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その目的は(2)

2です。後で1を入れ・・・る はず

 Q なんで最初の依頼がそれなんです?


 E これって評判をわかりやすくするためのものだよ。だから常設依頼だね。


 Z でも、適当なこと書いて報告してきたらどうするんです?


 E 依頼達成のポイントはつくけど、相手の評価もらわないとランクは上がらないよ。たとえば、朝のゴミ出ししましたって書いても、「10日に一度くらいでしぶしぶです 母」って書かれてたら?ずーーっと残るんだし。


 Q もはや罰ゲームですね。


 Z つまり達成ポイントと評価ポイントに分けるんですね。ランクが上がらないと別の依頼は受けられないと。


 E 評価は下がることないからいくらでもやらかしてくれていいんじゃよ


 Q むしろそっちが目的かー


 E 文字だけでその人のこと知るには一番。さぁさぁ、お二人さん依頼の実験やっちゃって。あ、酔いつぶれて介抱されたのは知ってるからね。


 Z 書きませんよ、そんなこと。





薄暗い室内で唯一の明かりは壁にある大きなモニター。どんな内装かわからないが、テーブルセットに数名の人影がある。だれも会話せずモニターの文字を見ていたが、一番大きな人影が似合わなそうな小声で話す。


「動き出したな」


 特定の相手に向けての言葉ではなく独り言のようなものだがだれもが軽く頷いた。低く重い口調から深刻な事態に対面しているとわかる。


 細身の人物もため息まじりで口にする。どうやら女性のようだ。


「もう何度も文明は滅んでいます。間に合えばいいのですが」


「赤子が大人になるには相応の時が必要だ。だれの庇護もない状態でよく耐えている」


「すべてを彼の君に負わせている、それを変えたくはありますが人の中に滅びの元があるのはやはり酷でしょう」


 最期の言葉はこの場で一番小柄な人物。年齢も性別も定まらない声音は悲しげだからかもしれない。大柄な人物は本来の印象そのままに力強く答える。

 

「ミツキ。我らに続く者が生まれる場、どのような手助けが必要なのだ?」

 

 なぜかそれに答えたのは細身の女性だ。さきほどより喜色な声は艶やかで若々しい。


「ええ、ええ。あなたにふさわしいお役目がございましてよ」


 突然始まった押せ押せ圧。いや、物理で推し倒しそう・・・。顔と顔の距離近い。


「姉上、ほどほどでお願いします」


「大丈夫、すばらしく仕上げてさしあげますわ」


 残念、伝わらなかったようだ。それ以上の進言はない。巻き添えはごめんだという空気だから。二人に挟まれた大柄な人物も不穏だと理解しているので、余計なことは言わない。


「さ、別室へまいりましょう。まずはサイズをお計りして生地をあてましょうね。あと、御髪も整えませんと」


 腕を組むといえば聞こえがいいが、組まれた相手はうれしくなさそうだ。女性に引きずられるように退室した。一言も発言しなかった者たちも後に続く。室内に残るはただ一人。 


 ようやくここまで来ましたよ


 庇護がないと彼は言いましたが


 あなたの心はこの地にも注がれている


 我らのすべきは見ない者、聞かない者に届けること


 どうか


 どうか 


 

 

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