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アルが離れていった時嫌な予感がしたので着いていってみればあんのじょう変態に絡まれているところだったので叩きのめしました後悔はしません。
ということでこんにちは久し振りのエルベルトシフトです!
クロスアッパーを仕掛けてドサリと崩れ落ちた恐らくド変態は、恍惚とした表情でこちらを見てきた。
……ん?恍惚とした……?
「アルにげろっ!予想以上の危険生物な可能性がある……!」
「そんなっ!そんな気持ち悪い危険生物にエルを一人で向かわせるなんて、出来ないに決まってるだろ!」
いや、アルさんよ。その言葉もこの目の前の脂ぎった豚みたいなド変態を悦ばせるだけかと。
「な、なんだと!もう一度いってみろ!いや言ってください!」
ブヒブヒと鼻息を荒くしてアルの足元にすがり付く、黒いお高いコートを着ているテンプレ通りの汚い豚野郎と言うのも、見るだけなのなら中々壮観なのだが。
「なにこいつ怖い」
「だってよ。オラ離れろ豚」
アルの事をよく知っている人間くらいにしか分からないていどなのだが、アルが物凄くドン引きしているので孤児院の制服のような木靴で豚野郎を吹っ飛ばす。
勿論身体強化をかけている。人狼になったことによって引き上げられたポテンシャルをもってしても、見た感じ百㎏以上の巨体を飛ばすのはちょっと……
できたら化物だよ。
がっしゃぁぁぁぁぁん……
吹っ飛ばした衝撃で他の屋台が崩れる。
そう、屋台。
店を作る金がまだないから、店は夜でも何時でもお祭りみたいな屋台を出しているんだ。
いやぁ、夜になったら明かりとして提灯が出てきたからつい興奮しちゃったよ。
夏祭り感あるよなぁ、僕昔から宿題じゃなくてマジックの練習と戦術ゲームと遊びに費やしてたから宿題やってなくて滅茶苦茶怒られたことしかないんだよなぁ。
だから夏祭りとか行かせて貰えなくて……憧れてたんだよなぁ。
「さぁて、二手に別れて逃げるぞアル」
「OK。どっちが囮?」
「僕だな。孤児院で落ち合おう」
「りょーかーい」
一瞬で僕がしたいことを理解して、アルは僕が行きたいところと反対の方向にぱっと走っていく。
のんびりとした声してながら中々どうやら理解が早くて何よりだ。
僕はわざと大きな音を立てながら神山の方へ走っていっていた。
「なんだありゃ!」「まさか、狼か!?」
「なんだってここに……」「さっきの犯人はアイツか!」「追い掛けろ!」「逃がすなァ!」
そんな男勝りな野太い声と共に、女性の騎士様への連絡よ!という声も聞こえてくる。
……いやいやいやいや狼出たくらいで騎士へと連絡なんかするのか!?
普段の訓練見られたら僕訴えられても仕方ないことしてるんだが。
クソッ、でもまぁ良い。
"餌"のところに録な騎士なんぞ来ないだろう。
そう思いながらも、マップを頼りに神山の奥へと進んだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「と、言うことがあったんですよおじーちゃん」
「そらまた災難だったなぁ」
『人間って大変だな。アルってアイツだろ?エルといつも一緒にいる』
『そうよ。あの子。……騎士ですかぁ……ちょっと厄介ですね』
『最近の騎士は限度を知らないからな』
「闇様達はなぜここに?」
おじーちゃんにちょっと相談しただけなのに、いつの間にかやって来ていたよく一緒にいる聖霊達が怒濤のコメント祭りをしていたので酸素が薄くなった。
まだ冬だけど暑苦しいから帰らないかな。
『その胡乱気な目を止めろ。……こいつらは兎も角、俺は忠告をしに来ただけだ』
『え、闇様も?俺たちもなんだ。なぁ?』
『ええ、聖霊としての嫌な予感が止まらないので、一応……と』
闇様の言葉に、シルクとモクが同意する。
モクは不安な表情でフリルのついた淡い色合いのピンクのドレスをいじっていて、シルクは黒いベストに黒い半ズボンを所在なさげにいじくっている。
……ん?
「あれ。二人とも今日は良いもの来てるね?」
そう、シルクは銀の癖っ毛を撫で付けて、ちょっとふんわりとした甘い見た目のショタになっている上、白い半袖カッターシャツ、黒いベスト、黒い半ズボンに黒いガーターでこれまた黒い長い靴下をパチンと止めている。
ガーターだと!?けしからんもっとやれ!
