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scene6 何奴!

2025/12/16 タイトル修正

「勇者には慣れたかい?馬並くん」


放課後の部室。変わらぬ調子で部長は言った。


「えぇ、ボチボチです」

「ふむ、多少余裕が出て物事が冷静に見えてきている。いろいろと気になってきた所かな?」


図星だった。勇者、性剣、コジレモノ。なぜそんな物がと理由を知りたいと思っていた。


最初の説明では、確か……

コジレモノは己の強すぎる性癖を発散できずに暴走している状態の人間。

性剣テンガルドはコジレモノの拗れた性癖を理解すると抜刀でき、挿すことで元に戻せる。

勇者はその性剣を抜くことができて、コジレモノをもとに戻す役目。


「教えたことは覚えているようだね。なぜ我が校の人間がコジレモノとなってしまうのか、実は詳しい理由は解明できていないんだ。期待に沿えずすまない」

「我々は万年人手不足でね、根本の究明に動いているのは数名だけなんだ」


「性研部の人たちですか?何人くらいなんです?というか部長以外の人を見たことないんですが……」

「僕を含めて3人かな、みんなシャイでね。そのうち顔合わせの場を作るよ」


さて、腰を上げた部長が時計を見上げる。16時50分。

下校時間にはまだ少し早い。運動部の掛け声がまだ聞こえる。


「馬並くんはすぐに勇者を譲渡したいことは知っている。でもね、1ついい事を教えよう。その剣に触れている間は身体能力が向上するんだ。恒久的にね」

「それって、どういう……?」


部長のグラサンが西日を反射する。いつものようにニヒルに笑みを浮かべ言った。


「名は体を表す。馬並くんの相棒が、文字通り()()()になるかもね」


それはちょっと、いやかなり嬉しいかもしれない。

決して僕の相棒が小さいわけではない。平均的サイズだ。それゆえに、大きな相棒への憧れはある。

なんとなく、もう少し勇者してみてもいいかなと思い始めていた。


__________


部長からもたらされた情報に、モチベーションが上がった翌日。

例によってコジレモノが出現した。しかし、今回の現場は以前と変わったところが二つ。


一つは部長が不在であること。どうやら別件でこちらに来れないとのこと。今の君なら大丈夫だろうと何の根拠もなく一人で現場入りさせられた。許さん。


二つ、コジレモノの傍に小柄な人影があった。学校の非日常的な現場において、殊更に浮いている格好だった。黒づくめ。黒い頭巾に黒い手ぬぐいで顔を隠し、黒い装束を纏っている。フィクションでしか見たことないその姿、まさに忍者そのもの。


忍者は僕に気が付くと手を振り、親しげに話しかけてきた。


「キミが勇者の馬並 大クンだね?へ~一年かぁ!すごいねぇー!」


中性的で若々しい声色、装束もゆったりとしたシルエットで性別の判断がつかない。

視線だけで辺りを見回す。

現場に破損は見られず、忍者とコジレモノが争った形跡はない。むしろ立ち位置的に忍者がコジレモノを従えているように見える。

忍者と目が合うと、背筋にぞくりと冷や汗が垂れる。

その瞳に嗜虐の色が浮かんでいるように感じた。僕の直感が告げている、忍者は味方じゃない。

でも、敵かどうかの判断もまだできない。とりあえず現状確認だ。


「忍者さんは、性研部の人ですか!?」

「性研部?違う違う、ボクはそんな変態クラブにはいってないよ~」


ごくりと唾を飲み込む。性剣を手に取り、直ぐにでも抜けるように構える。


「……じゃあ、敵……ですか?」


「んふふ、どっちだと思う?」


にんまりと忍者の目尻が垂れる。ゆらりゆらり、忍者の輪郭がぼやけたと思ったらすぐそばまで距離を詰められる。

耳朶に入り込むような、淫靡な声で囁く。


「もし敵だったら、勇者クンのコレでヤられちゃうのかな~?」


細い指が僕の手の甲を滑り、性剣を握る。ゾクンと下腹部に重たいものを感じた。

鯉口から涎が垂れ、あっけなく剣が抜かれる。


「もうヌいちゃったんだ~?ンフフ、でももっとかっこよくできるんだよ?ボクが教えたげる」

「ババア”モ”エ”ェ”ェ”ェ”!!!」


コジレモノが腕を振り回しながら突進してくる。

背後に周った忍者が、僕の腰、肩、肘と順番に触れると腕が勝手に振りぬかれた。

振りぬいた性剣でコジレモノの攻撃を弾くと、体勢が崩れ大きなスキができる。


「強いねぇ♪男らしい感じがして素敵だヨ♡次は弱い所イジめてみて」


耳元で囁かれる言葉に脳髄が震える。下腹部が窮屈になってくる。

忍者が指さす先にコジレモノの膨張した胸部があった。


性剣の切っ先で触れる。コジレモノがピクリと動きを止める。

さらに触れる。コジレモノはピクピクと全身を弛緩させる。


「んっ!すごい……勇者クンの性剣、固ぁ……!」


忍者のR18ASMRをBGMにただ、剣を振る。

触れる。触れる。触れる。コジレモノの口角が上がっていき、恍惚とした表情へ変わっていく。


「あっ……やっ……はうっ……!いいよ、その調子だよ」


「もう出るの……?勇者クン、我慢できない……?いいよ、出して!濃いのいっぱい出してぇ!!」


いつの間にか倍以上の大きさになった刀身からビキビキとオーラが漏れ、切っ先へ昇っていく。

収束したオーラが白く輝き、噴水のように射出される。


「ヴあ”ぁ”ぁ”……!」


オーラのシャワーを浴びたコジレモノが浄化され、ゆっくりと倒れた。

出し切った性剣は元の大きさに戻っている。

全身にとてつもない疲労感が満ちて、力が入らない。

僕も倒れてしまい、意識も保てそうになかった。


「すっごい良かったよ、勇者クン。またね」


忍者の言葉を最後に、僕は意識を失った。

ノクタァァァァーン!!!!

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