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龍の結界

登場人物


ライドン・ゾフィ…召喚魔術師の名門ライドン家の生き残りで五体ものドラゴンを操る事ができる凄腕、一族の間では”神に愛された至高の召喚魔術師”と言われていた

織田信長…尾張の大名、頭が切れ行動力とカリスマ性を兼ね備えた戦国時代の風雲児

羽柴筑前守秀吉…ルキア達の戦場での活躍を見て織田軍にスカウトした人物、後の豊臣秀吉

竹中半兵衛重治…秀吉の熱心な勧誘により配下に加わった天才軍師


播磨に攻め込んでいた秀吉達一行は別所長治の謀反に続き


摂津の荒木村重までもが謀反という報告を聞いて窮地に陥っていた


「荒木村重殿はお館様から摂津の国を任される程、信頼厚き


 武将、しかも村重殿の嫡男村次殿は、明智光秀殿の娘と


 婚姻関係にある、それなのに謀反だと!?毛利に寝返ったと


 いうのか!?とても信じられん」


秀吉の言葉に皆、口を閉じていたが、竹中半兵衛が真剣な表情で


秀吉に語りかけた


「事は重大です、荒木村重殿の謀反が本当のことなのか至急


 確かめなければなりませんでしょう、仮に謀反が事実


 だったとしても、村重殿は単なる損得感情だけで寝返るような


 人物では無いと聞いております、ならばまだ説得できるかも


 しれません‼︎」


半兵衛の言葉に我を取り戻し、大きく頷く秀吉


「そうか・・・その通りかもしれん、ならば誰に説得に向かわせる?