神秘的な美少年なのもあいまって、生意気な美少年がガーターを着けていると言うようにしか見えないなにそれ天使
モクは髪を緩くお団子にして頭の両側に括っていて、木の聖霊らしく多分ではあるが銀木星の花をお団子を囲むようにして身に付けている。
ぱっちりとした瞳には軽いアイメイクがされ、お団子に括った長く半透明なリボンが聖霊らしい神秘的な美しさを浮き彫りにしていて、ノースリーブのドレスはフリフリの甘ロリかとおもいきや右足に大胆にスリットが入っているという着る人を選ぶデザインにも関わらず着こなせている。
お嬢様みたいなフリフリした靴下をきっちりはいているところはむしろ色気さえも感じさせる。
いつもの孤児院の皆が着てるみたいな(いや僕もアルもたまに着てるよ。でも僕は一応神父という職業柄、アルは市街地に買い出しに行ったり交渉したりが多いから着ないだけ)シンプルなVネックのシャツに半ズボンかスカートなのに、随分エロくて豪華な服だな。
『そーそー、これも今回の忠告と関係してんだぜ』
『はい。これ実は私たちの卒業パーティのなんですけど、聖霊として至急自分が守護する場所を守るようにと号令が出てしまい』
『とんぼ返りしてきたんだ。そんで、人狼にも報告しておかないとってなってな』
闇様の方を見ると、闇様は嫌な予感がしたと言っていたのでこれは決定だろう。
卒業パーティの邪魔をしたのはすまないが、とりあえず話を聞いてみることにしよう。
『まぁ、内容は簡単だ。……ここから三年以内に、二人を残しこの孤児院は無くなる……っつーこった』
「……は?」
ふざけるな、と叫ぼうとして、記憶の奔流に巻き込まれてそれどころではなくなった。
鎖の魔法、共依存、餌の孤児院、金と赤、かつての相棒、赤黒い異端、神なる山、生き残った二人の子供……
『まさか、乙女ゲームの世界じゃあるまいし……』
『またぬるっと思い出すだろ……』
『僕の、相棒……』
そして……
前世で、見たことのある称号と、キャラクター
"鎖の魔導師" アルナルド
王候貴族の長男であり、八歳まで孤児院に押し込まれていた哀れな青年。
青年には、相棒がいた。
共依存ともとれる相棒への深い愛情は、目の前で死んだ相棒によって、魔物への憎悪へと変わる。
魔力だけがあって、とても無邪気で優しかったその相棒の名前は、エルベルト……僕だ。
アルナルドは、とうとう錬金術に成功する。
魂を練金するという、異端の業に。
アルナルドルートでは、とある少女に乗り移ったその魂……つまり、死者がライバルキャラクターとなる。
と、言うか、今まで異常にヒロインを邪魔してきた悪役令嬢の正体が分かるという真相ルートとなるのだが。
さて、ちなみになぜ邪魔をしていたかというと、恋愛がしたかったというそれだけだ。
ちなみに僕はあの乙女ゲーム全クリ済みだ。
で、なんか最後異常に悪役令嬢殺す役割アルが多いなーって思ってたらまさかのヤンデレだっただけだった。
アルナルド×エルベルトの小説が出てきたのも納得だよ畜生。
メインルートであるはずのアルナルド×ヒロインものより数も人気も多かったからおかしいと思ったよ。
ちなみに真相ルートは後回し派だったから沼に嵌まるのは遅れたけど沼にきっちりかっちり嵌まらせていただいたから。
同人誌買ってきてリビングで読んで悶え転がったのは良い思い出だ。
……さて、本題に戻ろうか。
『……大丈夫か?人狼』
「OK把握。大体いつ襲撃されるか察した」
『なにそれすげぇ』
その日はかなり疲れました。でも気疲れだったので翌日元気になって皆をひぃひぃ言わせました。
やっとここまで来た……乙女ゲーム公式のアルナルドの相棒はずっとエルベルトです。優先順位は最終段階で
エルベルト=自分>>>ヒロイン>>>>(越えられない壁)>>>>>>他人>蟻
です。エルベルトの性別は実は明かされず、一部の腐っている人たちはエルベルトゲイ前提からのエルベルト受けでした。でも真相は女子でした残念だったね。
男体の方も何時か作ろうかなと思ってます。




