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ただいま

「ケンさーん!遅刻しますヨッ!」


「ぐふぅ!」


朝から無防備の腹にモーニングパンチをくらい目を覚ます


「なんだか最近起こし方雑になってないか?」


「私も学習するのです あと五分は聞き飽たので」


これから毎日 朝からパンチをお見舞いされると思うと気が重い


「自画自賛ってヤツですね」


「自業自得な」


自分で言うと少し情けなくなる


ニヤリとハナコが笑う

しまった!嵌められた!

これを言わすが為にワザと間違えたのか 何て腹黒い座敷わらしだよ…


ハナコに弱み(大切な友達と言った事)を握られてから ハナコのペースに巻き込まれている気がする

このままではいけない 何としてもハナコにぎゃふんと言わせたい

今日は土曜だ 仕返しをするには絶好だろう


というか 土曜なら遅刻も無いじゃないか!


「ハナコー!今日は土曜だから遅刻しないじゃん」


「あや?今日は土曜授業の日では?」


「…しまったー!そうだった!」


またハナコに借りを作ってしまった

8時10分 本気で走ればまだ間に合う


「何で土曜授業まで知ってんの?」


「昨日 ケンさんが明日に持ち越しって言ってたじゃないですか」


「そうだっけなー」


そういやそうだった気もする


ハナコのおかげで今日もギリギリ間に合った


「翠おっすー」


「おはよう よく土曜授業 覚えてたわね」


「ま、まぁな!それより昨日聞きそびれた事だけどさー」


「東高七不思議の話?」


「そう、それの一つツキコさんについて詳しく教えて欲しいんだよ」


「ツキコさんは 満月の夜 学校に出る幽霊。長い黒髪で 和服姿の子供らしいわ。まだ被害は出ていないらしいけどここ最近目撃情報が絶えなかったのよ」


長い黒髪に和服の子供…やっぱりハナコじゃないか?


チラリとハナコの方を見る


「だから違いますってば!憑いた事ありませんし やったといえば 鬼ごっこくらいです」


「鬼ごっこ?」


「私が鬼で生徒が逃げるんです」


もしや、これは?


「なぁ 翠他に情報は?」


「姿を見た生徒は "私が鬼ねー"と言って一晩中追い回されたらしい」


「やっぱりハナコじゃん!」


「ええええええっ!? 私 この学校の七不思議なんですか!?」


本人が一番驚いている


首をかしげる翠 状況を説明する


「やっぱり私合ってたのね 」


どうも翠がハナコ見えないと会話が面倒だ


「なぁハナコ 霊を見えるようにする方法って無いの?」


「ありますよ 霊に憑かれれば見えるようになります」


仲介媒介 面倒くさい!翠には是非霊感をつけて頂きたい


「ハナコが憑けば 翠も霊が見えるようになるそうだが?」


「そうなの?でも祓魔師が憑依されるのって…」


全く同意だ だが俺としては会話が本当に面倒だ


「これからのことを考えると見えた方が良いと思うが?」


「うーん、何かあっても怖いし…」


最後の一押し それっぽい言葉


「大丈夫だよ 何も無い。俺が保証する」


と まぁこんな感じで

しばらくの間ハナコが翠に憑く事になった


おかしい。ハナコが離れたのに肩が重い


「それは ただの肩こりですね」


とハナコ

本人いわく肩の重さはこの世の未練の重さだそうだ だったらハナコはほとんど未練が無いのだろうか まぁ記憶がなかったなら仕方ないか



ハナコが居ないとやけに静かに感じる。まだ出会って1週間も経って居ないのに 一人ぼっちが懐かしく 少し心細い

いつか ハナコの記憶が戻ったら こんな日が来るのだろうか?

だったら だったらいっそ記憶なんて戻らない方が…


「嫌な奴だなー俺」


ボソリと呟く。

授業が終わり 家に帰る


今日の晩御飯はコロッケだった。

大好物のはずなのに なんだか物足りない

結局その日も次の日曜日もぼーっとしたまま終わってしまった。


月曜日の朝。目覚ましで起きる つもりが案の定 寝坊

8時20分

これは間に合わないかも知れない

ともかく急がないと!

月曜から遅刻とか萎えるな〜


登校途中で偶然 翠に会った


「ハァ、ハァ、おっす〜翠も遅刻か?珍しいな」


「まぁね」


息を整える


「どう?見えるようになった?」


「ハナコさんのおかげですっかり これはお返しするわよ」


「持ち物みたいに言わないでください!」


とハナコ。


「おかえりハナコ」


「た、ただいまです ケンさん」

最後までお読みくださりありがとうございます

ちょっと最近忙しく 更新が遅れてしまいました

何卒ご勘弁ください


最近は ただいま と おかえり を言う家庭がすくなくなって来ているそうですね

母から聞いた話ですが、言霊というものがあるらしく おかえり ただいま ありがとう いただきます 等々の言葉には魂が宿っているそうですよ(`・ω・´)

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