表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/107

第101話 ゴーレム、所望する

ご来店いただき誠にありがとうございます。


少し長くなりました。

 木葉を起こしてから柘榴の本体を収納した一行はウェイヤスが呼び出した輿に乗せられると、下層をパスして最下層ボス部屋までやってきた。輿で登れる城とは何だろうと思ったが深く考えることはやめたようだ。だってダンジョンだし。


 天守最上階ボス部屋前にポータルの片割れが設置されているのを見た木葉達はほんとコイツはという目で柘榴を見るがドヤ顔で胸を張られた。


 ため息をつきながらボス部屋に入ると広間の奥に小部屋があった。高欄を回った時には小部屋のような空間などなかったはずだが、ハリスなどはやはりダンジョンは出鱈目だといっそ感心していた。


 小部屋に入っていった四天王が茶道具を持って来て鎧武者がお茶を点てるというシュールな光景でもてなされた。日本人勢は目を白黒させていたが、インド勢はなんか間違った日本観を植え付けられているような気がする。


 別れ際には椎茸の断面のような目でウェイヤスに魔石充電式音源の製作を念押されて仕方なく了承すると、一転タヌキ顔を晴れ晴れとさせて皆にお土産を渡して見送ってくれた。


 そしてダンジョンから出ると、待ち構えていた怖いおっさん(剣崎)次期支部長眼鏡(鷹柳)に捕まり経緯を搾り取られた。


 ゴーレムと狂人(ハリス)以外がヘロヘロになった頃に賄賂(レシピ)を渡して何とか昼過ぎには解放されて解散した。マス達も心なしか筋肉が萎れたような様子でにヨタヨタとホテルに帰っていった。


 ほとり達は配信停止後の動画データを没収されたことは残念そうであったが、配信済みの動画だけでもかなり再生数が伸びており満足げな様子で別れた。


 そして、残った百花斉放の面々も目下最大の用件があるので一度咲乃家に集まることになったが……


「この身体だと車を運転できませんので血濡れ爺のソリを使いましょうか」


「タクシーで!」


 異世界シリアルキラーの遺物を拒否した百花斉放の面々は、喋るのも億劫だというように何とかタクシーを捕まえて乗り込むとぐったりしていた。しかし、定員オーバーな上に角の多い濡鴉はシートを破きそうということで乗車拒否されてしまった。


「仕方ありません。私達だけソリで帰りますか」


「wood」


 疲れで判断力が落ちていた少女達は迂闊にも許可してしまい、あわてんぼう過ぎるサンタクロースがクリスマス前にトナカイ置いてやってきた!と、SNSで話題になり後日頭を抱えることになることはまだ知らなかった。


 後の騒動はさておき一先ず咲乃家に帰ってきた面々は先に着いていた柘榴が用意した遅めの昼食を食べてしばらくまったりとする。まったりしすぎて皆の顔が(Ξ∇Ξ)となっていた。


 しかしながら少女達は若さに任せた回復力で直にしゃっきりすると、装備のメンテナンスをしていた柘榴を捕まえて皆の眼前に据え置く。


「色々……ほんと色々あったけどあたし達皆クラスチェンジが出来たよ。それでね……」


「最後見てただけのわたしまでレベル100を超えたのはそれだけンガグイってのが強くて倒した時に大量の浮遊魔力が撒かれたってことよね」


「わたくしはラグナロクツヴァイともう一度会い………」


「セレスタ、それじゃないっす。何で恋する乙女の表情で無機物の名前なんすか?そうじゃなくて、わっち達の新ジョブは前例がないから自分のスキルも分からないっす。なのでまた鑑定と解説を頼みたいっすよ」


「ええ、分かりました。では都斗から観ましょうか」

 

