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7.感覚

【フリッピーモンキー】


主に森など木の生い茂る場所に生息。


非常に獰猛な肉食で、その尖った爪で、獲物を木伝いに移動しながら切り裂き捕食する。


人間でさえ遅い、木の盾程度であれば安易に真っ二つ出来るくらいの強靭さ。


ただ、夜行性のため、昼間は著しく索敵能力が落ちるのと、木が無い陸上戦では余り本領発揮できない。


ただ、『夜の木の下には死体がある』などという諺を生み出すほど木の近く、夜は無類の強さを発揮するので要注意。


三禅剣。気づいた時にはそう言っていた。何か技を出せる、そんな気がして。多分ゲーム内だから出来たことだが、更に俺の手あの時より震えていた。快感が呼んでいる。正直兵士の方を助ける予定だが収まりそうにない。すまんな。頭では分かっているが、この時ばかりは正義や悪なんてほっぽり出して俺は快感に手を伸ばした。


まず1人。不意打ちにより笑顔のまま殺す。こうした方が恐怖を与える事ができる。刀を引き抜くと、そのまま2人目を倒す。現実だと切れ味だなんだとあってこうはいかないのかもしれんが、残念ここはゲームなのだぁよ。何より自分の体が本当に頭で考えているように動く。頭で考えている最適解と同じように動く。


2人目を倒した事で敵だと認識される。しかし...それじゃあ遅い。俺は最初に持っていた片手直剣を兵士に投げると、居合の体勢へとはいる。会話する距離に入っていたこともありかなり近い。


そして、一閃。


『三禅剣』


その場にいたほぼ全員を巻き込んだその技は近くにいた十数人の兵士を仕留め、少し遠くにいた兵士にも何ヶ所か傷を負わせた。


「に、逃げろ」


流石の兵士と言えど、仲間が一気に惨殺されたのだ。怖いものは怖い。


ただし、それはだいぶ悪手である。一度、背中を見せれば攻撃しないと意思表示しているようなもので。踏み込んで足をぶった斬る。


「ぐぁあああ!」


絶対に兵士は逃がしてはならない。野人はともかく兵士が【イースタンシティ】とやらに帰れば、指名手配はもちろん、もしかしたら討伐隊など編成されては困る。幸い、全員どこかに傷は負ってる。あと3人、か。


魔法とか使えないかな?とか思ったが出し方がわからん。魔法使いとか職業無いのか。


まあ、無いのもをねだっても仕方ない。とりあえずハンドガンで足を撃ち抜く。あんまり使いたくは無かったんだがな。弾は高いし、いつ買えるか分からん。現に今は【セントラルシティ】で指名手配の今、あそこでは買えない。


とりあえず、これで全員倒した。一応、致命傷ではない奴らが4人いるがそいつらは戦意が全く無くなっているのであまり戦う気にはなれん。しかし一応街に帰られると困るので手足を縛り付けて森の中にほっぽり出して置いた。まあ、ここの森には全て戦闘は避けて来たが、獰猛そうなテナガザルみたいな奴がいるし、こいつらの処理はそいつに任せるか。


そして、一通り作業を終わらせると、2つある馬車のうち、奥の方の馬車を覗く。そこには、脱ぎ捨ててある革のジャケットなど、野人が残していった様々な物がある。とりあえず全部インベントリに収納する。武器や、服、煙草など結構使えそうだ。一応死んだ兵士や野人を身ぐるみ剥いで所持品を漁ったが服などは血がついていてとても着る気にはなれなかった。


よし、次は手前の方の馬車...。


そこには、多くのみすぼらしい女、子供がいた。


これは...いや、考えなくてと分かる。奴隷か。鎖で腕や足を繋がれている事を見ると、いわゆるまだ完全には奴隷ではない。奴隷として働かせる前といったとこか。


いや、分かっている。理性では奴隷は人として良くない事だって...。


天使ソーシン「冷静に、冷静に考えて。今ならまだ善人ぶって行動できる」


いや、もう善人ぶってとか言ってるやん。


悪魔ソーシン「冷静に考えればもっと分かるだろ。ここで奴隷を解放した所で、彼らが生きていける証拠はない」


悪魔ソーシン「それなら、奴隷を自分の者として使ってあげる事こそ真の善では無いのか」


よく言った!


天使ソーシン「よく言った!じゃないだろ!なんで2対1になるんだ!もうお前答え出てるだろ!」


うん。答えは出てる。しかし、自分の事を肯定して貰いたかった。そうすれば俺が全責任を負わなくて済む。てか、負いたくない。


悪魔ソーシン「何言ってんだ?あの時からお前の運命は決まった。自分の責任だ。だが、逆に考えろ。自分の責任である事と同時に、自分の手柄だ」


なるほど。俺は俺でいい。この判断こそが、今ある最良なのだ。自分で信じず誰が信じる。まあ、言うてゲーム内。そんな事が許されるからゲームなのだ。ゲーム内までお利口になる必要はない。全く弱気になり過ぎた。


そして、俺は奴隷に向かってこう言った。


「出発だ。今日からお前らは俺の奴隷だ」

遂に止められない領域に来てしまった主人公。


タグに王道と付けてしまった作者の後悔がいたたまれない。(グロ注意とかの方が良かった気がする)


なお、ちゃんとフリッピーモンキーが兵士4人を頂きました。


いわゆる、奴隷が仲間に入った!などのテンプレは無いのでそこはご了承ください。


そろそろ他の人出しますので。





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