 人選を誤ると取り返しがつかん、ワシ自ら行っても・・・」


「いえ、村重殿の説得ならば適任がおりますよ、官兵衛殿


 お願いします」


半兵衛の言葉に皆が一斉に官兵衛の方を見た


「官兵衛が?どうして官兵衛が良いのじゃ?」


半兵衛はニコリと微笑み答えた


「荒木村重殿は官兵衛殿と同じく伴天連でございます


 同じ宗教を信じる者の言葉なら耳を傾ける可能性も


 高いでしょうし、殺されることもないでしょう」


「なるほどのう、良くわかった官兵衛行ってくれるか?」


官兵衛は目を閉じゆっくりと頷く


「承知仕りました、村重殿とは面識もありますし拙者が


 村重殿の元に赴き真意を確かめるとともに


 必ず説得してまいります」


官兵衛はそう言って荒木村重の元へと向かった、官兵衛一人


だけでの面会ならば、という条件で村重は会うことを承諾した


「お久しぶりでござるな村重殿、此度は村重殿が謀反と聞き及び


 信じられないという気持ちで会いに来た所存にござる


 しかし人は過ちを犯すもの、ですがデウス様は全てを


 お許しになられます、謀反が本当であれ虚実であれ


 誠意を持って話し合えばお館様も必ずお許しになられます


 さあ私と共に参りましょう、全ては神のお導きです」


官兵衛の説得に一度は涙を流し頷いた村重、しかし急に頭を抱えると


苦しそうに蹲ってしまった


「どうしたのでござるか村重殿?」


官兵衛の呼びかけにも答えることができない程苦しむ村重、しかし


次の瞬間、村重は何事も無かったかのようにスッと


立ち上がり冷徹な目で官兵衛を見つめた


「我の信じる神は信長を殺せと申されたのだ、信長は悪魔である


 主は悪魔を滅せよと申された、我はデウス様の言葉の通り


 信長に正義に鉄槌を、罪への天罰を、全ての罰を持って


 悪魔信長に死の救済を・・・」


空ろな目で独り言のように話し始める村重、官兵衛は驚き慌てて


反論した


「待ってくだされ村重殿、デウス様はそのような事は


 おっしゃいません、一体どうしたというので・・・」


その時、官兵衛は村重の瞳が赤く光っていることに気がついた


「村重殿、あなたまさか悪魔に魅入られているのか!?」


すると独り言のようにブツブツと口を動かしていた村重が


ピタリと言葉を止め官兵衛をジロリと見つめる、その目は


人間のものとは思えない、残忍で冷徹なモノだった


思わずゾッとする官兵衛、そして村重は部下達に淡々と


命令を下した


「この男を捕らえよ、織田軍の秘密を吐かせるまで徹底的に


 尋問するのじゃ、手加減は無用、最悪死んでも構わん」


「村重殿、待ってくだされ、村重殿ーーー‼︎」


両脇を抱えられるように連れ去られる官兵衛、城の地下牢へと


監禁され、厳しい尋問を受けた、それは拷問と言っても


良いほどの過酷なモノであり、地下から官兵衛の叫び声の様な


声が何度も響き渡った




数日経っても戻って来ない官兵衛を心配する秀吉達


「おい秀吉の旦那、もしかして官兵衛の奴、俺たちを


 裏切ったんじゃないのだろうな?」


「馬鹿な事をいうでない小六、官兵衛は裏切ってなどおらん‼︎」


「じゃあ、何で帰って来ないんだよ?殺されたのなら死体を


 送り返してくるはずだし、何らかの返答があるはずだろ?


