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もう遅い⁉︎いまさら幼馴染が好きってわかったのに…  作者: 猫の集会


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3/6

二人って…

 莉菜って…ずっとオレに片想いしてたんだよね?

 

 オレのこと好きなんだよね?

 

 でもさ、なんであんなに石野くんと仲良さげなわけ?

 

 なんで、そんなに目尻下げて笑うの?

 

 

「莉菜、なにしてんの?」

 

 思わず、莉菜と石野くんの間に割って入った。

 

 莉菜は、さっきまでの笑顔を失い

「石野くんと話してるんだけど、なんかよう?」

 と、冷たくオレをみた。

 

 莉菜は、いつもオレにだけ冷たくない?

 

 まあ、基本莉菜は淡々としてるっていうか、あんまりキャピキャピは、してないけどさ…。

 

「あの…バイトさ、今日五時からだって。」

「いつもの時間じゃない。」

 またも冷たい視線…。

 

 なんで?

 

 なんでそんな顔するんだよ。

 

 さっき石野くんに向けてたみたいに、オレにも笑顔向けたらどうなんだよ?

 

 ツンデレってこんなに難しいのか?

 

 あ、人前ではツンなのか?

 

 今まで付き合った人もいまいちわからなかったけど、莉菜もよくわからない。

 

 むしろ知りたい‼︎

 

「石野くんだっけ?どこの石野くん?」

「え?どこのっていうか、オレはキミと同じ二組だけど…」

「え?オレと同じクラス?ところで、莉菜は一組なのに、なんで二人は知り合い?」

「委員会だけど?てか、透…ひまなの?」

 

 ひま?

 

「いや、ツンデレ莉菜の観察だ。」

「は?キモいからあっちいってよ」

 

 軽く腕を押された。

 

「やだ♡ボディタッチとか、積極的〜♡」

 

 オレのテンションとは真逆の顔をしてくる莉菜。

 

 それをじっと真顔でみつめる石野くん。

 

 

 …

 

 なんだよ、これは。

 

 ま、所詮は真面目なつまらない普通顔の、高身長でもない石野くん。

 

 こんな人は、放っておきましょう。

 

 

 こうして、二人を放っておいたら…

 

 

 …

 

 え?

 

 

 えええっ⁉︎

 

 数日後…

 オレは、自分の目を疑った。

 

 

 右目も左目も疑った。

 

 

 なんでだよ?

 

 なんでまた、二人で話してるんだよ?

 

 委員会って、二人しかいないの⁇

 

 

 え?この世界って人間少ないの?

 

 なんで、こんなに数多くの人が存在しているのに、あなたたちは二人でいるわけ?

 

 

「あのさ、委員会って二人しかいないわけなの?」

 二人に近づいて不機嫌に質問した。

 

 

「そんなわけないじゃない。てか、なんでよ?」

「なんでって、二人で話してるから」

「それは透に関係なくない?」

「あるよ、オレは幼馴染なんだかんな?」

 石野くんが、えっ?みたいな顔をした。

 

 その顔をオレはチラッとみた。

 

 まぁ、石野くんなんてどうでもいい。

 

「莉菜、話がある。こっちきて」

「え、やだ。」

「なんで?」

「だって今、石野くんと話してるし」

「あ、どうぞ行ってきていいよ」

 

 …

「ほら、磯野くんだってそう言ってんだろ」

「いや、石野です」

「あー…行くぞ莉菜」

「あのさ、最近なんなの?透おかしいよ?」

「いや、おかしいのは莉菜だから。」

 

 そこでチャイムがなった。

 

 …

 

 オレはムスッとしたまま、一度石野くんをチラ見して、そのあと莉菜も見て教室へとズカズカと歩きながら戻った。

 

 ったく、なんなんだよ‼︎

 

 ツンデレのくせに、ぜんっぜんデレが出てこねーじゃんか‼︎

 

 石野くんには、デレなくせによ‼︎

 

 

 あ、どうでもいいやつには、デレなのかもしれないな。

 

 あー、そういうことか。

 

 莉菜が石野くんを好きになるわけないし、あの二人がどうこうなるわけ、これっぽっちもないよな。

 

 そうだ、放っておこう。

 

 

 二人が一緒にいても放置していた。

 

 しかし…

 

 放置できない出来事が起きてしまった。

 

 …もうパニックやんけ‼︎

 

 

 な、なんであの二人が一緒に帰ってるん⁉︎

 

 

 慌てて近づいたよね。

 

「え、委員会って学校外でもやるの?」

 って二人に詰め寄った。

 

 莉菜は、なに言ってんの?みたいな表情で

「そんなわけないでしょ。わたしたち付き合ってるんだから、放課後デート」

 と、意味のわからないことをほざきだした。

 

 え?付き合ってる?

 

 ん?

 

 

「莉菜って、彼氏いらないんじゃなかったっけ?」

「あー、そんなこと言ってるときもあったかもね。でも、今は違うの」

 

 

 …

 

 

 なんじゃそりゃ⁉︎

 

 

 てかさ、莉菜ってツンデレで…ずっとオレのこと好きだったんじゃないの⁉︎

 

 

 なんでいきなり石野くんと付き合いだしたの?

 

 意味わからん… 

 

 

「莉菜…喫茶店のバイトって恋愛禁止じゃなかった?」

「そんなのあるわけないじゃない。アイドルじゃないんだから」

 

 

 …

 

 オレは頭の中が一気に真っ白になった。

 

 脳内に降り積もる雪…

 

 な、なんで…

 

 莉菜…なんで石野くんと付き合ってんだよ…

 

 

「莉菜、それは浮気だろ」

「意味わかんないから。そもそも透は、ただの幼馴染だし、わたしは石野くんが好きなの。だから、ほっといてよ」

 

 …

 

 石野くんは、莉菜にそんなことを言われて、とても照れている様子がモロわかりだった。

 

 

 …油断した。

 

 完全に油断していた。

 

 

 しかし‼︎

 

 オレの方がかっこいいんだし、すぐさま石野くんから莉菜を奪ってやるぜ!

 

 

 続く。

 

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