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scene7 イカれたメンバー

自主トレ、いつものメニューを熟して最後の瞑想に入る。


先日の戦いのことを思い出す。

忍者に手玉に取られ、訳も分からずに性剣をコジレモノの乳首にこすりつけ、挙句の果てによくわからんものをぶちまけてしまった。


自分で何を言っているのかさっぱりだが、一つ確かなことがある。

性剣からぶちまけたあの瞬間。僕は確かに高揚感を感じていた。有体に言ってしまえば気持ちよかったのだ。

一体あれは何だったのだろう。


そして、直感的にアレは習得出来うる技術だと思っている。

というか、習得しないと僕の心労が溜まる一方なのだ。


戦後の処理である。現場の修繕や被害者の搬送等は部長が何とかしてくれているようなのだが、性剣の掃除は僕が行っている。部長曰く「性剣には自浄作用があり、特に何もしなくても大丈夫」と言っていたが、そうじゃない。気分の問題なんだ。

バケモノの尻にねじ込んだモノをそのまま鞄にしまいたくないんだよ。

だから毎回トイレで洗剤を使って洗い、自前のアルコール消毒液を吹きかけ丁寧に消毒までしている。


しかしあの技ならば。直接奴らの尻に剣をねじ込まなくて済む。

あの時の感覚を思い出す。忍者によって至った境地、記憶を頼りに耳朶の震えを呼び起こす。

下腹部に重く溜まる衝動。パンツが煩わしく感じる感覚。


っく、ダメだ!何か足りない、いっそのこと全て脱ぎ捨てて修行しようか。

そうだな、それがいい。

衣服を脱ぎ捨て、集中する。もう少し、剣を握って振るイメージ……

ふむ、実際に何か掴んだほうがいいな。手近にあった固く屹立したモノを掴む。


意識を集中して、剣を振るように……ぅくっ!おっぉお!


ふぅ、いけない。汗が……ティッシュで拭かなければ。

もっと高クオリティな修行をするために、忍者ASMRの購入を検討する必要があるかもしれない。

より強くなるための思考を続けながら、瞼を閉じた。


__________

「はい、というわけでね。性研部の部活動を行っていくよ」


放課後、いつもの部室に呼び出された僕の前には部長のほかに2名、知らない顔がいた。

一人はビデオカメラに見える仮面を付けている。というかまんま映画〇棒だ。顔が伺えないが、体つきからおそらく線の細めな男子。

もう一人はこの場に似つかわしくないほどの美少女。銀糸のようなミディアムヘアの表情の乏しい儚げ女子だった。

二人は部長の席の前に、机を向かい合わすように配置し静かに着席している。


「とりあえず新人を紹介しよう。馬並 大(うまなみ だい)君だ」

「え、急ですね!?えぇと、馬並 大です。1年C組で中学ではテニス部でした。よろしくお願いいたします。」


「もっと情熱的な自己紹介でもいいんだよ?そんなんじゃ皆、君を認めてくれないぞ?まぁいいか。次にイカれたメンバーを紹介するぜ!!」


いきなりテンションの上がった部長がエアギターを掻き鳴らして映画泥〇を指さす。


「我が部のネットワークセキュリティ担当、法律相談もお任せあれ!一瞬のスキを、そのレンズは逃さない!匿名希望の『華麗なる盗撮魔』くんだ!!」


「いや犯罪者か!?絶対ヤってますよね!?だめですよ!」


「今は確か、性欲発散方法の追求段階だったね。後で進捗聞かせてくれるかい」


盗撮魔くんは無言でうなずく。

彼のレンズがこちらを向いたので、僕も軽く挨拶して彼に向けて言っておく。


「盗撮、ヤっちゃダメですよ」

「!?なぜわかった……?」

「まんま過ぎますって!!誰でもわかりますよ!!」

「脅すつもりか……分かった。俺にできることなら協力しよう」

「脅してない!!」


なぜか心強い協力者ができた。

そして今度はエアドラムを叩く部長が、もう一人を指さす。


「我が部の紅一点にして現場修繕担当、全米を震撼させた奇跡の顔面偏差値!地上に舞い降りた女神、その神秘の瞳に狂わない男はいない!性研ネーム『ギガボトム・ヒップバーン』さんだ!」


「『ギガボトム・ヒップバーン』!?ていうか性研ネームってなんですか!?」


「ギガボトムさんはまだ自己性癖の解明段階だよね、焦らずしっかり考えてね」


ギガボトムさんはうなずいて返答する。

ちらりとこちらを向いて目が合った気がしたので、盗撮魔さん同様に挨拶をする。


「あ、えっと……よろしくお願いします……」


無表情のギガボトムさん、ふと気づいたように自身が掛けている椅子を僕の隣に寄せてきた。


「失礼します~ご指名ありがとうございま~す。ギガボトムでぇ~す、『ギガちゃん』って呼んでねぇ~」

「え!?ご指名?急に何ですか?あと棒読みすぎませんか!」

「ご新規さんよねぇ~?こういうとこはよく来るのかしら~?」

「確かに新規だけど!表情とセリフが一致してなくて怖いんですよ!」

「アタシもぉ~飲んでいいかしらぁ~?」

「ほんとに何なんですか!!?所作がガチっぽいのドキドキするんでやめてください!!」


耳元で吐息を吐かれたり、太ももを撫でられたりで危険が危なかった。

あとギガちゃんの表情と声色はまっっっったく変わらないのに、雰囲気と所作がガチすぎて違和感がしかない。

欲望と恐怖心が競ってギリ恐怖心の勝ちだった。


「マニュアルにない言動。ということは、お前イタ客?」

「マニュアル通りだったんですか!?あと客じゃないです!」

「スタッフ、こいつ追い出して」

「追い出さないで!?僕は新入部員!後輩ですよ!!」


部長に向かってスタッフと呼びかけるこの女性(ひと)。もしかして僕の緊張を解すために……?

陶磁のような白い肌に少し眠たげな目元。

誰が見ても美少女なギガボトムさん、僕の青春が始まったのかと期待した。

部長の一言があるまでは。


「ギガボトムさん、馬並くんは後輩だよ。『お客様マニュアル』じゃなくて『クラスメイトマニュアル』で接してあげるといい」

「ん、了解」


ギガちゃんはさっきまでのベタベタ距離感から席を戻して、スマホを弄りだしてしまった。

名残惜しさに思わず声がこぼれた。

視線だけをこちらに向けた彼女は冷たく、もう僕に興味がないことが肌で分かった。


「挨拶は済んだようだし、各々活動を進めてくれたまえ」


部長が締めて会議の様相が終わり、他二人は宿題やスマホなどで自分の世界に入ってしまった。

今後、この人たちとやっていけるだろうか。そんな不安から、今日の部活にはあまり身が入らなかった。

盗撮魔くん 1年生。自分の性癖は理解できているので発散方法の開発、研究中。法律に触れない合法的な盗撮を目指している。


ギガボトムさん 2年生。自分の性癖を究明中。某サイトのジャンルを順に閲覧したりしている。

愛称は『ギガちゃん』。



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