魔王討伐
アドリアン・ルキア…伝説の聖剣”ブレイヴ・。ハート”を持つ勇者、人々の為に戦うという信念を持っている
ロット・ステイメン…主に回復や防御をおこなう僧侶、常に冷静沈着で戦術指示も出すチームの頭脳的な存在
ルース・ライオス…2m近い長身で屈強な戦士、一人で魔獣を倒したこともあり”魔獣殺し”の異名を持つ、兄貴肌な性格でチームの精神的支柱にもなっている
ギャレット・ゼファー…カードキャスターという珍しい職業だが非常に優秀、自分からチームに売り込みに来たが自分の事は話したがらない、いつも冗談を言って場を和ませるチームのムードメーカー
ライドン・ゾフィ…召喚魔術師の名門ライドン家の生き残りで五体ものドラゴンを操る事ができる凄腕、一族の間では”神に愛された至高の召喚魔術師”と言われていた
クルム・フリニオーラ…世界最強の魔法使いと言われたクルム・ハイドニールの弟子で師匠の仇である魔王を憎んでいた、史上最年少で”クルム”の名を継いだ天才魔法使い
ここは剣と魔法が支配する世界レスティアレ・ラドス
人々が平和に暮らしていたのはもういつの頃だったか・・・
そう思えるほど長く苦しい暗黒の時代が続いていた
その理由は30年程前にこの地に降り立った魔王
”アドギラル・ロック”の出現である
元々魔族と人間との戦いは100年以上の長きにわたり
続いていたのだが両者の戦力は均衡していてずっと
こう着状態が続いていた
しかし魔王”アドギラル・ロック”の出現により
状況は一変した、突如現れたこの魔王は
いきなり魔族のトップに立つと魔族の軍団を率いて
人間の国を次々と滅ぼし人々の住む町や村を蹂躙していった
それ以来空には常に暗雲が立ち込め人々からは笑顔が消え
人類は魔族から隠れるように細々と暮らしていくしかなかった
これまでにも屈強な戦士や強力な魔法使い
凄まじいまでの剣の使い手などがパーティーを組み
何度も魔王の居城”呪血城”に乗り込んで行ったが
誰一人として帰って来たものはいなかった
もう人類には夢も希望も無くなり滅びを待つのみ・・・
という絶望的な状況から一人の勇者が立ち上がる
その者の名は”アドリアン・ルキア”
彼は5人の仲間と共に魔王の待つ城に乗り込んで行った
呪血城の一番奥にある玉座の間にいる魔王”アドギラル・ロック”
そこに続く長い廊下にはおびただしいまでの魔族の死体が
無残な姿で転がっていた
そこで凄まじい戦闘があった事を物語る様に
戦闘の爪跡が無数にわたり刻まれていた
大量の魔族の屍と鮮血の先にある玉座の間
そこからまた凄まじい戦闘音と何人かの叫び声が聞こえた
「ライオス、前に出てルキアのフォローを‼
ゾフィは後ろに回り込んでください‼」
「OK、ルキアまだいけるな!?」
「もちろんだライオス
俺は右から行くお前は左から頼む‼」
後方で指示を出しているのは僧侶のロット・ステイメン
主に回復系の魔法を担当する後衛だがそれと同時に
戦闘時には戦術的な支持を任されている
常に冷静沈着でチームの頭脳ともいえる存在であり
チーム最年長の35歳だ
ステイメンは数多くの優秀な僧侶を輩出する聖教神師団
という巨大教団に所属していたが考え方の相違から
教団の中でも異端扱いされており能力に見合った待遇を
受けてはいなかった、しかしそれが幸いし
今までの戦いには選抜されなかったのだ
そんな噂を聞きつけたルキアが
”どうしても我がパーティーにステイメンに加わって欲しい”
と熱心に勧誘したが何度話しても教団の返事はノーだった
しかしルキアは諦めきれずステイメン本人に熱い思いを語り
チームに誘い続けた、その結果ステイメンは教団を辞め
ルキアのチームに加わったのだ
そしてルキアと共に前衛で戦うのは戦士のルース・ライオス
彼はチーム一の長身で体格もガッチリしていて
パワーとスピード、そして豊富な戦闘経験を兼ね備えた
優秀な戦士だ、常に敵の前面に立ち
直接的な攻撃と防御をおこなっている
