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1.すご〜く頑張っているグーチョキパー
とりあえず主人公の幼い頃&今。
「いいかソウシン...ここに石と紙とハサミがある」
「うん」
「んで、ハサミは紙を切れる」
「うん」
「紙は石を包める」
「うん」
「石はハサミで切れないくらい硬い」
「うん」
「だからパーはチョキに弱くて、グーはパーに弱くて、チョキはグーに弱いんだよ」
「でも、おじさん家には石でも切れるハサミもあるって言ってたよ」
「それはハサミが特別何だよなぁー」
「しかも、おじさん家には色んな石あるけどでっかい石は紙じゃ包めないよ!」
「うーん、こりゃダメだぁ」
「でも、紙は弱いのはわかったー」
「いいかい、ソウシン。普通の石やハサミや紙は勝てないの。でもね、すご〜く頑張った石やハサミや紙はもしかしたら何でも勝てちゃうの」
「すごいね」
「ああ、そうさ。だからソウシンはグーもパーもチョキも全部すごくなくていい。すご〜く頑張ったグーやパーやチョキになってね」
「はーい」
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それから十年数年。
白老 奏伸18歳。
俺はすご〜く頑張ってない引きこもりになっていた。