1-2 頼られるものに
「……はっ!誰だよお前は!ここは俺の家だぞ!」
少しの間黙っていたが、少女が無断侵入者であると言う事を理解し
健一は少女に怒鳴った。
「そして私の家でもあります。」
「何を言ってんだよお前は!」
健一は、予想外の返答に困惑していた。
ここは自分の家である。この少女の家ではない。
「いえ、ここはあなたの家であり私の家。それは事実なのです」
少女は再び健一には理解できない言葉を喋り続ける。
「いや、だって俺はこの家で一人で暮らしてきて……」
「そうですね。私もこの家で一人暮らしでした」
更に少女は意味が不明な言葉を続けて発言している。
「いや、だからさ。色々矛盾があるじゃないか、それじゃあさ」
「矛盾はあるのは当たり前です……私も母から少し聞いただけで、今の状態には少し驚いてる感じです」
少女の言葉は健一を困惑させていく。
「母親から聞いたとか何とか言ってるけど、俺、理解ができない。どういうことなんだ?」
「そう、ですね……っ!どうやら説明をしている暇はなさそうですよ」
「は?どゆことだよ?」
〔ドゴッ!〕
家の外から何か大きな音が聞こえる
「うぇ!うぇ!?な、な、なに!?」「具現化しましたか……」
「ぐ、具現化ってなにさ!?て言うかこれってまさか!」
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外に出ると大きな怪物が町を破壊していた。
「な、な、な!」「実物はこんなものなのですか!私も驚きです!」
怪物を見て二人は驚き戸惑っていた。
「……はっ!こんなこと言ってる場合ではありませんでした」
少女は驚くのをやめ、落ち着いた表情となり健一のほうに近づいていく。
「さあ、速く【想像】をしてロボットを【創造】しましょう!」
「は?!そ、想像?創造?何の事よ?!」
「何も知らないんですか!?とにかく想像してください!ロボットを!」
「ろ、ロボットを?」
そういわれた健一は混乱状態ながらも【自分の考えた最強のロボット】
と言うものを想像した。そして腕につけたままだったブレスが光だし
そして健一は気を失った。
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「っ……ん?んん?どこだここは……」
「操縦席ですよ。操縦席。」
「あれ、名前も知らないかわいこちゃん。て、あれは現実なのか!?」
「かわいこちゃん……じゃなくてですね!今は緊急事態なんですよ!」
「緊急……てかこの俺の今いる場所って……」
「ここはあなたの想像したロボットの操縦席ですよ」
そう、健一には今いる場所の事がよくわかる。
自分が考え抜いたロボットの操縦席そのものなのだ。
「そうか……そうなんだ!俺はこれでヒーローになれるんだ!」
「そうです……人々に頼られる存在に……ヒーローになれますよ!」
二人はヒーローになりたいと言う願望を持っている。
人々に頼られる存在ヒーローに。
「だから今は目の前にいる【妄想獣】を倒すんです!」
「お、怪物の名前か!よし!町を破壊する悪を俺が潰す!」
ここから、ヒーローになりたい二人の物語は始まる
続く