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1-4 ある意味の敗北

ロボットは銃剣(剣モード)を手に持ち妄想獣に近づいていく。

妄想獣は何か意味があるのかやはり無いのかかばんを振り回している。


「学生の姿をしているってのに知能が低いなんてかわいそうだぜ」

「今のあいつは怒りと言う感情に身を任せ暴れているだけですね」

「やはりただの怪物ってか。しかしヒーローになる道具としては最適だ」

「そうですね。少し考えれば簡単に倒せるかもですよ」

「かもじゃなくて、確定事項なんだよぉ!」

「ですね♪」


二人は妄想獣の現在の様子を見て笑いながら会話する。

一見、楽観的に見えて冷酷な会話を。


「じゃぁ、行くぜ!」


その発言とともにロボットは宙高く飛び上がる。

そして意味も無くかばんを振り回す妄想獣の上へと落下する。


「うおりゃぁ!」

「邪魔っじゃまぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


妄想獣の頭に銃剣(剣モード)が突き刺さった。

妄想獣の頭から青緑の液体があふれ出す。


「へっ、どうかね。これはきいただろ。」

「油断と言うものは禁物ですよ」

「それもそうだ、なっぁと!」


銃剣(剣モード)を妄想獣から引き抜き再び同じ場所に深く押し込んだ。


「じゃっじゃまぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!」

「どうだ……なんかヒーローらしくないなぁ~」

「しかし勝つためにはこれしか方法がぁ」

「まぁいかしかたあるまい」


そう言いながら銃剣(剣モード)を抜いては入れ抜いて入れを繰り返す。


「うるさぁぁぁぁ!じゃまぁぁぁぁ!」


妄想獣は痛がり暴れまわる。


「て言うかこれでもまだ倒れないのか……タフだな」

「弱点を見つければいいかもしれません」

「弱点……ね……」


銃剣(剣モード)を抜き取り、健一達は妄想獣から少し距離をとった。


「弱点なんて簡単さ……」


銃剣(剣モード)から銃剣(銃モード)へと変形する。


「いまぶっさしてた傷跡にうちこみゃいいんだよぉぉ!」


銃剣(銃モード)の銃口に光がたまっていく。


「消えろ、落ちぶれた学生の妄想!」


その大声とともに、銃口にたまっていた光が妄想獣の傷口に向かい発射された。

傷口に入り込むように細く尖ったような光が妄想獣に向かう。


「じゃまぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!う、うるさぁぁぁぁ!」


妄想獣の傷口から妄想獣の体内に侵入した光は体内で膨張を開始した。


「邪な妄想は現実になりえないほうがいいってな」


健一がそう言ったとき、何も喋らなくなった妄想獣は音も無く消滅した。


「俺達の完全勝……うむ……なんだか、体が……だるく……」

「あ、精神……力が……尽きてきて……」


二人の意識はそこで途切れた。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「ん、んん?」

「気がつきましたか」


見慣れた玄関。


「家か……」


ここは健一の家の玄関である。


「あの後……どうなったんだ?」

「精神力が保てなくなったせいでロボットが消えて、出現させた場所である家の前で気絶していたようです」

「気絶……ね……」


そう言いながら健一は起き上がろうとする。そんなとき。


《ポニュ》



「ん、あ、ああ?!」

「大胆ですねぇ~」

「な、なっ。なぁぁぁぁぁぁあ!」



その時再び健一の意識は途切れる。




次回に続く

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