書ノ上都斗

22歳

クラス:魔導書師

レベル:114

魔力:768

力:C

知力:S

精神:B

速さ:E

器用さ:B

スキル:魔導書生成 魔導書暴走 本の角 書架 効果増幅 鑑定 聖刻眼 魔力上昇 膀胱強化


「やっぱり魔法スキルが無くなってるっすね。殆どのスキルが意味フっすけど鑑定が生えたのは嬉しいっすよ」


「ピーピングトムはめっですよ。至高の秘密を盗み見る者は天罰です」


「ほぎゃあっ!!目が、目がぁぁあ!」


 言うや否や柘榴に向かって鑑定を掛けようとしたところで、卓の上に置かれていた三ケ〇みかんの汁をぶっかけられて都斗は大佐に特進した。


「次にやろうとしたら頭の中にニンニクとにらを仕掛けます」


「お許しください!!」


 マジトーンの柘榴にビビり散らして謝り倒す。


「はぁ、都斗の鑑定で見える程度の情報など聞かれれば答えますので勝手に見ることは止めなさい」


「分かったっす」


「さて、スキルの解説でしたね。順に行きますよ。魔導書生成はそのままですが、元となる白本の性能によって込められる魔法の強弱が決まります。魔導書暴走は魔導書を使い捨てにして絶大な威力を発揮させます。本の角は角で叩くと威力アップだよ。やったね!書架は魔導書専用のアイテムボックスです。最後に効果増幅は魔導書を含む魔道具の効果を増幅させます」


