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今回めっちゃ短いです
「やぁおはようアル。ところで何でまた僕の布団の上で寝てるのかなー?」
はーい神様皆様おはよう御座います。
今日も出来るだけのんびりまったりハイリスクハイリターンの禁呪とかを試していこうかとまた朝の四時に起きてしまいましたエルベルトです。
チュンチュンと朝を告げる雀の小さく愛らしい声がまた聞こえる。もう懐柔とかされないからこのむにゃむにゃしてる天使みたいなショタはお帰りくださると嬉しいのですが。
そもそもこの年代の子供って、いくら魔力があっても力の使い方を知らないから魔法使えるかなー?とか実験できないんだよやり辛い。
お世話とかも特にされなくても良いんだけどねぇ。子供じゃないんだから。
おっと。湖の件は忘れるんだ。べ、別に支えて貰うのは足がつかなくて溺れるとかじゃないんだからねっ!
……まぁ寝起きで働かない(いつも働いていない)役立た頭脳の言う通りにまた服の裾をきっちり掴んでいるアルを軽く揺らして起こそうとして見る。
「起きてよアル。動けないじゃん」
「んにゅぅ……」
起きないアルに舌打ちをした僕は悪くない。
何がんにゅぅだよ可愛いんだよ!
こいつどれだけ僕の心臓と毛根にダメージ与えるつもりだ畜生め!萌える!滾る!禿げる!
「ちょっとアル。ほんと起きてってば。」
「んんー……」
「起きろ」
げしっ。
なかなか起きないアルに流石にイラッとして、アルの脇腹を蹴ってみる。
う……と呻いたアルは、ぱっちりと目を開けた。
一回起きたら寝起き良いのに……
ふぅとつい口をついて出た溜め息はアルに聞かれていた。
「……今の、エル……?」
「そだよ?……なにその目。」
なついていた主人にいきなり裏切られたような顔をしたアルは、僕の平然とした顔を見て目に涙をためた。
……えっ?
「ちょ……えっ?」
「エル、は、そんなことしないと思ったのに」
じわじわと潤んでいくアルの瞳に戸惑っていると、アルはまゆをつりあげてさけんだ。
「もう知らないっ!エル何て出てけっ」
「いや君が出ていこうよ……ここ僕の部屋なんだけど」
半目になって反論する。いやここ僕が与えられた僕の部屋なんだけど……
というか毎朝ここに居られても困るって言うか……
そんな思いを込めて多少死んだ目で見つめていると。
やはり四歳。大人ぶっていてもすぐに目をそらし、怒ったように部屋を出ていってしまった。
……教会、行くか
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
しかし意外なんだよなぁ。
「アルってばこの数日で僕のこと信用してたのか」
まぁ、僕が驚いたことと言えばこれ一点だよなぁ。
男と女は秘密を共有することで仲良くなるとかなんとかどっかで聞いたことが在るんだよなぁ…今の僕らの事だろうか。
さっさっとそとの竹っぽい何かを鉄の棒で纏めたような竹ボウキ擬きを使って神の像前に落ちている枯れ葉とかを綺麗に掃除する。
朝の光が射した教会。昨日はもう一人いたのになぁと少し寂しく思う。
ふぅ、と大きな溜め息をついて、また掃除し始める。
ゆっくりと外の光は強まっていき、その光を使って逢わせ鏡と言う名の武器を片方だけ錬成し、どうすればこの武器を破れるか光の軌道を研究したり
人狼化をして教会の中を走ったり跳んだりして感覚に慣れてみたりした。
そして、これが今日のメインイベント!
「今のうちに特殊強化武器を錬成しておこう!」
特殊強化武器とは、普通の魔導師が接近戦の時に使うものである。
僕には人狼化があるから頑張れば要らないのだけど、やはり無いと不利である。
まぁ、接近戦の時に……とか言っているが、遠距離近距離中距離己の好みで形状を決めるものだ。
さて。僕はどんな武器にしようか。
なんか、教会の神父様が持ってそうな奴が良いなぁ。
先ず基本は白金でしょ?アクセントカラーに上品な金色があしらわれてるとか良いかも。
僕ゲームとかで片手剣か双剣使ってたし、人狼化の特徴を見るにどうやら僕は スピード系の人狼らしい。
てことは速さ全振りの双剣が良いかなぁ。
なら形状だけど、握りやすいのが良いなぁ……
僕の色であるくすんだ赤をどこかにいれたい。
ならレイピアっぽい片手か剣の方が良いか。
柄の部分に邪魔にならないよう十字架があしらわれ、蔓の神ナターシアの守護する色とりどりの蔓が根本に絡み付き、柄は上品な金、刃は白金だ。
そして、肝心のくすんだ赤は、十字架の中心にあるルビーのような魔結石が僕の赤なんだ。
もうそれだけで色々特殊効果も付属されるし、良くね?
よし決定これ決定!
気分良く鼻唄を歌いながら考えるために瞑っていた目を開けると、目の前に信じられないものがあった。
崩れているものの、荘厳な神の像。
その像の断面の中心に、僕が想像したあの剣が眠っていた。
ポカンと開く口。
なんっだあれ。なんでこんな思い付いただけの奴が選ばれた聖剣的に出てきてるの?、
寧ろあれなの?この状況普通なの?
つーかこのあとどうしろと。
そう疑問が思い浮かんだ瞬間、ぴいんと閃いた。
ぱっとほぼ無意識に手を上にあげる。
すると、一瞬で剣は眩い光に包まれ、そのまま消えた。
「!!!!???」
えっいいのあれ良い奴なの!?
放っておいていいの!?
ファンタジック過ぎることにかなり困惑していると、僕の手のひらの上に違和感が走った。
不思議に思い、当然見ると、
「眩い!」
先程と同じ光が手のひらの上に有り、それからリリン……とおとがなった。
すると、光が剣の形になり、柄らしき部分を握ると確かに感触がした。
光を払うように振ると、その全貌が明らかとなった。
……今さっきのだ。
試しに振ってみる。かなり軽い。
いろんなものを切ってみる。石が切れた。
あぁそうですか、切れないものはあんまり無いですかさいですか……。
いい加減怒濤の言が続きすぎてもう突っ込みが追い付かないよ。
取り敢えずアルのご機嫌取りはどうするか……
次の課題はアルナルド君のご機嫌取りです!




