ひな祭り
この話はかなり苦労しました。
3月3日
それはある世界ある惑星のある国の風習というのだろうか、『ひな祭り』という日は女の子にとって大切な日だそうだ。その国の昔の暦での3月3日の桃の節句ということらしい。
ただこのオレが今生きている世界ではそんな風習はない、多分ない。でも女の子用のイベントというものはどの世界でもあるらしい。
そのイベントというのが女の子の健やかな健康を祈って美味しいもの食べるだけ。あんまり前世のあれと変わらないわ。
折角だしオレも何か作ろうかな?日本でひな祭りって何やってたっけ?食べ物食べたっけ…う~ん全然思い出せない…妹の時のやつも雛人形の小さいの飾っただけだった気がする…
はぁ、んじゃ雛人形作るか。土魔法で…いや、でもなぁー。
ンーウンー?ダメだ…そんな技術力をオレは持ってない…
☆☆
ウー、もう雛人形はいいや、ソフィの為に美味しいもの作ったげる方がいいや。
なにつくろーなにつくろー春らしいものつくろー
ということで、春野菜を使っての天ぷらと蛤のお吸い物を作ろう。
んじゃさくっと買ってくるか。
「母さん~ちょっと買い物してくるー!」
「はーい!お金はもってるー?」
「だいじょうぶー!んじゃ行ってきまーす!」
よし。それじゃクローネ母さんにも伝えたことだしペリメ八百屋とブセナルド魚店に行きますか。
☆☆
よしよし、材料は買えたかな。
それにしても蛤でかいな、小さいホタテぐらいのデカさあるぞ。
まぁいいか大は小を兼ねるって言うし。
早速取りかかろう。
☆☆
できたー!
いやー蛤から砂抜きするのに一番時間がかかった。あと灰汁取りはだるかったけど、苦労して作ったものは旨いって言うしオレは頑張った!
後は皆、特にソフィに食べてもらうだけだ。
「さて、じゃあ食べようか、ガルゥが作ったんだ。さぞ美味しいだろうな」
セドルがこっちを見てそう言う。それに対しオレは愛想笑いを返すことしか出来ないんだけど…
「じゃあ手を合わせて」
セドルの掛け声…
「いたただきます!」
テレイゲル家とチヨクス家の声が重なる。
「ウマーイ!さっすがガルゥ!」
「オイシー!」
皆が口々にオレの料理の評価をしていく、ダグラン師匠は黙々とてを動かして絶えず口に何かを放り込んでいる。
ソフィは何も言わずオレに輝く笑顔を見せて再び食事を再開した。オレは…この笑顔の為にこの料理を作ったんだ。ちゃんとソフィの健やか健康を祈ったぞ!
この世界と地球の女の子全員に健やかな健康を…