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ぼくとお父さん  作者: 青野 乃蒼
最終章

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26/29

第二十六話 思い出の試合 ~前半~

読者の皆様へ

拙著をお読み頂き、ありがとうございます。青野です。


章立て失敗したな~と後悔しています。

それに、ちょっと急展開と言いますか、間を飛ばしすぎてるなと、こちらも後悔。

自身の未熟さを改めて痛感しています・・・。



さてさて、この物語も残すところ、あとわずかとなりました。

お読み頂いている皆さま、本当にありがとうございます。

もうあと少し、お付き合い頂けますと幸いです。




それでは、第二十六話、どうぞお楽しみください!

 寒く冷たい冬をじっと耐えた花々が、そこここで喜びを体現している。

 その美しい花々に祝福されるようにして、今日、僕は無事卒団式を迎えた。


 藤宮スポ少での野球人生を終えようとしている。


 あの日から今日まで、お父さんは本当に試合を観に来なかった。


 だからこの一年は本当に野球が楽しかった。

 のびのびとプレーができたおかげで、チームで断トツの結果を残すこともできた。


 打率、安打数、打点、の三部門において一番の成績だった

 (パワーがないので本塁打数は逃してしまった)。


 一番印象に残っている試合はと聞かれたら、僕は迷わず市長杯を挙げる。

 この試合では、本当に不思議な感覚を味わったのだ。





 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *



 市長杯は、市内ナンバーワンのチームを決める大会だ。

 大会の規模としては、これより大きなものはいくらでもあるのだが、監督、コーチ陣は毎年一番気合が入っている。大人の事情はよく分からないが、優勝できないと肩身が狭くなるらしい。


 僕たちは順調に勝ち進み、決勝まで駒を進めた。

 相手は優勝最有力候補のチームだ。僕たちは二番手候補だった。天王山の戦いだ。


 試合は有力候補同士の対決とあって、息もつかせぬシーソーゲームとなった。

 こういう展開は心身ともに疲弊する。


 六回が終わって、五対五。同点のまま最終回へと突入する。


 七回表の相手の攻撃、何とかツーアウトまで漕ぎ着けたが、ランナーが三塁にいる。

 一打でもでれば、勝ち越しを許すことになる。ここは何としても防ぎたい。頼む、抑えてくれ。


 僕は祈るようにそのときを待っていた。


 ピッチャーが投じた三球目、打球がふわっと打ち上げられた。


 よし、抑えた。打球はマウンド後方に落ちそうだ。

 僕はショートの位置からピッチャーが捕球するのを待った。


 しかし、ピッチャーは動かなかった。当然、他の野手も動いていない。


 まずい。このままでは落ちる――。


 気付けば僕は走り出していた。

 走っている間も、ボールは刻一刻と地面に近付いている。


 僕は走りながら、左手をこれでもかと伸ばし、頭から地面に向かって飛んだ。

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