 官兵衛の元の主君、小寺政職も毛利に寝返ったし


 全くなしのつぶてじゃ疑いもするぜ!?」


秀吉も心では信じたくないと思っていながらも内心、そういう


考えが頭をちらつかせていたのだ、それに対し半兵衛は


口に手を当て考え込んでいた


「もしかすると官兵衛殿は捕らえられているのかもしれませんね!?」


秀吉は不思議そうな顔で半兵衛に問いかける


「どうしてじゃ?交渉の使者を拘束するなんて聞いたことないぞ?」


「通常はそうですが村重殿は伴天連です、同胞を殺すのは


 忍びなかったのかもしれません、しかし官兵衛殿の力を


 知っている村重殿は我らの陣営にも帰したくないと


 考えたのであれば合点が行きます、そして次に考えられるのが


 本願寺や佐久間殿がかけられていた怪しげな術に村重殿も


 かかっているのではないか?という事です」


秀吉は腕組みして考える


「それはあり得るのう・・・荒木村重殿の謀反は別所長治とは


 訳が違う、しかしそうなると厄介なんてものじゃないぞ!?」


「そうですね、お館様が聞いたらどう思うか・・・」


半兵衛の心配は現実のものとなった、別所長治に続いて


荒木村重までもが裏切ったのである、この報告を聞いた信長は


誰も信じられないと思い始めていた、そして非情ともいえる


決断を下したのである


それは数日を待たずして命令書として秀吉の元へと届けられた


それを見た秀吉は言葉を失ってしまう


「お館様は何と言っても来たのですか?」


半兵衛の問いかけに絞り出す様に口を開く秀吉


「官兵衛の裏切りは疑いようもない、よって人質として


 預かっていた息子、松寿丸(後の黒田長政)を殺す様に


 との命令じゃ・・・」


その内容に言葉を失う一同、秀吉も苦渋の表情を浮かべている


「官兵衛殿が裏切ったと考えるのは早計です、こんな事を


 してしまっては、もし官兵衛殿が裏切っていなかった場合


 取り返しがつきません‼︎」


半兵衛の意見に秀長も続いた


「ワシもそう思うぞ兄者、官兵衛は人間的にはやや問題があるが


 使者として出て行って裏切って帰って来ない何て事をする


 人間だとは思えない、あいつは頭が回る、そんな馬鹿な事を


 する訳がない‼︎」


「しかしよ秀吉の旦那、お館様の命令を無視するわけには


 いかないだろ?事実がどうあれお館様がそう判断された以上


 その通り命令を遂行するのが俺たち部下の役目だろ」


小六の言う通りである、信長の命令である以上、秀吉の意思など


関与できるものではない、官兵衛が無実だと確信していたとしても


信長の命令は絶対なのだ、目を閉じ無言で考えていた秀吉だが


仕方がないと割り切り命令に従おうとしたその時である


半兵衛が秀吉に話しかけたのだ


「秀吉殿、私に考えがあります」


「何じゃ半兵衛、何をするつもりじゃ?」


半兵衛が目で左右を見渡す様に周りを確認すると小声で秀吉に囁いた


「官兵衛殿の息子、松寿丸の替え玉を用意するのです、同じ年頃の


 子供の死体を探してそれとすり替えるのです、お館様は


 松寿丸の顔を知りません、別人の死体を差し出しても


 バレる事はないでしょう、念の為にゾフィ殿に頼んで


 死体を松寿丸に偽装してもらいましょう」


半兵衛の意見を聞いてギョッとした表樹を浮かべた秀吉


「お主とんでもない事を考えるのう、しかしもしバレたら


 それこそ取り返しのつかないことになるぞ!?」


「官兵衛殿の嫡子を誤って殺す方が取り返しがつきません


 あの男は秀吉殿にとって絶対に必要な男です、そしてもし


 この事を恨みに感じて官兵衛殿が敵に回ったら、これ程手強い


 男はいないでしょう、大丈夫です、もしバレたら私が


 独断でやったことにしてください、秀吉殿は知らなかった


 いいですね?」


半兵衛の言葉に大きく頭を下げる秀吉


「すまぬ、お主には感謝してもしきれぬ・・・」


「いいんですよ、頭をあげてください私は秀吉殿の部下ですから


 当然です、ただ松寿丸の事はそれでいいとしても官兵衛殿の


 事が心配です、何とか事情を把握して、もし捕らえられて


 いるのであれば早く救出しなければなりませんからね」


「そうじゃな、それについてはどうしたものか・・・そうじゃ


 ゾフィ殿に相談してみようではないか!?」


秀吉は早速ゾフィに事情を話し協力を要請した


「えっ!?何、官兵衛さん捕まっているの?」


「おそらくでござるが・・・その確認と、もし捕まっている


 のであれば、何とか助け出したいのでござるよ」


「やけに帰りが遅いな〜とは思っていたけど、そう言う事だったのね?