兄貴肌の性格でチームの精神的支柱にもなっている
ある時森で暴れる魔獣をたった一人で倒したことから
有名になり”魔獣殺しのライオス”という二つ名まで付いた
それ以来”是非我がチームへ入ってくれ!?”という勧誘が
引っ切り無しに来たがライオスは自分の強さに
絶対的な自信があった為
”アンタらのチームは俺の強さに合っていない”
とどのチームからの誘いも断り続けていた
ある時ルキアが勧誘の為にライオスを訪れ試しに
一騎打ちをした時ルキアの強さに感心しチームに加わった
「ステイメン、後ろに回ったわよここからどうするの!?」
「ゾフィまだドラゴンを呼び出す事は出来ますか!?」
「できなくはないけど・・・
ここでドラゴンを呼び出したら魔力スッカラカンで
もう何も呼び出せなくなるけどいいの?」
「かまいません、ここで一気に勝負を付けます
とびっきりの奴をお願いしますよ‼」
「了解、じゃあいくわよ
”汝が主ライドン・ゾフィの呼びかけに応えよ
来なさいフレイムドラゴン‼”」
彼女がそう叫ぶと空中に巨大な魔法陣が発生し
そこから鋭い目つきをした真っ赤なドラゴンが
ゆっくりと出現した、巨大な翼と鋭い爪、その口から吐く息は
同時に炎があふれ出していて今にも全てを焼き尽くそうか
という勢いであった この炎のドラゴンを呼び出したのは
ライドン・ゾフィ、凄腕の召喚魔術師である
彼女の家は代々有名な召喚魔術師の家系なのだが
長引く魔族との戦いで一族は全て戦いに出て行き
死んでしまっていて文字通り最後の生き残りである
しかし名門ライドン家の歴代の召喚魔術師の中でも
ドラゴンを呼び出せる程の凄腕魔術師は過去二人しかおらず
それも二体までだったと記録されていた
五体ものドラゴンを操りしかも二体までなら同時召喚すら
可能な彼女の能力は一族の歴史の中でもケタ違いであり
”神に愛された至高の召喚魔術師”と言われた
「すっごいのお見舞いするから楽しみにしてなさい魔王
さあいくわよ私のかわいいフレイムドラゴン
”ファイアーブレス”‼」
大きな翼をゆっくり動かしながらホバリング状態で空中にいた
真っ赤なドラゴンは一度首を後ろにのけぞらせ勢いをつけると
口から大量の炎を吐いた、その巨大な炎が
魔王アドギラル・ロックの背中を焼きつくす
「グアアアァァァー‼」
背中を焼かれ苦痛の声をあげる魔王
その攻撃の前に思わず片膝をついた
「今です巨大攻撃魔法をフリニオーラ‼」
「はい、いきます、アークギガサンダー‼」
魔法の杖を高々と天にかかげ巨大な稲妻を発生させているのは
魔法使いのクルム・フリニオーラ
”世界最強の魔法使い”と名高かった
クルム・ハイドニールの弟子でありチーム最年少の15歳
という若さである、まだ少女の面影を残しているその姿と
普段は引っ込み思案でオドオドしているその性格からは
想像もつかない強大な魔法を使う
師匠であるハイドニールは多くの人々からの要望で
半年前に魔王征伐に出かけた、そしてその二つ名に違わぬ力で
魔王を苦しめたがパーティー仲間が早々に全滅してしまい
事実上一対一で戦いそして敗れた
魔法の力で師匠の最後を知ったフリニオーラは
誰よりも魔王を憎み復讐に燃えていた
しかし師匠の二の轍を踏まない為に強力なメンバーが
集まる事を待ち続けようやくここまで来たのである
ファーストネームの”クルム”と言うのはこの世界では
”最強の魔法使い”という称号であり100人以上いる
ハイドニールの弟子の中からそれに選ばれ
史上最年少で”クルム”の名を受け継いだ天才少女
それがクルム・フリニオーラなのだ
「師匠の仇取らせてもらいます
魔王アドギラル・ロック覚悟‼」
フリニオーラの放った稲妻は轟音を立てて
魔王の頭上に舞い降りた
巨大な呪文を浴びた魔王は思わず叫び声を上げる
「ギャアアァァァー‼」
そんな魔王の姿にライオスの顔が思わずニヤける
「いけるんじゃねーのか!?
