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5.PK

PK。それは、PlayerKill。古来より悪だ何だと騒がれてはいたが衰退しない業界。何故ならそれを達成した時の報酬、今持っている所持金の10分の1、そして、ドロップ品を1つ相手に(やられた側が指定し)渡すという旨味。そして、なんといっても快感。まあ、虜になるわな。ただし!PKは由緒正しき作法がある。それを忘れたとき、そのプレイヤーはPK業者ではなくただの悪質プレイヤーと化す。


【PKの作法】

其ノ壱 初心者狙いは良くない。新人潰しは、そのゲームを始めた人の引退のきっかけになることが多く、つまらないゲームだと認識させるかとになってしまうので良くない。ゲーム人口を目的でやってはいけないということだな。


其ノ弐 PKしたぞ、などと広めない。禍根を残してはいけない。ひっそりと佇む。戦利品なども自慢しない。やり返し、敵討ちは誰でもやりたくなる。いたちごっこになるので辞めるべし。


其ノ参 私怨は辞めるべし。幾らあいつらが憎い!と言ってもそれをPKで晴らすのは辞めるべし。其ノ弐にもあったが、敵討ちのいたちごっこが始まり、ゲームが楽しくなくなるぞ。また、リンチなどの愉快犯はもはや犯罪。


其ノ肆 楽しく協力すべし。幾ら不意を着いたところで、そう易々と出来るものではない。逃げられる選択を一番忌避し、逃げ場をまずは封じろ。交戦するのはその後だ。その為には複数人で、作戦をたてるべし。


というわけだ。ここで俺の状況をみてくれ。


レベル上げ、もしくはドロップに集まったプレイヤーが約30人。サングラスシャインはあんまり数がいない。この30人は交代で狩るくらいの事をしなければあっという間に獲物が無くなる。幾らポップすると言ってもな。


となればここで俺がPKするのはいわゆる獲物が増やせない以上、それを狩るしかない、仕方の無い事なんだ。効率を求めるためのPK。いいね、私怨じゃないし、初心者同士お互いの実力差はほぼない。


いける。確信。


っと危ない。其ノ肆を忘れる所だった。いくら初心者とは言え不意をついて1.2人はそれで良いにしろ、30人相手はしんどいぞ。


作戦は慎重に考えよう。まず、この野原では少し高い丘2つに挟まれていて、逃げるなら前か後ろ。後ろには初期の街【セントラルシティ】がありそこから今も、レベル上げにと新たな冒険者がこの野原にやってくる。次期にここのサングラスシャインくんは奪い合いになる。


くっそー、こんな事ならスナイパーライフルとか買っときゃ丘から個別に倒せたが、仕方ない。PKをしたプレイヤーが他プレイヤーに見つかると指名手配判定となり、1日街の住民NPCや、報奨金に目が眩んだ他プレイヤーに狙われる為、街に入れなくなる。ちなみに、これは1日経過か指名手配のプレイヤーが倒される、または捕まるとこのペナルティはなくなる。


幾らかプレイヤーを倒した後は少し早いが次の街に向かうか。流石に道中何もないという事もないだろう。もしかしたら街の外でも何か売っているところがあるかもしれないし、次の街までのモンスターは逃げ一択で何とか出来そうではある。


そう割り切ると、俺はサングラスシャインと戦っているプレイヤーににこやかに話しかけた。


「手伝いますよ」


「あ、いや、あ、ありがt」


俺は剣で首の当たりを掻っ切っていた。粒子になり消えていく。現実の様な生々しさは無い。


楽しい?何故か俺は楽しさを感じていた。



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【Human - Error RPG】


俺はそのゲームでレベル上げをしようと近くの1番プレイヤーの向かっている野原に向かった。


さもサービス開始時の人間味溢れる関係が築かれいるそんな期待を背負っていたのは、間違いだったと気付かされた。


惨殺。ゲーム内であったが、そこに『本気』はあった。


1番弱いと言われるサングラスシャインに剣など近接は相性が良くない。そこで狩りに来ているプレイヤーはほとんどの人が弓や銃などの遠距離武器がだった。狩られているプレイヤーが弱い訳ではない。不意をつかれた。それだけだ。その差だけ。その差をアイツは圧倒的優位にした。


持っているのは片手の直剣。次々と首や、心臓など急所を意図も容易く狙っている。狙うのは簡単だ。だが、躊躇が微塵も無いことに驚いている。アイツは一周の隙をつき、1人目、2人目を倒す。そこからは、怯え、混乱という感情が出ている間に6人目を倒していた。そこから逃げる、立ち向かうなど行動に移すまで10人目まで到達していた。


「PK野郎!死ね!」


誰かの矢がアイツへ向かう。アイツはそれを一切気に留めることなく全速力で数を減らしていく。弓では常に動いているアイツは仕留めきれん。


「銃だ!銃をだせ!」


初期に持っているお金は精々5000ビット。ハンドガン程度が限界なので銃は全て同じ銃。初心者用のハンドガン。狙い撃つ。


「ん」


初めて苦悶の表情をしたアイツは怯えているプレイヤーをまた1人倒そうとした所で立ち止まり肩を突き刺した。


肩を突き刺されたプレイヤーは呆然と立ち尽くし...!?いや、消えない!コイツ技と肩に突き刺して死なないようにしている!?アイツはそのまま銃弾を突き刺されたプレイヤーを盾にして受け、そのままリロード中の他プレイヤーも流れで肩に突き刺した。


そして、そのまま最後の抵抗をしているプレイヤーに向かって剣で突き刺したプレイヤーの骸を盾に突進してくる。


「馬鹿な!?そんなのありか...よ」


最後に抵抗をしたプレイヤーは心臓を一撃、そのままアイツは見下すように剣を引き抜き、プレイヤーを文字通りの骸とした。


そして、そのまま奥に逃げるように全速力で走って消えてった、


そして、逃げたプレイヤー、倒されたプレイヤー、傍観したプレイヤー、腰が抜けて動けなかったプレイヤー誰もがアイツを『悪魔』と呼んだ。

主人公が目覚めます

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