 そうね、わかったわ、あのお城のネズミを使って視界を


 共有して探ってみるわ」


「おお、昔駿府城でやったアレですな!?」


ゾフィはニヤリと口元を緩め軽く頷いた


両眼を閉じたゾフィが再び目を開いた時、その目は人間の


ものとは思えない白目のない真っ黒なモノへと変わっていた


そんなゾフィの姿を見て顔を歪める秀吉


「何とも無気味な姿でござるな、せっかくの美人が台無し


 というか・・・まあこちらが頼んでおいて随分と勝手な


 言い草だが・・・」


その瞬間、ゾフィが“あっ”と叫んだ


「どうしたのでござるか!?」


問われたゾフィは険しい表情を浮かべ唇をかみしめた


「結界に阻まれたの・・・ルキアの睨んだ通り、やっぱり


 何かありそうね、でもそんなちゃっちい結界で私から


 逃れられると思っているの!?見てなさいよ〜


 秀吉さん、夜まで待ってくれないかしら?」


「えっ!?ああ、それはかまわないでござるが・・・」


秀吉はゾフィの言われた通り夜まで待つことにした


すっかり日も落ち、辺りが暗闇に覆われた時刻になって


ゾフィは荒木村重の居城 有岡城をジッと見つめていた


両手を腰に当て、仁王立ちの様なポーズで有岡城を睨む様に


狙いを定めていたのである


「見てなさいよ、絶対に覗いてやるんだから‼︎」


ゾフィの謎の意気込みにありがたく思いながらも、やや困惑気味の


秀吉とその仲間達、しかしゾフィはそんな事はお構いなしとばかりに


両手を天に掲げた


「何時が主人 ライドン・ゾフィの呼びかけに応えよ


 来なさい ダークネスドラゴン‼︎」


ゾフィがそう言葉を発すると巨大な魔法陣からぬらりと姿を


表す漆黒のドラゴン、その全身は黒い鱗で覆われており


巨大な牙と鋭い爪が無気味さをさらに増幅させる、そして何より


一切の慈悲を感じさせない銀色をした冷徹な目、見ていた


秀吉達の背中が思わず寒くなるほどであった、呼び出された


黒き龍は不機嫌そうな表情を浮かべ、ジロリとゾフィを


見下ろした


「此度はどの様な要件で我を呼び出したのだ小娘」


「だから私の名前はゾフィだって言っているでしょ


 何度言えばわかるのよアンタは‼︎」


目くじら立てて抗議するゾフィを尻目に全く動じる様子もない


ダークネスドラゴン、何を言っても無駄だと悟ったのか


ゾフィは大きくため息をついて再び話し始めた


「ハア〜、もういいわ、それでねアンタを呼び出した要件だけどね


 今回もアンタにやってほしい事があるのよ、私と視界を共有して


 あの城の内情を見たいの、何か結界が張ってあるけど


 アンタならできるでしょ?」


その言葉を聞いたダークネスドラゴンの表情が見る見る変わる


「何だと、貴様はまた我にのぞき見の手伝いをさせようと


 いうのか!?生物の頂点である誇り高きドラゴン族の我に


 その様な事を‼︎下等な人間の分際で貴様は、貴様は・・・」


怒りに震える黒き龍を気にする様子もないゾフィ


「はいはい、そういうのもういいから、大体またって言うけど


 前回、覗き見を手伝ってもらったのって何年も前の話じゃない


 いつまでもウダウダ言っているんじゃないわよ


 アンタに断られたらアクアに頼むしか無いのよ、でも


 夜の闇の中でなら絶対にアンタの方が適任でしょ


 私がこうして頼んでいるのだから素直に聞きなさいよ‼︎」


やや逆切れ気味に言い放つゾフィ、そのやりとりを聞いていた


秀吉達は固唾を飲んで見守っている、何せ目の前にいる巨大な


ドラゴンが怒りに任せて暴れたら、ここにいる人間なぞ


簡単に全滅しそうだからである、しかし目の前の黒き龍は


しばらく無言でゾフィを見つめていたが、ボソリと呟く様に口を開いた


「委細承知した、視界を共有すれば良いのだな?」


「うん、それでお願い、頼りにしているわよ」


何故か話が進んだ両者を唖然とした目で見つめる一同、ダークネスと


ゾフィの両者が目を閉じ、そして同時に目を開けた、今度のゾフィの目は


金色に輝いており、その瞳は人間のモノではなく完全に爬虫類の


それであった、その時ダークネスドラゴンの表情が少し歪んだ


「う~む、思ったより強力な結界だな、結果的には我に任せて


 正解という訳か、これ程の結界、我でなくては破れなかったぞ」


「何よ、自慢?アンタが自慢なんて珍しいじゃない!?」


ゾフィの反応に軽くため息をつくダークネスドラゴン


「何を言っておるこのアホウが・・・少しは


 言葉の意味を理解するのだな小娘」


「何よアンタまで、人を馬鹿呼ばわりして‼一体何が言いたいのよ


 はっきり言いなさいよ‼」


ヒートアップするゾフィを尻目に淡々と語り始める黒き龍


「この結界はかなり強力なモノだと言っただろう、つまり


 それだけ強力な術者、もしくは力のある者が仕掛けた


 結界だという事をまず理解しろ」


ゾフィはまだ納得していない表情を浮かべ頬を膨らませながら


話始める


「それぐらいわかるわよ、どうせ例の魔法使いの魔法か強力な


 アイテムによって仕掛けられた結界だって事でしょ!?」


その言葉に再びため息をつくダークネスドラゴン


「やはりわかっていない様だな、これは魔法によるモノでも

 

