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ゼロ ~心の在り処、涙を流す意味~  作者: 芦屋奏多
第6章
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最終話

 小屋の中に入ると、絵がたくさん飾ってあった。

 額縁に入れられ、タイトルが付けられていた。

『天使と悪魔』

『天国』

『不可能の象徴』

 一番奥に人の絵があった。あたしの絵だった。タイトルが入っている。

『女神』

 零。あたしは零を愛せてた? あたしの方こそ零を想えてた?

 あたしは小屋のソファーに零を寝かせた。小屋の中にあったイーゼルにキャンバスを乗せて下書きを始めた。零の輪郭、身体、足、全てを丁寧に描いていった。水彩画を描いた。上手く出来るかはわからない。あたしはゆっくり時間をかけて、描いていった。下書きが終わると、色を乗せていった。淡く零の頬を伝う涙を描いた。あたしは、空が明るくなるのも無視して描いていった。そして、色を全て乗せて、完成させた。

 その絵を『女神』の隣に並べた。タイトルを付けて書き記した。

『人間』

 あたしは小屋を出た。

 きっと街では騒ぎが起きているだろう。

 でもそれは終わりじゃないんだ。それはきっと始まりなんだ。

 あたし達は自分の足で歩かないといけない。

 微笑む『女神』、涙を流す『人間』、手を繋ぎ合っていた。


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