もう一息ってとこだろ‼」
「油断してはいけません‼
ゼファー手持ちのカードは何が残っていますか!?」
「もう三枚しか残ってないけど・・・
とっておきのがあるぜ【女神ミューゼの旋律】だ!?」
「それはいいですね、じゃあお願いします‼」
「OKじゃあいくぜ、女神の抱擁で
昇天しちまいな魔王さんよ!?」
そう叫ぶと手元から一枚カードを取り出しそれを
魔王目掛けて投げつけた
彼の名はギャレット・ゼファーこの世界でも珍しい
カードキャスターという特別な職業である
カードキャスターとは手持ちのカードを使って戦う事を
主としていてそのカードの種類によって魔法を使ったり
魔獣を召喚したり、肉体強化をして戦士や武道家として
戦う事もある、いわいるオールマイティーな能力を
持っているのである
しかしデメリットもあり手持ちのカードは自分が構成した
40枚のデッキの中からランダムで5枚しか手元に来ないのだ
一枚使うごとに次の一枚が補充されるが魔力消費の関係で
一度の戦闘で使用可能な枚数はせいぜい10~15枚であり
そのカードの効果の大きいモノ程魔力の消耗も激しい
手元にあるカードの能力しか使えないため必ずその場に合った
カードが手元にあるとは限らないというデメリットもあるのだ
非常にピーキーで博打的な要素が強く
それゆえにあまり職業として選ぶ者が少ないのだ
一般的にそのデメリットを避ける為回復系と
攻撃魔法系のカードのみでデッキを構成したり
戦士系や武道家系のカードだけでデッキ構成をしている者が
多いのだが、ゼファーは手持ちの強力カードを全て入れて
デッキを構成していた
当然使いこなすのは難しいのだがそこは生来のセンスと
ステイメンの戦術によって上手く回していたのだ
そんなゼファーの素性は全くの不明である
ある時メンバーの皆が集まっている所にふらりと現れ
「俺をチームに入れてくれないか?」
と自分から売り込みに来たのだ
他メンバーは全てルキアを中心に勧誘した者達ばかりなのだが
ゼファーだけは違っていた
カードキャスターという特殊な職業から
ステイメンなどは最初は反対していたのだが
ライオスやフリニオーラとの模擬戦をやってみたところ
その強さにステイメンがほれ込み
”是非彼をチームに入れるべきです‼”と猛烈に勧めたのだ
ルキア自身も反対する理由が無くゼファーは仲間に加わった
普段はフレンドリーでよく冗談を言っては
メンバー達を笑わせるムードメーカーなのだが
彼は自分の話になると口をつぐんだ
この時代誰にでも辛い過去がある為
メンバーもそれ以上は聞かない事が暗黙の了解となっていた
そんなゼファーが放ったカード《女神ミューゼの旋律》は
魔法系のカードである
魔王”アドギラル・ロック”の目前に巨大な女神が現れた
それはやさしい微笑みを浮かべながら両手を広げ
歌を歌いだしたのだ、その旋律が見えない拘束具となって
魔王を縛り付ける
身動きが取れず何とか拘束を解こうと抵抗する魔王だが
女神の旋律はさらに魔王を閉めつけていく
その時、術をかけていたゼファーがガクッと片膝を落とし
口から一筋の血を流していた、思わず問いかけるステイメン
「大丈夫ですかゼファー!?」
ゼファーは口の血を腕でふき取りニヤリと笑う
「ああ大丈夫だステイメン
このカード【女神ミューゼの旋律】は
俺の持っている15000枚のカードの中でも
五本指に入る超レアカードだからな・・・
強力な分魔力の消耗も半端ない
この終盤になって強力カードの使用に
体がちょっと悲鳴をあげたみたいだ・・・」
「わかりました今すぐ回復魔法を・・・」
ゼファーに向かって慌てて回復魔法をかけようとする
ステイメン、それを手で拒否するポーズをとるゼファー
「今は俺の回復より魔王討伐の方が
何倍も優先順位が高いだろ!?
