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第九話:出陣

天気・・・晴れ

今日も元気にパソコンと格闘中

クレーム電話に悩まされながらも、今日のノルマは終了

やっと仕事も終り、会社を後にする


待ち合わせ場所につくと、あずさは既に到着していた。

俺を確認すると少し背伸びをしながら大きく手を振っている…

金曜日の夕方という事もあり、結構な人ゴミでなかなかあずさの元にたどり着けない


やっと辿り着いた頃には持っていた紙袋がボロボロになっていた

「待たせて悪い。その会場ってここから近い?」

ネクタイを少し緩めながら、あずさを見る

ふんわりとした黒いスカートに白いジャケット

小さな十字架のネックレスが首元で揺れている

いつもとは違う雰囲気に少し戸惑ってしまう

「お仕事お疲れ。お店はすぐそこだよ」

本当に楽しみなのか、ニコニコ笑いながら俺を見る

「じゃぁ行こうか。」

持っていた紙袋をあずさに押し付けるように渡すと、不思議な顔をして俺を見上げる

「なに?これ」

頭の上に?マークがいっぱい浮かんでいる。

「後で開けてみな」

ポンと頭に手を乗せ、店に行くように指示をする

まだ疑問が残ったような表情で、それでも俺の横にぴったりとくっつき店までの道を案内してくれる

「ここだよ」

そう言って指を差したのはどこにでもあるような居酒屋

店の前に女の子が立っていて、あずさを見ると駆け寄ってきた


「あずさ〜〜!!」

同級生なのだと思われえるその女は、あずさの隣に来ると上から下まで俺を舐める様に見てくる

…とても不快だが仕方ない

店に入ればもっとみられるだろう…

ここは我慢

「由真〜!!久し振り。元気だった?」

お前ら何歳だ?と聞きたくなるほど子供みたいに飛び跳ねている

この由真と呼ばれた女は、高校3年間同じクラスだったらしく嬉しそうな顔をしている

見た目は可愛い系のあずさとは違い、胸元まである茶色くウェーブのかかった髪

少し釣り目で、綺麗なグラデーションが目元を彩っている。

美人というよりもかっこいい感じだ

165cmはあるだろう身長に少し着崩した黒いスーツが大人っぽくて、働く女性という雰囲気が漂ってくる


話が終わったのか、周りのネオンを眺めていた俺の袖をあずさが軽くひっぱって

「ごめんね。行こう」

そう言って入口のドアに手をかけた


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