 アイテムによるモノでもない、寧ろ我々の領分だと言っている」


「どういう事よそれ?魔法でもアイテムでもないって・・・


 まさか魔獣による結界だというの!?」


ようやくコクリと頷いたダークネスドラゴン


「その通りだ、そしてそれを踏まえて今一度考えてみれば


 我にしか破れない結界だといった意味がわかるだろうが」


その瞬間、ゾフィの表情が険しく変わり両目を見開いて


目の前の黒き龍を見つめた


「じゃあこの結界を張ったのはドラゴン・・・フロストの様な


 結界を作ることができるドラゴンの仕業って事!?」


「そういう事だ」


口に手を当て、信じられないといった表情を浮かべるゾフィ


「ドラゴンを・・・いったい誰が?この世界にもドラゴンがいて


 それを使役している奴がいるって事!?それともドラゴン自らの意思で


 結界を張ったの?何が何だか訳がわからないわよ・・・」


困惑するゾフィに対し、あくまで冷静なダークネスドラゴン


「向こうの世界にドラゴン族がいたのであればこちらの世界に


 いたとしても不思議な話では無かろう、現にこちらの世界にも


 人間はいるのだ、それに貴様の様な小娘にも使役できるのだ


 他の者ができたとしても何らおかしな話ではあるまい


 自分だけがだけが特別などと思わない事だな」


成程と思える様な説明だったが、ゾフィはどこか説教されているような


気分になり釈然としなかった、しかしダークネスのいう事は


的を射ており、反論する意思もなくなる程ぐうの音も出ない


確かにドラゴンを使役できることをどこか自分だけの特権みたいに


感じていたからである、しかし冷静に振舞っていたダークネスも


実は内心イラついていたのだ、今まで人間に懇願され仕方なく


力を貸したことは過去にもあった、しかしドラゴンを使役できる程の


力を持った人間などゾフィしか知らないのだ、誇り高きドラゴンが


人間に使役されるという事は本来なら屈辱でしかない、しかし竜王である


アクアドラゴンが素直に力を認めるゾフィだけは特別だと


自分に言い聞かせて無理矢理納得していたからだ、現にゾフィの


力は契約している自分自身が一番感じている、契約以前とは


力の桁が違う、ゾフィが近くにいるだけで全身に力が溢れ


魔力がみなぎる、自分が世界で一番強いと思える程の


例えようのない無敵感もこの娘のおかげなのだ、絶対に本人の前で


それを口にすることは無いが、だからこそゾフィ以外の人間が


ドラゴンを使役するなど絶対に許せないというのが


ダークネスの本音なのだ、そんな思いをおくびにも出さず


ジッとゾフィを見つめるダークネス


「な、何よ、どうせ私は馬鹿ですよ、アンタ達みたいに


 何でも知っていて何でも理解できるドラゴンとは違いますよ


 アンタ達ドラゴンがどれだけ凄いのかは知ってるけどさ


 私だってこれでも頑張っているんだからさ

 

 馬鹿にしなくたっていいじゃない‼」


自分の凄さをわかっていないゾフィの態度にヤレヤレとばかりに


ため息をつくダークネス


「このアホウが・・・」


思わずこぼれるダークネスの言葉に再びヒートアップするゾフィ


しかしそんなことはお構いなしとばかりに城内を見渡すダークネス


「おい、あれじゃないのか?貴様の探している男は?」


「えっ!?もう見つけたの?・・・あっ、いたいた官兵衛さん


 なんかボロボロになってるじゃない、地下牢に閉じ込められて


 いるみたいだし、何がどうなっているの?」


それを聞いていた秀吉は慌てて問いかけた


「それは誠でござるか!?官兵衛がボロボロになって地下牢に


 閉じ込められているというのは!?」


「うん、間違いないわよ、拷問でもされた感じに仕上がっているわ


 生きてはいるみたいだけど、ぐったりして動かないし」


秀吉は思わず半兵衛の方を見た


「やはり捕らえられていたようじゃ」


「しかし今の話だと一刻も早く助け出さないと官兵衛殿が


 危険ですね、しかし龍の結界ですか・・・」


しばらくジッと城内を見渡していたダークネスが再び口を開いた


「どうやら敵の首魁は何者かに術をかけられている様だぞ


 目の中の輝きが怪しい、あれは意思を捻じ曲げられている


 人間の目だ」


するとゾフィがニヤリと微笑んだ


「操られている城主にドラゴンの結界、どう考えても私の出番じゃない


 敵もドラゴンなら相手にとって不足はないわ、私のドラゴンたちが


 どれほど強いか、思い知らせてあげるんだから、覚悟しなさいよ‼」


どことなく嬉しそうなゾフィと不敵に笑うダークネス、しかし今から


ゾフィに待ち受けている試練は本人の想像を遥かに超える厳しいモノに


なる事を、まだ知る由もなかった。


 

 


 


 






今回はやや短めです、史実では官兵衛が荒木村重により一年ほど地下牢に幽閉されているのですが

この物語の時間の都合上、一年も待っていられないのでこういった話にしてしまいました

次回はバトル中心の話になると思いますが、また懲りずにお付き合いください、では。

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