あのクソ魔王をブッ倒した後にゆっくり癒してくれや
ついでにゾフィのひざまくらと
フリニオーラに手を握ってもらえたら最高だがな」
「わかりました、ではそうさせてもらいます
ゾフィ嬢とフリニオーラ嬢には
自分で交渉なさってください」
「おいおい俺としてはそっちに
手を貸してほしいんだけどな」
二人は目線を合わせてニヤリと笑った
魔王アドギラル・ロックはドラゴンによる炎
魔法による雷撃、カードによる拘束を受け
かなりのダメージを受けていたがその目がキラリと光り突然
赤い怪光線を放った、その二筋の光は後衛である
フリニオーラとステイメンに向けられて放たれていて
目標に真っ直ぐに向かっていた
ステイメンは咄嗟に防御魔法を展開し防いだものの
意表を突かれたフリニオーラは硬直してしまっていた
「危ない、避けてくださいフリニオーラ‼」
ステイメンの叫ぶ声にもフリニオーラは動けなかった
思わず目をつぶり身をひそめる
しかし自分の身に何もおこった様子の無いフリニオーラは
恐る恐る目を開け前を見てみるとそこには
ライオスの大きな背中があった
「ライオスさん・・・私を守って・・・」
「無事かフリニオーラ?女を守るのは男の役目と
昔から決まっているからな」
振り向きざまにニコリと笑い親指を立ててウインクするライオス
しかしすぐにガクッと膝を落とし吐血した
「ライオスさん、しっかりしてください‼」
「大丈夫だ、少々ダメージを負ったが
死ぬほどじゃねーよ、それより・・・
出番だぜ勇者、ここで決めずに
どこで決めるんだ行けルキア‼」
ライオスの声に無言のまま軽くうなづくルキア
手に持つ剣は勇者にのみ装備する事が許されている
伝説の聖剣”ブレイヴハート”ルキアが目を閉じ念を込めると
その伝説の剣はどんどん光を増していき黄金に光り輝いていた
そして上段に構え一気に魔王に向かって走り出すルキア
その瞬間ステイメンの声が呪血城の玉座の間に響き渡った
「フリニオーラ、ルキアの剣に強化魔法を‼
私はルキアの体に神聖魔法で防御を強化します
ゾフィは引き続きドラゴンによる攻撃で
魔王を牽制してください、
ゼファーあと少しです、もう少し頑張って
魔王を拘束していてください‼」
「了解です」
「わかったわ」
「OKまかせろ」
負傷で動けないライオスを除き全員が自分の役割を果たす
まるで長年組んでいたかのような見事な連携で
ルキアをフォローする仲間達、動けないライオスが再び吠えた
「行けールキア‼今日こそそのクソ魔王をブッ倒せ‼」
ルキアは魔王の直前で大きく飛び上がり
光り輝く剣をその脳天目掛けて振り下ろした
「ギャアアァァァァァ~~‼」
断末魔とも聞こえた叫び声と共に魔王の巨体が床に崩れ落ちて
動かなくなった、ルキア達も満身創痍で体力の限界に来ていたが
未だに警戒しながら戦闘態勢を崩してはいない
息を荒げながらルキアがボソリとつぶやいた
「勝った・・・のか!?俺達は・・・本当に?」
「やったんじゃない?
だって魔王動かないわよ!?」
「お師匠様・・・やりました
魔王を・・・魔王を、お師匠様の仇を・・・」
「もう闘わなくてもいいんだよな!?