「途中でなんか乗り移ってなかった?」


「気のせいです」


「事前準備をすればするほど応用が利くジョブっすか!本の角は微妙っすけど……。魔導書生成は後で試してみるっすかね」


「それでは次はわたクしです!」


 うきうきとした顔をした都斗を押しのけて待ちきれないとばかりにセレスタが迫る。


「次は無機物に欲情する変態ですか」


「直球デすわ!?」


セレスタ=ストアラス

184歳

クラス:精霊銃姫

レベル:115

魔力:422

力:C

知力:A

精神:A

速さ:B

器用さ:A

スキル:射撃 精霊魔法 隠密 必中 俯瞰 早撃ち 精霊銃 召喚銃 視力強化


「視力は確かニよく見えるようになりマしたわ!しかし、こちらの精霊銃?召喚銃?獣ではないノですか?召喚というスキルなら聞いたことがアりますが……」


 指で丸を作り目にあてて眼鏡を掛けている様な身振りで喜びを表すが、内容をよく読むと一転怪訝な表情になった。


「精霊銃と召喚銃ですね。精霊を銃に変化させる精霊銃、銃から召喚をする召喚銃。もちろんそれぞれ単体でも有用なスキルですが、この2つにはシナジーが発生します」


「そうナんですかっ!?ワクワク!!」


「エクスクラメーションマークまで口で言ってるっす」


「そっとしておきなさい」


「こほん。精霊銃で召喚銃を使うと……なんと精霊の完全召喚が出来るのです!」


「あ、そうナんですか~~」


 どうだと言わんばかりのドヤ顔で説明をすると、先のテンションの下がりきった反応が返ってきた。


「……え~」


 精霊信仰の多いエルフであれば本来は狂喜乱舞しているところであるが、この反応である。


「特別な銃が出るのだと思いましたワ」


 残念そうにのたまるエルフに残念なものを見る目を柘榴だけでなく他の面々も送っていた。


「まあ、兎に角強力ですよ。以上」


 とりあえず他に言うこともないので面倒くさくなり適当に締める。なんとなく締まらない空気になった。


「トリは木葉に任せるとして、次は私をお願い」


 最後を木葉にしれっと押し付けて目立たないポジションに入った依和那が鑑定を求める。


姫宮依和那

16歳

クラス:疾風剣魔

レベル:110

魔力:251

力:B

知力:B

精神:D

速さ:S

器用さ:B

スキル:速剣技 回避術 風魔法(上) 魔法剣(風) 見切 疾駆 根性 速度強化 先読み


「速さ特化の風魔法剣士ですね。疾剣士からの正統進化の1つです。スキルもだいたい字のままですが他に解説は要りますか?」


「いえ、いいわ」


 木葉達は鑑定結果を眺めて言葉少なに考え込む依和那に疑念を抱く。しかし、柘榴が急かすので一先ず木葉の鑑定を先にすることにした。


咲乃木葉

16歳

クラス:未生勇者

レベル:143

魔力:375

力:C

知力:C

精神:S

速さ:B

器用さ:B

スキル:生存本能 生活魔法 混乱耐性 勇気 短剣技 投擲 罠解除(下) 戦術 治癒魔法 極光 繋ぐ未来

従魔:柘榴 濡鴉


「!!」


「勇者っすか!?でも、未生ってなんすかね?っていうかへっぽこが無くなって変なスキル持ちがわっちだけになったっす!!」


「流石ンガグイにトドメを刺しただけアってレベルが抜かれてしマいましたわね」


 同志がいなくなってムンクの叫び顔になる都斗と純粋に木葉が強くなったことを讃えるセレスタに紛れて依和那は衝撃を受けていた。しかし、一瞬でその表情を消して仲間達と共に親友の成長を祝う。


「皆ありがと!!それで、【愛玩犬】とか選択肢に出ちゃったのって柘榴のせいかな~?」


「そんな!【愛玩犬】を選ばなかったのですか!?それを選ばないなんてとんでもない!……まあ、初めて聞くジョブなのですが、犬に種族変化しそうですね」


 ショックを受けたふりをしながらも本当に犬になっていたら、木葉の夢を叶えることが難易度ナイトメアになってしまうので内心胸を撫でおろしていた。


「やっぱり種族変化とかあるんだ……」


 選ぶつもりはなかったがならなくてよかったと木葉が胸を撫でおろしていると更に爆弾情報をぶっこんできた。


「ありますよ。そもそも種族変化こそしていなくてもレベルを取得した時点で元の人間のままじゃありませんし、クラスチェンジ時も同様です」


「「「どういう事!?」」」


「それは肉体がより自身の固有魔力に適応した状態に進化してイるというコとですわ。ですので、上級職に就いたダけで素質のパラメーターも上がっているんですノ」


「はい。セレスタの言った通りです。そしてジョブに合わせた変化を伴う進化も起こりうるということです」


 セレスタの世界では常識の範疇であったので説明をすると、そこに柘榴も補足を入れる。木葉達は人間じゃなくなっているわけではないと知ってほっとした。


「犬って退化してない?」


「可愛らしさが進化してますよ。人間が進化の先端などと傲慢というものです。この!至高の私から見れば!」


「あ、うん。じゃあスキルの説明お願いね」


 もはや柘榴の自賛をスルーすることなど朝飯前とばかりに解説の続きを促す。


「治癒魔法は説明不要ですね。極光はオーロラが綺麗です。……頬から手を離してください。極大効果の光属性付与です。効果のほどは後日試してみてください。繋ぐ未来は能力の継承です。ロマ〇ガ2のアレです」


「若干不吉だよ……」


「スキルがマスターの運命に干渉することはありませんので安心してください。このジョブを【未だ生まれざる勇者】にするか【未来に生まれる勇者】にするかはマスター次第ですよ」


 引き継ぐための能力と知り不安を抱えるが、嘘はつかない従魔の言葉で気を取り直すと目の前の小さい柘榴を見て思い出した。


「あ、そうだ。柘榴に怪我させちゃったから何かお詫びをしたいんだけど、あたしに出来る事なら何でもするから言って」


「別にお詫びなど……ふむ。……それでは、至高、私は考えました!マスターにデートを所望します」


「え、えええ!?」


「至高、私?……ああ!不肖っすか。不肖で間違いないっすよ」


 頬を赤らめて驚く木葉をよそに余分な一言を呟いた乳の都斗袋、じゃなかった都斗の乳袋が成長した。

召喚銃はソイルのあれみたいな感じです。

この話は世代を跨ぎませんので木葉の子孫が勇者になるわけではありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