左の頬っぺたを頬杖として提供した時の話をしよう
気付くと咽喉が抑えられていた。
そして目と鼻の先にやつがいた!
どのぐらい目と鼻の先かというと鼻の先を2㎝ほど左に動かすと相手の鼻にくっ付くぐらいだ。
目と鼻の先って言ったってそれは近いだろッ! いくらなんでも近すぎ! 超近い! 姿がぼやける。見えないって。
左目の端に見えているピンクの物が鼻だと理解している。
だって先ほどから風が左目を冷やして乾燥させようと吹雪いている。
鼻息ブリザードとでも名付けるべきか。
口元は半分、毛で覆われている。
なかなかにぬくぬくです。
と言うかなんでここまで近いの?
ちなみにこの首を絞めている物の正体はうちの飼い猫だ。
いつも一緒に寝ているけども、ここまで近いのはビックリだ。
しばらく布団の中でナデナデしていたら伸びをした。
起きるのか、と期待したがまた近づく。
そして後ろ足が横へと崩される。
こやつ、本格的に寝るつもりだ。
目を開けて初めに目に付くのは猫の耳だった。
だってど真ん中にあるんだもん。でもぼやけて良く見えない。近すぎるから。
私の頬っぺたを枕にしちゃったんですよ。
私の左の頬っぺたを頬杖に猫が同じ左の頬っぺたを乗っけている状況。
左の眼の前に猫の左耳がある理由。
ある意味身動きを封じられている。
猫枕固めとでも名付けるべきか。
でも、めっちゃくちゃ、ぬくぬく。
顔って普段布団から出しているから気付きにくいけど寒いんだよね、やっぱり。
そして物音で猫が動くまでぬくぬくが続いた。
離れた後、頬をなでる冷たい空気が私に寂寥感を抱かせる。
そういえば去年も頬っぺたがぬくぬくしていたことがあった。
あれは猫のお尻が頬っぺたに乗っていた。
いや私の左の頬っぺたを尻に敷いていた。
私のほっぺは座布団かッ!
まあ、あのときもぬくぬくしていたんだけどね。
実際のところ、寒くて布団に入ろうとしてたんだろうなあ、うちの猫。
お尻を突っ込んであまり奥へと行けずに仕方なくあの場で丸まった感じだろうか。
普段は腹の上でぐた~という感じで寝ていたり、腋に嵌まり込んで肩に手を掛けて丸まっていたり。もちろん布団の中で。
左の脇で寝ていた猫が、寝起きに私の顔をビンタ、左右で。
それで布団にその後入れてあげなかったからかも知れない。いや出ていったからだけど。
ついでに猫パンチは逃げない方がいい。
肉球は衝撃吸収するし、爪は突き刺さるだけ。
逃げると爪の先が移動するから切り裂かれて被害が増大する。
逃げ切れるなら別だけど猫パンチは速過ぎますから。
(+2はわざと……)