もう魔力スッカラカンで満身創痍だぜ」
「終わったと思ったら全身に痛みが走り出した
ステイメン回復頼めるか?」
メンバー全員が勝ちを確信したその時
不気味な声が玉座の間に響き渡った
「見事だ勇者たちよ、お前たちの勝ちだ」
その声に驚くメンバー達、辺りをキョロキョロ見回すが
どこから聞こえているのか全くわからなかった
「一体どこからの声よこれ!?」
「チクショウ、まだ敵がいるとかじゃねーよな!?」
「そんな・・・もう闘えないよ・・・」
「俺の主義で延長戦は女の子相手にしか
受け付けてないんだけどな」
「お前は一体誰なんだ!?」
ルキアが大きな声でその謎の声に問いかけるが返事は無かった
不気味な静寂と共に緊張感が玉座の間を支配して重い空気が漂う
その時今まで黙っていたステイメンが叫んだ
「魔王です、今のは魔王アドギラル・ロックが
我々に語りかけてきたようです‼」
メンバー全員が驚いて魔王の倒れている方向に向いた
「嘘ですよね!?」
「えっ!?魔王って喋れるの!?」
「だって魔王動かないぜ、もしまだ
生きているんならトドメをさすか⁉」
「弱っている奴にトドメをさすってのは
趣味じゃないが相手が魔王なら致し方ないかな!?」
「ステイメン、本当に魔王が話しているのか!?」
ルキアの問いにうなづくステイメン
「間違いありません、もうトドメをさすまでも無く
魔王アドギラル・ロックは絶命寸前の状態です
しかしそんな状態で我々の頭の中に
直接語りかけて来たようです」
メンバー全員が倒れている魔王を見つめた
床に伏せている魔王はピクリとも動かない
すると再び声が聞こえてきた
「私は魔王アドギラル・ロック
もう一度言うが今回はお前たちの勝ちだ・・・
見事だったと言っておこう」
魔王からの声に誰も言葉を発する事は出来なかった
「私はもうすぐ絶命する、その前にお前たちに問いたい・・・
お前たちはなぜ戦う?」
魔王からの思わぬ問い掛けに即答するルキア
「人々の為だ、苦しんでいる人たちを
放っておけないからに決まっているだろ‼」
ルキアが堂々と答えた、その言葉には微塵の迷いも無かった
「なるほど、我々魔族は人間の敵・・・
だから滅ぼしたと・・・実にわかりやすい答えだ
ならば人間同士の戦いの場合お前たちはどうするのだ?」
「魔王よお前の聞きたい事が何なのかよくわからないが
俺達は俺達の正義の為に戦う、それだけだ」
「そうか・・・ならばそれを体現してみせるがよい
我が最後の力を使ってお前たちを異世界へと
連れて行ってやる、そこは我の生まれ故郷だ」
ゼファーが思わず問いかけた
「生まれ故郷?魔王の生まれ故郷なら
魔界って事か!?」
「ふっ!?魔界など存在せん
いやあるのかもしれんが私は知らん・・・
今から貴様らを連れて行ってやるのは
私の生まれ故郷・・・地球だ」
魔王アドギラル・ロックがそう告げると地面が大きく揺れ
その衝撃で呪血城は崩れ始めた
玉座の間は石の柱が倒れ天井からもボロボロと崩れ始めていた
それと同時に倒れている魔王を中心として玉座の間を
暗黒が覆い始めた
「なんだ地震か!?」
「いえ違います、もの凄い魔力の高まりを感じます」
「くそっ!?最後の力を使って俺達を道連れにしようってか!?
カワイイ女の子ならともかく魔王と心中なんて御免だぜ」
「なに?なんなのよこれ!?」
「みんな伏せてください、私が今から防御結界を張ります
魔王と心中など絶対させませんよ‼」
「どういうつもりだ魔王、答えろ‼」
ルキアの叫びに答えたのかどうかは不明だが
魔王アドギラル・ロックは最後にこう告げた
「お前たちの戦う意味をその身で証明してみせよ・・・」
その瞬間玉座の間は魔王から放たれた光に包まれ
メンバー全員が光に飲み込まれた。
はじめまして、自分は異世界モノと戦国モノが大好きなので”一緒にしてみたら面白いかな!?”という思い付きの勢いだけで書いてしまいました、どの時代の誰と絡ませるか!?と思い真田幸村や伊達正宗なども考えたのですが私自身愛知県に住んでいる事もありベタですが信長様に白羽の矢を立てました(笑)
頑張って本能寺まで書きたいと思っています、お付き合いいただけると嬉しいです、良かったら感想、ご意見くださるとありがたいです、では。