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オープニング2
「ククク……ハーッハッッハッハ!」
崩れかけた魔王城にて、高笑いが響く。
勇者と魔王が戦い、互いを消し去りあった日。
高笑いしていた者はゆったりと、玉座へと歩んでいく。
「我が手の中で、よくもまぁ踊ってくれたものよな」
瓦礫を蹴り飛ばし、玉座へ座る。
「さぁて。邪魔物は全て消した!今こそ!」
号令をかける。
瓦礫の山から、無数の影が飛び出していく。
新たな脅威が、世界を覆う。
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綺羅びやかな、しかし不快にならない落ち着いた部屋にて。
寝台に蹲り、声を殺して泣く少女。
「姫様……」
部屋の扉近くに待機する、一人の青年が声をかける。
「わかっていますわ……!ですが今は……ドラゴ……っ」
青年は拳を固める。
手のひらから、血が流れようと。
--ドラゴ!姫様を泣かすとは……!
もう、届くことはないだろう。
それでも、想うことは止められない。
それほどまで、ドラゴと呼ばれた者は想われていた……。
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オープニング終了。
人物紹介を経て、一話に移ります。
次回は一週間後です。宜しくお願いします。