?」


 …………駅前には店がたくさんあったからそのあたりかな。でもどんな店があったかまでは覚えてない。


「残念! でもおしい!」


 違ったみたい。駅前がおしいなら駅の中なのかな? と考えているとき、聖くんが答えた。


「どうせカラオケかプリクラとかその辺りですよね」


「ちょっと、その辺りってなに、その辺りって。カラオケとプリクラはね、JK(女子高生)にとってはとても大事な場所なんだから」


「一か月前まで現役の中学生だった人が堂々と言う台詞ですか、それ」


「そんなこと言ったら全国の高校一年生みんなそうじゃん」


 確か今でこそ高校生だけど、少し前までは中学生だった。…………ってそんなこと言ってる場合じゃないって。ここでまた言い争いが始まったら今度こそ時間がないって。


「それで…………正解は?」


 正直、二人の間に割って入るのは怖かったけど勇気を出していうことに成功した。そしてその結果はというと…………


「じゃあ時間もないから正解発表〜」


「いいから早くしてください」


「どこにするか決めてない、でした!」


 今の和歌ちゃんの言葉で、聖くんがストレスたまりまくりのイライラ顔になったのは気のせいだろうか。


「別にそんなに怒らなくても。さっき思い付いたんだからさあ。それなら聖はなんかいいとこ知ってるの?」


 あきれきった聖くんはため息をついて、それからしばらく黙ってからこういった。


「そうだ、ぼくが何回かいったことのある喫茶店がこの学校近くにあるのですがせっかくなのでそことかどうでしょうか?」


「喫茶店…………行くの久しぶりだな」


「良いね! 喫茶店、じゃあそこへレッツゴー! ということで聖、道案内よろしく頼んだ!」


「はいはい、分かりましたから……」


 家を出る前にお母さんが無理にでも財布を持たせようとした意味がわかった。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 三人で「もし部活に入れたら何部?」や「ノートパソコンかタブレットかスマホならどれがいい?」、「実家暮らしを続けるか一人暮らしをするかどっちがいい?」、「目玉焼きには何かけて食べる?」とか「都会と田舎はどうやって区別するの?」などなどいろいろと話しているうちに目的地についた。わたしの体内時計で約五分ほどの出来事だった。


「うおおおお、すご」


「……独特な雰囲気だね」


 店内に入ったわたしたちの反応はだいたいこんな感じだ。喫茶フタバ堂、一言でいえば和で洋な場所だった。カウンターとその周辺はテーブル席だけど、奥の方は座敷になっている。そして茶色と緑をベースとしているけど、ところどころにスタンドグラスの雑貨が目立つ。わたしの個人的なイメージだけど文明開化や大正ロマンを想像させる。


「ここ……ネットの口コミサイトの五つ星評価で四.八って出てる。しかもコメントの数がえげつないし、そのほとんどが高評価……」


 わたしがただぽかんとしている横で、和歌ちゃんはスマホでなにやら調べていたらしい。和歌ちゃんは静かにスマホをしまうとそっとわたしに近づいてないしょ話でこう言った。


あいつってさ、何気に女子力高くない?」


「そこ! 普通に聞こえてるんですけど!」


 わざわざないしょ話にした意味がなかった。っていってもないしょ話にしてはかなり声おっきかったからね。


「今でこそ人はいませんが、なんかの取材を受けたりしてるみたいなので。時期によっては行列ができるらしいです」


 実際にそんな店あるんだ……テレビの中なんておとぎの国に等しいわたしにとって、こんな店に入るのは初めてのことだった。和歌ちゃんは「そんな〜言い過ぎだって〜。さすがに大したアレではないんでしょ〜」と、信じていない様子だけど。レジのところに、書かれている年こそは古いけど、わたしがよく見ているバラエティ番組の名前が書いてあった。


フタバ堂はこんな店があったらいいなという私の妄想です。

次回(裏)はフタバ堂でなんかいろいろ喋ります。

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