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第二話 野球チームに入れない!?
小学生になって数日後、通い始めた小学校に軟式野球のチームがあることを知った。
その日僕は急いで家に帰り、台所で夕飯の支度をしていたお母さんに歓喜の声を上げた。
「お母さん、お母さん!」
「何よ急に大きな声出して。帰ったらまずは『ただいま』が先でしょう」
お母さんのお咎めなど聞こえるはずもなく、僕は続けて言う。
「お母さん知ってる? 小学校に野球チームがあるんだって! 僕入りたい!」
お母さんの優しい顔に温かな笑みが浮かぶ。
「知ってるわよ。翔ちゃんもう気付いちゃったんだ。さすがね。でも、翔ちゃんは入れないのよ」
「えっ……」
興奮で早くなっていた胸の鼓動が、一瞬止まってしまったのではないかと思うほどの衝撃が胸を突き抜ける。
言葉が出てこなかった。
僕はただ、縋るような気持ちでお母さんを見つめるしかなかった……。




