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殺し屋、タピオカを買いに行く

あ、タピオカの部分はあえてひらがなにしている所があります。誤字では無いです。

では、本編どうぞ〜

「〜〜〜♪」


 俺は、ルンルン気分で道を歩いていた。

 今は、近くのたぴおかとやらを売っている店に向かっている。

 調べたところでは、今のたぴおかはかなり種類があるらしい。甘いものからコーヒーのように大人の味のものまで、様々な味のたぴおかがあるんだとか。

 俺は、スマホでたぴおかについて信号待ちの時などに調べつつ、目的の店へと向かう。


――十数分後


「お、ここか。」


 俺は、目的の店へ着いた。

 その店は全体的にファンタジックで、女子ウケしそうな外装だ。内装も、パッと見た限りでは女子ウケしそうな雰囲気しかしない。

 ……男が来るのは場違いなのでは?と疑うほど、女性が多かった。時々男も見かけるが、基本少年だ。

 俺は場違いだなと自覚しつつ、メニュー表を見てすぐに唸る。

 圧倒的にカタカナが多いのだ。……俺は、横文字が苦手だ。ミュージックとかならまだ分かるのだが、最近の横文字は俺には理解不能だ。

 とりあえず、オススメと書かれていたのを頼むことにした。


――数分後


 適当に屋外スペースに置かれているテーブルに座り、たぴおかが来るのを待っていると、俺に近づいてくる足音が聞こえてきた。店員さんかと思い俺は足音の方を見るが、そこにいたのは……

 屈強な身体付きで推定身長百八十五センチ、所々髪が跳ねている金と銀のヒカルヘア。筋肉を誇示するように、服の面識は少ない。大男と呼ぶにふさわしい男が、そこに立っていた。

 ソイツは、俺をその鋭い眼差しでジッと見ていた。


 ……店員さんじゃなかったな。


 まあ、こういうのはよく触らぬ神に祟りなしっていうだろ。って事で、俺は何も見ていないと言った感じで大男から視線をテーブルへと移した。すると……


「おい!何無視してやがるんだ!」


 と、背後で怒声が響く。


 うわ、無視した方が面倒くせぇタイプかよ……


 それでも、触らぬ神に祟りなし……だ。

 そもそも、この程度の怒鳴り声で、俺は怯まねぇし。

 しばらく無視を決め込んでいると……


「なーに女々しい男の分際で、俺のこと無視してんだぁ?」


 ガッと俺の前髪がかき上げられ、大男が俺の顔を覗き込んでそう言った。


 ……結構怖い顔してんだなー、こいつ。普通のやつなら怯むかもな〜


 大男は、俺が全く怯まない事がご立腹らしい。顔に不機嫌と書かれてるからな。

 だが殺し屋舐めるなよ。こちとらヤンキーやら何やらを依頼で闇に葬ってんだ。ちょっと顔が怖い程度の男に怯んでたまるか。

 そう思ったことが顔に出たのか、大男はさらに不機嫌そうな顔になる。


「そもそもな、男がタピオカとかダセェだろ。女々しくてよぉ」


 不機嫌そうな声色で、俺の前髪をかき上げたまま、大男はそう言った。

 いや……男がたぴおか買ってもいいんじゃねぇか?女性限定の食べ物っつーわけでもねぇだろうし……。

 そうは思うものの、言ったら言ったでヤバそうだから、俺はただただ無言を貫いた。

 俺が無言を貫いている間も、大男はさんっざん俺の事を煽ったり罵ったりしてきた。

 流石にここまで来ると、周囲の注目を嫌でも引くものだ。

 店全体がザワザワと騒がしくなってくる。お客さんの三割から五割ぐらいが、俺らの事を見て何かを話している。


 ……あ“ー、メンドクセー。


 俺はテーブルから立ち、店員さんに注文のキャンセルを伝える。背後で大男の驚きの声が聞こえたが、気にしない。店員さんは驚いていたが、すぐに了承してくれた。そして俺は、要らないとは言われたがキャンセル料を店員さんに渡して、大男のところへ戻る。


「さて……さっさと店を出ようか」


 俺はそう言って、大男の答えを聞かずに大男の右手を掴んで強引に店を出させた。その後人目につかない路地裏へと、大男を連れて行く。


「なんだ?喧嘩なら買うぞ?」


 大男は俺が路地裏に連れて来たことで喧嘩を売られたと思ったのか、そう言って来た。


「喧嘩?んな生優しいものじゃねぇよ……これから始まるのはな」


 俺は低く冷たい声で、淡々と。大男にそう告げる。

 心なしか、俺の口元が緩んでいるような気がする。

 この大男、どっかで見た事ある顔だとは思ったんだが……実は殺し屋が依頼を受けるのは、メールや電話だけでは無い。ダークウェブ内に存在する掲示板にも、殺しの依頼専用の掲示板がある。

 俺の場合はメールや電話での依頼なんざほとんど来ないから、基本はこの専用掲示板で依頼を探していた。そして……載っていたんだよ、この大男。その専用掲示板に……。

 専用掲示板に載せた詳細な経緯は、詳しく見てねぇから分からない。だが、まあ……確かにこれは、一般の方なら殺しの依頼をしたくもなるだろうな。

 今回はタダ働きでも良いか……と、そんなことを思いながら、俺は大男に近づき……


「ギャァアアア!焼ける!熱い熱い!止めろ!女々しい男の癖に……!」


 両手を軽く握った。

 ん?両手を軽く握っただけで何故大男が悲鳴を上げているのかって?

 ……まあ、俺が()()()()()飯を食うと、食われてる側はこう言う反応をするんだよ。

 ……あ?理解できない?……出来なくていい。理解する必要はねーよ。つか、俺誰に向かって言ってんだ?……まあいいか。

 俺は、大男の手を握る力を強める。すると……


「ギャァアアアアアアアアア!やめろっ!痛い!痛いいいいいいい!」


 面白いくらいに大男が叫ぶ。

 その叫びがまた、心地良い。

 俺は、一旦大男から手を離す。大男の手は、不自然なほどに干上がっていた。


「んー、美味いな。お前の()()()()は」


 ふと、そんな言葉が俺の口から溢れた。


「……は?お前何言って――いだっ!止めろ!俺に触れるな!」


 しかし俺は大男の言葉は気にせず、今度は腕を掴んだ。


 今回の報酬は、コイツの魂と血液って事にしてもいいな。


 そんな事を考えながら、俺が触れている大男の肌が干上がる度に、俺は別のところを触れて、じっくりと大男の魂と血液を食べていく。


――数分後


 大男は、何も言わなくなっていた。

 まあ、当たり前か。全身干上がってんだから。

 大男は、路地裏の壁に寄り掛かるような姿勢でそこにいた。……全身が干上がって。


「さて……改めてたぴおかとやらを買って、血液パックも買うか」


 俺はそう言って、路地裏を出た。

後日。

「たぴおかとやらを買って飲んだは良いが、輸血パックの方が圧倒的に美味いな」

 by凰牙


……そう言えば、主人公の名前書いてたっけ。まあいいや((よくねぇよ!?

あ、書きました。第一話に主人公の名前。

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