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ぼくとお父さん  作者: 青野 乃蒼
最終章

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最終話 夢と家族は永遠に

 あの時は確かに辛かった。でも今思うと、あれは愛の裏返しだったんじゃないかと思う。

 僕がもっと上手になるように指導していたに過ぎないのだと。その指導が少しキツかっただけなのだ。


 僕らが校門に着いたとき、校門の先にお父さんと咲がいて、こちらを見て立っていた。


 僕は驚いたが、お父さん達は驚いていなかった。

 お父さんは笑顔で手を振っている。


 それを見た途端、胸から何かがせりあがってきて僕の喉をきゅっと締め付けた。

 鼻の奥がツンとして視界もぼやけていく。


 僕は走った。走って、お父さんに飛び込んだ。


 お父さんは勢いに押されてたたらを踏んだが、僕をしっかりと抱きしめてくれた。


 久々に触れるお父さんは、とても大きくて温かい。


 しばらく抱きついていると、横から咲が抱きついてきて、最後に後ろからお母さんも抱きついてきた。


 スポ少に再入団してからは野球漬けの毎日で、みんなと過ごす時間がなくなっていた。

 特にお父さんに対しては距離を置いていたのでなおさらだった。


 久々に感じるみんなのぬくもりは本当に温かく、僕の心を優しく包み込んでいく。



 お父さんが僕のお父さんで本当に良かった。


 お母さんが僕のお母さんで本当に良かった。


 咲が僕の妹で本当に良かった。


 立花家に生まれて本当に良かった。



 長い間みんなに抱きしめられていたので、さすがに耐えられなくなった僕は呻きをあげる。


「く、くるしいよ……」


 みんな笑いながらゆっくりと離れていく。


 最後に僕がお父さんから離れようとしたとき、僕にだけ聞こえる声でお父さんは呟いた。


「翔、ありがとう」


 思わず僕は顔を見上げる。優しく、穏やかで、温かなお父さんの笑顔。

 その頬には一筋の雫が輝いていた。


 お父さんは人差し指でそれを拭った後、その指を唇の前に立てた。


 僕はこっくり頷いた。


「さぁ、お家に帰ろうか」


 お父さんが言い、みんなが歩き出そうとした時、咲が言った。


「みんなで手繋いで帰ろうよ」



 四人横一列に手を繋いで、道路を目一杯使って歩き出す。

 家に着くまで誰も手を離さなかった。


 ぬくもりは、いつまでも消えなかった。

読者の皆様へ


拙著を最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。

いかがだったでしょうか。


皆様の心が、少しでもほっこりしたり、温かくなっていらっしゃれば、

作者として、これ以上の喜びはありません。


本当にありがとうございました。



青野 乃蒼

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