女子力
汗と埃の臭いが混ざった部室で、今日もくだらない会話をしている。櫻井先輩がうざかったとか、岩井先輩は相変わらず可愛かったとか。
しかし、最後はいつもこの話で終わるのだ。
「私たち、臭くね?」
そう、足が臭すぎる。
どんなケアをしても、陸上という運動量には叶わなかった。それにもはや、足が臭いことをネタにし始めている。
「今日どう?足の調子は?」
「相変わらずよ。嗅いでく?」
梨子は靴下を振り回した。
「うっわ、クサッ!臭いって!」
その時、部室のドアが開いた。出てきたのは陸上部の女子達からモテすぎている葛城先輩だった。
「え...く...」
終わった。そう二人は確信した。